営業に役立つおすすめ資格21選|業界別・全業種共通の資格で差をつける方法

「営業に資格は必要なのか?」「どの資格を取れば営業活動に役立つのか?」と疑問を持つ方は多いでしょう。営業職は資格が必須の職業ではありませんが、適切な資格を取得することで顧客からの信頼獲得やキャリアアップに大きな効果があります。
この記事では、全業種共通で役立つ営業資格から、不動産・IT・金融など業界別のおすすめ資格まで、計21の資格を厳選してご紹介します。各資格の特徴、取得難易度、営業活動での活かし方を詳しく解説するので、あなたのキャリアステージや業界に最適な資格が見つかります。
営業として差別化を図りたい方、スキルアップを目指す方は、ぜひ最後までお読みください。
営業に資格は必要?取得するメリット
営業職は資格がなくても就業できる職種ですが、資格取得には大きなメリットがあります。特に競争が激しい市場や専門性の高い商材を扱う場合、資格は営業パーソンの強力な武器となります。
資格取得の最大のメリットは、顧客からの信頼獲得です。例えば、不動産営業なら宅地建物取引士、保険営業なら生命保険募集人資格を持つことで、「この人は専門知識がある」という安心感を顧客に与えられます。資格は目に見える証明書であり、初対面の顧客に対する信頼構築のきっかけになります。
次に、体系的な知識の習得ができることも重要なメリットです。営業は実践で学ぶことも多い職種ですが、資格勉強を通じて業界知識や商品知識を体系的に学ぶことで、提案の質が向上します。特にファイナンシャルプランナーや中小企業診断士など、顧客の経営や資産に関わる資格は、コンサルティング型営業への転換を可能にします。
さらに、社内でのキャリアアップや転職時の差別化にも有効です。営業成績が同程度の候補者が複数いる場合、資格保有者が昇進や採用で有利になるケースは少なくありません。特にTOEICや日商簿記など、汎用性の高い資格は業界を問わず評価されます。
加えて、自己研鑽の姿勢を示せる点も見逃せません。資格取得には一定の学習時間と努力が必要であり、それ自体が「成長意欲のある人材」というメッセージになります。顧客や上司から「常に学び続ける営業パーソン」として評価されることで、長期的な信頼関係の構築につながります。
資格取得を通じたスキルアップは、「営業に向いている人」の特徴である継続的な学習姿勢を形として示すことができます。「【関連記事】:営業に向いている人の特徴」では、営業職として成功するための素質について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
営業に役立つ資格の選び方
営業に役立つ資格は数多く存在しますが、すべての資格が万人に適しているわけではありません。自分の業界、キャリアステージ、目標に合った資格を選ぶことが、効率的なスキルアップの鍵となります。ここでは、資格選びの3つの重要な視点を解説します。
業界や商材に合わせた資格を選ぶ
営業資格を選ぶ際、最も重要なのは自分が属する業界や扱う商材との関連性です。不動産業界なら宅地建物取引士、IT業界ならITパスポートや基本情報技術者試験など、業界特化の資格は顧客との専門的な会話を可能にし、商談の質を高めます。
例えば、法人向けクラウドサービスを販売するIT営業がAWS認定資格を取得すれば、技術的な質問にも即座に答えられ、エンジニアとの橋渡し役として価値を発揮できます。また、保険営業がファイナンシャルプランナー資格を持っていれば、単なる商品販売ではなく、顧客のライフプラン全体を見据えた提案ができるようになります。業界や商材に直結した資格は、即戦力として活用できる最も効率的な選択肢です。
キャリアステージに応じた資格を選ぶ
営業経験が浅い初心者と、マネージャーを目指す中堅以上では、取得すべき資格が異なります。初心者は基礎的なビジネススキルを証明できる資格、例えばMOSやTOEIC、ITパスポートなど、比較的短期間で取得でき、すぐに業務に活かせる資格がおすすめです。
一方、営業経験が5年以上あり、マネジメントやコンサルティング営業への移行を考えている方は、中小企業診断士や不動産鑑定士など、高度な専門性を示す難関資格が適しています。これらの資格は取得に時間がかかりますが、キャリアの幅を大きく広げる効果があります。自分の現在地と目指す将来像を明確にして、適切な難易度の資格を選びましょう。
取得難易度と実用性のバランスを考える
資格選びでは、取得にかかる時間・費用と、実際の営業活動での実用性のバランスを慎重に判断する必要があります。超難関資格は確かにステータスがありますが、取得に数年かかる場合、その時間を実務経験に充てた方が成長できるケースもあります。
例えば、不動産鑑定士は不動産業界で最高峰の資格ですが、合格率3%程度の難関試験であり、実務経験要件もあります。不動産営業として働きながらこの資格を目指すより、まずは宅地建物取引士を取得して実務経験を積む方が、短期的なキャリアアップには効果的です。一方、長期的に専門家として独立を視野に入れるなら、難関資格への挑戦も有意義です。自分の目標達成までの時間軸を考慮して、現実的な資格選択をしましょう。
全業種共通で役立つ営業資格6選
業界を問わず、すべての営業パーソンのスキルアップに役立つ汎用性の高い資格をご紹介します。これらの資格は、営業の基本となるビジネススキルや専門知識を証明でき、転職時にも幅広い業界で評価されるのが特徴です。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOSは、WordやExcel、PowerPointなどマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明する国際資格です。営業職にとって、提案書作成、データ分析、プレゼンテーション資料作りは日常業務であり、MOSはこれらの業務効率を大幅に向上させます。
特にExcelのスキルは、売上データの集計や予実管理、顧客分析など、営業戦略立案に不可欠です。関数やピボットテーブル、マクロなどを使いこなせれば、手作業で数時間かかる作業が数分で完了し、本来の営業活動に時間を割けます。PowerPointスキルは、説得力のある提案書作成に直結し、商談の成約率向上につながります。
MOSは比較的取得しやすく、各科目30~50時間程度の学習で合格可能です。受験料は1科目1万円程度で、随時試験が実施されているため、自分のペースで受験できるのも魅力です。営業未経験者や若手営業パーソンが、最初に取得する資格として最適です。業務効率の向上は営業成績向上にもつながります。「【関連記事】:営業の年収を業界別・職種別に徹底分析」では、営業職のキャリアパスと年収について詳しく解説しています。
営業士検定
営業士検定は、日本営業士会が認定する営業専門の資格で、営業の基本理論から実践的なテクニック、顧客管理まで幅広い営業スキルを体系的に学べます。初級、上級、マスターの3段階があり、営業経験やキャリア目標に応じて選択できます。
この資格の最大の特徴は、営業という職種に特化した唯一の公的資格であることです。マーケティング理論、交渉術、プレゼンテーション技法、クレーム対応など、営業パーソンが直面する様々な場面での対処法を学べます。特に新人営業や、営業職に転職したばかりの方が、営業の基礎を固めるのに最適です。
初級営業士は2~3ヶ月の学習で取得可能で、受験資格も特にありません。上級以上は実務経験が必要ですが、取得すれば営業のプロフェッショナルとして社内外で認知されます。名刺に「営業士」の肩書を記載することで、顧客に対して「営業のプロ」としての信頼感を与えられます。
TOEIC
TOEICは英語コミュニケーション能力を測るテストで、グローバル化が進む現代の営業職にとって、ますます重要性が高まっています。海外企業との取引、外資系企業への転職、社内昇進の条件など、TOEICスコアが求められる場面は多岐にわたります。
営業職におけるTOEICの実用性は、英語での商談や資料作成だけではありません。英語力があることで、海外の最新ビジネス情報や業界動向をいち早くキャッチでき、競合より一歩先の提案ができます。また、外国人顧客や海外拠点とのコミュニケーションがスムーズになれば、商機の拡大につながります。
企業によって求められるスコアは異なりますが、一般的に600点以上で履歴書に記載でき、730点以上でビジネスレベルとみなされます。860点以上取得すれば、グローバル企業での営業職やマネジメント職への道が大きく開けます。リスニングとリーディングの両方を鍛える必要がありますが、毎日1~2時間の学習を3~6ヶ月続けることで、100~200点のスコアアップが可能です。グローバル展開する営業職として、「【関連記事】:営業がきついといわれる8つの理由と乗り越える対処法」も参考になるでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナー資格は、金融、保険、不動産、税金、相続など、個人の資産設計に関する幅広い知識を証明する国家資格です。3級、2級、1級とCFP(上級資格)があり、2級以上を取得すれば、営業活動で大きな武器になります。
FP資格が営業に役立つ理由は、顧客の人生設計全体を視野に入れた提案ができるようになることです。例えば、住宅営業であれば、単に物件を紹介するだけでなく、住宅ローンの選び方、税制優遇措置、将来の資産形成までアドバイスできます。保険営業なら、ライフステージごとの保障設計や資産運用の提案が可能になり、顧客との長期的な信頼関係を築けます。
FP3級は2~3ヶ月の学習で取得可能で、初心者でも挑戦しやすい資格です。2級になると実務的な知識が求められ、3~6ヶ月の学習期間が目安です。金融・保険業界以外の営業職でも、顧客の資産に関する相談に乗れることで、「ただのセールスパーソン」から「信頼できるアドバイザー」へと立場が変わります。
日商簿記検定
日商簿記検定は、企業の経理・会計知識を証明する資格で、3級、2級、1級の段階があります。営業職にとって簿記の知識は、顧客企業の財務状況を理解し、適切な提案をするために非常に有用です。特にBtoB営業では、顧客の経営課題を財務面から読み解く力が、商談の質を大きく左右します。
簿記2級以上を取得していれば、貸借対照表や損益計算書を読み解き、顧客企業の収益構造や財務健全性を把握できます。これにより、「今期は設備投資の予算がありそうだ」「コスト削減が課題になっている」といった仮説を立て、的を射た提案ができるようになります。また、自社の営業数字や予算管理の理解も深まり、マネジメント層との議論もスムーズになります。
簿記3級は1~2ヶ月、2級は3~6ヶ月の学習で取得可能です。受験料も比較的安価(3級2,850円、2級4,720円)で、年3回の試験が全国で実施されています。法人営業や、将来的にマネジメント職を目指す営業パーソンには特におすすめの資格です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、企業経営に関する幅広い知識を持つ経営コンサルタントの国家資格であり、営業資格の中では最高峰の難易度を誇ります。経営戦略、マーケティング、財務、人事、IT、法務など、経営全般にわたる専門知識を習得できます。
この資格が営業職に与える価値は計り知れません。顧客企業の経営課題を体系的に分析し、自社製品・サービスを活用した解決策を提示できるようになります。単なる商品販売ではなく、経営パートナーとして顧客から信頼される存在になれるため、高単価商材の販売や長期契約の獲得が可能になります。また、社内での評価も高く、営業企画やマーケティング部門への異動、さらには経営層への昇進の道も開けます。
ただし、合格率は一次試験で約20~30%、二次試験で約20%と難関です。学習時間は1,000時間以上必要とされ、働きながらの取得には1~3年かかることも珍しくありません。営業経験が豊富で、将来的にコンサルティング営業や経営幹部を目指す方に適した資格です。
不動産業界の営業に役立つ資格4選
不動産業界の営業では、法律知識や専門的な不動産評価スキルが求められます。ここでは、不動産営業のキャリアアップに直結する4つの資格をご紹介します。不動産営業の仕事内容について詳しく知りたい方は、「【関連記事】:不動産営業の仕事内容を徹底解説」をご覧ください。
宅地建物取引士(宅建)
宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引の専門家として、重要事項の説明や契約書への記名・押印を行える国家資格です。不動産業界では、事務所ごとに従業員5人に1人以上の割合で宅建士の設置が義務付けられており、業界で働く上で最も重要な資格といえます。
宅建士資格を持つ営業パーソンは、顧客に対して法的な側面から正確な情報を提供でき、信頼性が格段に高まります。賃貸契約や売買契約の際に、自ら重要事項説明ができることは、顧客にとって大きな安心材料です。また、資格手当が支給される企業も多く、月額1~3万円程度の収入アップが期待できます。
合格率は15~17%程度で、300~500時間の学習が必要とされます。出題範囲は民法、宅建業法、法令上の制限、税・その他と広範囲ですが、市販のテキストと過去問演習で独学でも十分合格可能です。不動産業界で働くなら必須の資格であり、未経験から不動産営業への転職を目指す方にも強く推奨されます。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の経済価値を判定する不動産評価の専門家であり、国家資格の中でも最難関の一つです。土地や建物の適正な価格を算定する鑑定評価業務は、不動産鑑定士の独占業務とされています。
営業職がこの資格を取得するメリットは、物件の価値を専門的な視点から説明できることです。「なぜこの物件がこの価格なのか」を、立地条件、収益性、将来性などの観点から論理的に説明できれば、顧客の納得感が大きく向上します。また、投資用不動産の営業では、収益還元法などの鑑定理論を用いた提案が可能になり、富裕層や法人顧客からの信頼を獲得できます。
ただし、合格率は最終合格まで約3~5%と極めて低く、2~5年の学習期間が必要です。実務修習もあるため、働きながらの取得は困難を極めます。不動産営業として長期的にキャリアを築き、将来的に独立や鑑定評価業務への転身を考えている方に適した資格です。
マンション管理士
マンション管理士は、マンション管理組合の運営や維持管理に関する専門知識を持つコンサルタントの国家資格です。マンションの管理規約、修繕計画、管理費・修繕積立金の運用など、区分所有建物特有の問題に対応できます。
マンション販売の営業がこの資格を持っていると、購入後の管理についても詳しく説明でき、「買ったら終わり」ではなく、長期的なサポートが期待できる営業として評価されます。特に新築マンションの販売では、管理組合の立ち上げや長期修繕計画の説明が必要になるため、この資格の知識が直接活かせます。また、既存マンションの売買でも、管理状態の良し悪しを見抜く力が身につきます。
合格率は8~9%程度で、宅建士よりもやや難易度が高い資格です。学習時間は500~700時間が目安で、宅建士の知識があれば効率的に学習できます。マンション販売に特化した営業や、管理会社での営業職を目指す方におすすめです。
管理業務主任者
管理業務主任者は、マンション管理会社に設置が義務付けられている国家資格で、管理組合への重要事項の説明や管理事務報告を行います。マンション管理士と出題範囲が重複しているため、同時に取得を目指す人も多い資格です。
この資格を持つ営業パーソンは、マンション管理会社への就職・転職で有利になるだけでなく、管理委託契約の営業において専門性を発揮できます。管理組合に対して、管理委託契約の内容や管理費の適正性を説明する際、法的根拠を持って対応できることは大きな強みです。また、資格手当が支給される企業も多く、収入面でもメリットがあります。
合格率は20~23%程度で、マンション管理士よりは取得しやすい資格です。学習時間は300~500時間が目安で、宅建士やマンション管理士の学習内容と重複する部分が多いため、これらの資格と並行して学習するのが効率的です。マンション管理会社の営業職や、総合不動産会社で管理業務も担当する営業パーソンに適しています。
IT・通信業界の営業に役立つ資格4選
IT・通信業界の営業では、技術的な知識が顧客との信頼関係構築に直結します。エンジニアと顧客の橋渡し役として、最低限の技術知識を持つことが求められます。ここでは、IT営業のスキルアップに役立つ4つの資格をご紹介します。IT営業や急成長産業での営業について詳しく知りたい方は、「【関連記事】:SaaS営業とIT営業の仕事内容を徹底解説」もご参照ください。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明する国家資格で、ITを利活用する社会人として最低限知っておくべき知識が網羅されています。AI、ビッグデータ、IoTなどの新技術から、セキュリティ、ネットワーク、データベースの基本、さらにプロジェクトマネジメントや経営戦略まで幅広く学べます。
IT営業がこの資格を取得すると、顧客との会話で使われる技術用語を正確に理解でき、的外れな提案を避けられます。また、システム導入やクラウドサービスの提案時に、技術的な質問に対して基本的な回答ができることで、顧客からの信頼を得やすくなります。エンジニアとのコミュニケーションもスムーズになり、社内調整がしやすくなることも大きなメリットです。
合格率は50%前後で、100~150時間程度の学習で合格可能です。CBT(Computer Based Testing)方式で随時受験でき、受験料も7,500円と手頃です。IT業界未経験から営業職に転職する方や、非IT企業でIT関連商材を扱う営業パーソンに最適な入門資格です。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とされる国家資格で、ITパスポートよりも高度な技術知識が求められます。プログラミング、アルゴリズム、データベース設計、ネットワーク構成など、システム開発の基礎を体系的に学べます。
IT営業がこの資格を取得すると、技術的な提案の質が大きく向上します。顧客の業務課題を聞いた際に、「このシステムならこういう技術で実現できる」という具体的なイメージを持てるため、エンジニアへの依頼も的確になります。また、RFP(提案依頼書)の内容を正確に理解し、技術的に実現可能かどうかを判断する力が身につきます。
合格率は25~30%程度で、200~300時間の学習が必要です。特にアルゴリズムやプログラミングの問題は、文系出身者には難しく感じられるかもしれませんが、営業職としてエンジニアと対等に会話できるレベルの技術知識が得られます。SaaS営業やシステムインテグレーターの営業職で、技術提案力を高めたい方におすすめです。
AWS認定資格
AWS認定資格は、Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービスに関する技術知識とスキルを証明する資格です。Cloud Practitioner(基礎)、Associate(中級)、Professional(上級)など複数のレベルがあり、営業職ならまずCloud Practitionerの取得を目指すのが現実的です。
クラウドサービスの営業において、AWSの知識は非常に強力な武器になります。顧客がクラウド移行を検討している際に、「EC2とは何か」「S3はどう使うのか」といった基本を説明できることで、顧客の不安を解消し、具体的な導入イメージを持ってもらえます。また、AWSは世界シェアNo.1のクラウドサービスであるため、この資格を持つことで「クラウドに詳しい営業」として認知されます。
Cloud Practitionerは50~100時間程度の学習で取得可能で、受験料は12,100円です。オンラインで受験でき、合格すると世界共通のデジタルバッジが付与されます。クラウドサービスの営業だけでなく、DX推進を担当する営業職や、IT業界への転職を目指す方にも有効な資格です。
Google広告認定資格
Google広告認定資格は、Googleが提供する広告プラットフォーム(Google広告、YouTube広告など)の知識とスキルを証明する資格です。検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告など、複数の分野別資格があり、すべて無料で受験できます。
デジタルマーケティング支援やWeb広告運用代行の営業にとって、この資格は必須といえます。顧客に広告戦略を提案する際、Google広告の仕組みや効果測定方法を正確に説明できることで、専門家としての信頼を獲得できます。また、実際の広告運用事例や最新のアルゴリズム変更にも詳しくなるため、競合他社との差別化が図れます。
各試験は1~2週間の学習で合格可能で、Googleが提供する無料のオンライン学習教材「Skillshop」で学べます。資格の有効期限は1年間で、毎年更新試験を受ける必要がありますが、常に最新の知識を維持できるメリットがあります。広告代理店の営業、Webマーケティング会社の営業、事業会社のデジタルマーケティング担当者に最適な資格です。
金融・保険業界の営業に役立つ資格4選
金融・保険業界では、法律で定められた資格がないと営業活動ができないケースが多く、資格取得は必須です。ここでは、金融・保険営業に不可欠な4つの資格をご紹介します。金融・保険業界への転職を検討されている方は、「【関連記事】:営業の面接対策完全ガイド」も参考になるでしょう。
証券外務員資格
証券外務員資格は、株式、債券、投資信託などの金融商品を販売するために必要な資格で、金融商品取引法により取得が義務付けられています。一種外務員と二種外務員があり、一種は全ての金融商品、二種は株式・債券の現物取引と投資信託などを扱えます。
この資格を持つ営業パーソンは、金融商品の仕組みやリスク、税制、関連法規を深く理解しており、顧客に対して適切な商品提案ができます。特に投資信託や株式投資に興味を持つ顧客に対して、リスクとリターンのバランス、分散投資の重要性、長期運用のメリットなどを専門的に説明できることは、信頼獲得の鍵となります。
二種外務員は1~2ヶ月、一種外務員は2~3ヶ月の学習で取得可能です。試験は日本証券業協会が実施し、合格率は60~70%程度です。証券会社、銀行、保険会社などで金融商品を扱う営業職には必須の資格であり、多くの企業では入社後に取得が求められます。
生命保険募集人資格
生命保険募集人資格は、生命保険商品を販売するために必要な資格で、保険業法により取得が義務付けられています。一般課程、専門課程、応用課程、生命保険大学課程の4段階があり、一般課程試験に合格することで保険募集ができるようになります。
この資格を通じて、生命保険の種類(定期保険、終身保険、養老保険など)、保険金の支払い条件、約款の読み方、税務知識などを体系的に学べます。顧客のライフステージや家族構成、収入状況に応じて、最適な保障設計を提案できるようになることで、単なる商品販売ではなく、人生設計のパートナーとして信頼されます。
一般課程試験は2~4週間の学習で合格可能で、合格率は90%以上と比較的容易です。ただし、上位課程になるほど専門性が高まり、応用課程以上は実務経験が求められます。生命保険会社や保険代理店で働く場合は、入社後すぐに取得する必須資格です。
損害保険募集人資格
損害保険募集人資格は、自動車保険、火災保険、賠償責任保険などの損害保険商品を販売するために必要な資格です。基礎単位、自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位など、商品分野ごとに試験が分かれており、必要な単位を取得することで募集活動ができます。
損害保険の営業では、事故やトラブルが発生した際の補償内容を正確に説明することが重要です。特に法人顧客に対しては、事業活動に伴うリスク(製造物責任、労災、サイバーリスクなど)を分析し、適切な保険でカバーする提案力が求められます。この資格を通じて、リスクマネジメントの視点を養い、顧客企業の安全と安心を守るパートナーになれます。
基礎単位試験は1~2週間の学習で合格可能で、合格率も高めです。自動車保険や火災保険などの専門単位は、それぞれ2~4週間の学習が目安です。損害保険会社や保険代理店で働く場合に必須の資格であり、不動産業界や自動車販売業界でも、付帯サービスとして保険を扱う場合に取得が求められます。
DCプランナー
DCプランナー(企業年金総合プランナー)は、企業年金制度や確定拠出年金(DC)、退職金制度に関する専門知識を証明する資格です。1級、2級、3級の段階があり、2級以上を取得すれば、企業の人事部門や従業員に対して、年金制度の設計や運用アドバイスができます。
少子高齢化が進む日本では、公的年金だけでは老後資金が不足する可能性が高く、企業年金や個人年金の重要性が増しています。DCプランナー資格を持つ営業パーソンは、確定拠出年金の仕組み、運用商品の選び方、税制優遇措置などを詳しく説明でき、顧客の老後不安を解消する提案ができます。特に法人営業では、企業の退職金制度や福利厚生の見直し提案に活用できます。
3級は1~2ヶ月、2級は2~3ヶ月の学習で取得可能です。金融機関や保険会社で、企業年金や確定拠出年金の営業を担当する方、ファイナンシャルプランナーとしてより専門性を高めたい方におすすめの資格です。
その他の業界で役立つ営業資格3選
不動産、IT、金融以外にも、専門的な知識が求められる業界があります。ここでは、医薬品、知的財産、貿易など、特定業界で強みを発揮する3つの資格をご紹介します。多様な営業職の種類について詳しく知りたい方は、「【関連記事】:営業職の種類を完全網羅」もご参照ください。
医薬品登録販売者
医薬品登録販売者は、一般用医薬品(第二類・第三類医薬品)を販売できる国家資格です。薬剤師が不在でも、この資格があれば風邪薬や胃腸薬などの一般用医薬品を販売できるため、ドラッグストアや薬局での需要が高い資格です。
医薬品や健康食品の営業がこの資格を持つと、商品の成分や効能、副作用、相互作用などを専門的に説明でき、小売店や卸売業者からの信頼を獲得できます。特にOTC医薬品メーカーの営業や、医薬品卸の営業では、店舗スタッフへの商品教育や陳列提案において、この資格の知識が大いに役立ちます。また、資格手当が支給される企業も多く、月額1~2万円の収入アップが期待できます。
合格率は40~50%程度で、3~6ヶ月の学習が必要です。出題範囲は、医薬品の成分、人体の仕組み、薬事関連法規など広範囲ですが、市販のテキストと過去問演習で独学でも合格可能です。医薬品業界での営業職を目指す方や、ドラッグストアでのキャリアアップを考えている方に適した資格です。
知的財産管理技能検定
知的財産管理技能検定は、特許、商標、著作権などの知的財産に関する知識とマネジメント能力を証明する国家資格です。3級、2級、1級の段階があり、企業の知財部門だけでなく、研究開発、法務、営業部門でも活用できます。
BtoB営業、特に製造業や技術系企業の営業がこの資格を持つと、顧客企業との取引において知財リスクを考慮した提案ができます。例えば、共同開発案件では特許の帰属や実施権の取り決めが重要になりますし、商標権の侵害リスクがある商品は避けるべきです。知財に関する基本的な知識があることで、法務部門との連携がスムーズになり、契約交渉でも的確な判断ができます。
3級は2~3ヶ月、2級は3~6ヶ月の学習で取得可能です。製造業、IT企業、出版・エンタメ業界など、知的財産が重要な業界の営業職におすすめです。また、将来的に新規事業開発やライセンスビジネスに関わりたい方にも有益な資格です。
通関士
通関士は、輸出入貨物の通関手続きを行う専門家であり、通関業者に必置とされている国家資格です。関税法、関税定率法、通関業法などの法律知識と、輸出入手続きの実務知識が求められます。
貿易関連企業の営業や、国際物流会社の営業がこの資格を持つと、顧客に対して通関手続きの流れ、関税の計算方法、輸入規制などを正確に説明でき、専門家としての信頼を得られます。特に海外から商品を輸入する企業に対して、「この商品を輸入する場合、関税率は○%で、必要な手続きは△△です」と即答できることは、大きな差別化要因になります。
合格率は10~15%程度で、500~800時間の学習が必要とされる難関資格です。貿易実務の経験があれば理解しやすい内容ですが、未経験者には法律用語が難しく感じられるかもしれません。通関業者、国際物流企業、商社、メーカーの輸出入部門などで働く営業職に適した資格です。
資格を営業活動に活かす方法
資格を取得しただけでは、営業成績の向上には直結しません。資格で得た知識やスキルを、実際の営業活動でどう活用するかが重要です。ここでは、資格を最大限に活かすための2つの方法をご紹介します。
名刺や自己紹介で資格をアピールする
資格を持っていることを顧客に知ってもらわなければ、信頼獲得の効果は半減します。名刺に取得資格を記載することで、初対面の顧客に対して「この営業パーソンは専門知識を持っている」という第一印象を与えられます。特に宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、中小企業診断士など、認知度の高い資格は、名刺に記載するだけで顧客の信頼度が向上します。
また、自己紹介や商談の冒頭で、「私は○○の資格を持っており、専門的な視点からアドバイスができます」と伝えることも効果的です。ただし、資格を誇示するだけでは逆効果になる可能性もあるため、「お客様の課題解決に役立てたい」という姿勢を示すことが大切です。メールの署名欄に資格を記載することで、継続的に専門性をアピールすることもできます。
専門知識を提案力に変える
資格勉強で得た知識を、顧客の課題解決に直結する提案に変換することが、営業力向上の鍵です。例えば、ファイナンシャルプランナー資格を持つ保険営業なら、顧客のライフプラン全体を見据えた保障設計を提案できます。単に「この保険がおすすめです」と言うのではなく、「お子様の教育資金、住宅ローン返済、老後資金を考慮すると、このような保障が最適です」と、根拠を持って説明できます。
日商簿記を取得した法人営業なら、顧客企業の決算書を読み解き、「御社の売上は伸びていますが、利益率が低下していますね。当社の○○を導入すれば、コスト削減が可能です」といった財務分析に基づく提案ができます。資格の知識を、顧客の状況に応じてカスタマイズして提案することで、「ただの営業」から「頼れるアドバイザー」へと立場が変わります。継続的に学習し、最新の法改正や業界動向を把握することで、提案の質をさらに高められます。営業職としての1日の過ごし方や効率的な時間配分についても、「【関連記事】:営業の1日のスケジュール」で詳しく解説しています。
まとめ: 営業資格は差別化とキャリアアップの武器になる
営業に資格は必須ではありませんが、適切な資格を取得することで、顧客からの信頼獲得、提案力の向上、キャリアアップの加速など、多くのメリットを得られます。本記事でご紹介した21の資格は、全業種共通で役立つものから業界特化のものまで、幅広いニーズに対応しています。
資格選びで重要なのは、自分の業界、キャリアステージ、目標に合った資格を選ぶことです。不動産業界なら宅建士、IT業界ならITパスポートやAWS認定資格、金融業界なら証券外務員やFPなど、業界に直結する資格は即戦力として活用できます。また、営業経験が浅い方はMOSやTOEICなど基礎的な資格から始め、経験を積んだ後に中小企業診断士などの難関資格に挑戦するのが効果的です。
資格は取得がゴールではなく、営業活動に活かしてこそ価値があります。名刺や自己紹介で資格をアピールし、専門知識を顧客の課題解決につなげる提案力に変えることで、営業としての市場価値を大きく高められます。自己投資としての資格取得を通じて、差別化とキャリアアップを実現しましょう。営業職の基本的な業務内容についてさらに詳しく知りたい方は、「【関連記事】:営業の仕事内容を徹底解説」もご参照ください。
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