営業職の種類を完全網羅|16種類の営業タイプから自分に合った営業を見つける方法

「営業職に興味があるけれど、どんな種類の営業があるのかわからない」「自分に合った営業タイプを見つけたい」このような悩みを抱えていませんか。
営業職と一口に言っても、顧客層や商材、働き方によって様々な種類が存在します。それぞれの営業タイプには異なる特徴があり、求められるスキルや向いている性格も大きく異なります。自分に合わない営業職を選んでしまうと、仕事にやりがいを感じられず、早期離職につながる可能性もあります。
この記事では、営業職の種類を5つの分類軸で整理し、16種類の営業タイプを詳しく解説します。各営業タイプの特徴や向いている人の性格、具体的な仕事内容まで網羅的に紹介するので、未経験から営業職への転職を検討している方でも、自分に最適な営業職を見つけられます。
営業職の種類を理解する5つの分類軸
営業職の種類は、大きく分けて5つの分類軸で整理できます。この分類軸を理解することで、自分がどのような営業タイプに向いているのか、明確に判断できるようになります。
5つの分類軸とは、「顧客別」「目的別」「商材別」「形態別」「手法別」です。それぞれの軸で営業職を分類することで、16種類の営業タイプが浮かび上がってきます。これらの分類を組み合わせることで、さらに細かく営業職を理解できます。
顧客別による分類(法人営業・個人営業)
顧客別の分類では、営業先が法人(企業)か個人かによって、法人営業(BtoB営業)と個人営業(BtoC営業)に分けられます。
法人営業は、企業や組織を相手に商品やサービスを提案する営業です。決裁者が複数いることが多く、長期的な関係構築が求められます。一方、個人営業は、一般消費者を対象とした営業で、個人の意思決定で購入が決まるため、スピード感のある営業活動が特徴です。
この分類は営業職を理解する上で最も基本的な軸であり、顧客層の違いによって営業スタイルや求められるスキルが大きく異なります。
目的別による分類(新規開拓・既存深耕)
目的別の分類では、新しい顧客を獲得する新規開拓営業と、既存顧客との関係を深めて売上を拡大する既存顧客営業(ルート営業)に分けられます。
新規開拓営業は、まだ取引のない企業や個人に対してアプローチし、新たな顧客を獲得することが主な目的です。断られることも多く、精神的なタフさが求められます。既存顧客営業は、すでに取引のある顧客に対して継続的にサービスを提供し、追加受注や契約更新を目指します。
この分類によって、営業活動の難易度やストレスの種類が変わるため、自分の性格や適性を考慮して選ぶことが重要です。
商材別による分類(有形商材・無形商材)
商材別の分類では、扱う商品が目に見える形のある有形商材か、サービスやソフトウェアなど形のない無形商材かによって分けられます。
有形商材営業は、製品やカタログを見せながら説明できるため、比較的イメージしやすい営業です。一方、無形商材営業は、サービスの価値や効果を言葉で伝える必要があり、高い提案力やプレゼンテーション能力が求められます。
扱う商材の性質によって、営業トークの組み立て方や必要なスキルセットが異なるため、この分類も営業職選びの重要な判断基準となります。
形態別による分類(訪問型・非訪問型)
形態別の分類では、顧客を直接訪問する訪問型営業(フィールドセールス)と、電話やメール、Web会議などで対応する非訪問型営業(インサイドセールス)に分けられます。
訪問型営業は、顧客先に足を運んで対面でコミュニケーションを取るため、移動時間が多く体力が必要です。非訪問型営業は、オフィスや自宅から効率的に多くの顧客とコンタクトが取れるため、近年増加している営業形態です。
働き方の違いが大きいため、ライフスタイルや体力面を考慮して選ぶことが大切です。
手法別による分類(直販・代理店)
手法別の分類では、自社が直接顧客に販売する直販営業と、代理店やパートナー企業を通じて販売する代理店営業(パートナーセールス)に分けられます。
直販営業は、顧客と直接やり取りするため、顧客のニーズを直接把握でき、迅速な対応が可能です。代理店営業は、代理店との関係構築が主な業務となり、間接的に多くの顧客にアプローチできます。販売チャネルの違いによって、営業活動の進め方が大きく異なります。
顧客別で見る営業職の種類と特徴
顧客別の分類は、営業職を理解する上で最も基本的な区分です。法人営業と個人営業では、営業プロセスや求められるスキル、仕事の進め方が大きく異なります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
法人営業(BtoB営業)の特徴と向いている人
法人営業(BtoB営業)は、企業や組織を顧客とする営業職です。最大の特徴は、意思決定プロセスが複雑で、複数の関係者が購入判断に関わることです。担当者だけでなく、部長や役員など決裁権を持つ人物への提案が必要になるため、組織内の人間関係を理解し、適切なアプローチが求められます。
商談期間が長期化しやすく、数ヶ月から1年以上かかるケースも珍しくありません。そのため、忍耐強く顧客との関係を築き、継続的にフォローアップできる能力が重要です。また、論理的な提案資料の作成や、ROI(投資対効果)を明確に示すプレゼンテーションスキルも必須となります。
法人営業に向いているのは、論理的思考力がある人、長期的な視点で物事を考えられる人、組織内の力学を理解できる人です。一つの成約で大きな売上を獲得できるため、じっくりと腰を据えて顧客と向き合いたい人に適しています。
法人営業の代表的な仕事内容
法人営業の具体的な仕事内容としては、企業向けソフトウェアの販売、オフィス用品や事務機器の提案、製造業向けの部品・原材料の営業、人材サービスの法人営業、広告枠の営業などがあります。
特にIT業界のSaaS(Software as a Service)営業や、人材紹介会社の法人営業は近年需要が高まっています。また、製造業のBtoB営業では、技術的な知識が求められることも多く、専門性を活かしたキャリア形成が可能です。商談では提案書や見積書の作成、プレゼンテーション、契約交渉などが主な業務となります。
「【関連記事】:法人営業と個人営業の違いを8つの観点で徹底比較|B2BとB2Cの特徴と選び方」では、法人営業と個人営業の詳細な比較をしているので、参考にしてください。
個人営業(BtoC営業)の特徴と向いている人
個人営業(BtoC営業)は、一般消費者を対象とした営業職です。法人営業と比較して、意思決定が早く、即日または数日で契約が決まることが多いのが特徴です。個人の感情や好みが購入判断に大きく影響するため、共感力や親しみやすさが重要になります。
個人営業では、顧客一人ひとりのニーズや悩みに寄り添い、最適な商品やサービスを提案する力が求められます。また、顧客との信頼関係を短時間で構築する必要があるため、コミュニケーション能力や第一印象の良さが成果に直結します。
個人営業に向いているのは、人と話すことが好きな人、相手の気持ちを汲み取るのが得意な人、明るく親しみやすい雰囲気を持つ人です。成約までのスピードが早いため、達成感を頻繁に味わいたい人にも適しています。また、数をこなすことで実績を積み上げられるため、行動力のある人にもおすすめです。
個人営業の代表的な仕事内容
個人営業の代表的な仕事内容には、住宅や不動産の販売、保険の営業、自動車販売、通信サービスの契約獲得、金融商品の提案などがあります。
特に不動産営業は高額商材を扱うため、一件あたりの成約で得られるインセンティブが大きく、高収入を目指せる職種です。保険営業は既存顧客からの紹介を通じて顧客基盤を広げていくスタイルが多く、人脈を活かした営業が可能です。また、携帯電話ショップなどの店舗型営業も個人営業の一種で、来店した顧客に対して料金プランやオプションサービスを提案します。
目的別で見る営業職の種類と特徴
営業職の目的別分類では、新規顧客を獲得する新規開拓営業と、既存顧客との関係を維持・深化させる既存顧客営業に分けられます。この分類は営業活動のストレスの種類や求められる性格特性に大きく影響します。
どちらのタイプが自分に合っているかを見極めることが、営業職で長く活躍するための重要なポイントです。
新規開拓営業の特徴と向いている人
新規開拓営業は、まだ取引のない企業や個人に対してアプローチし、新たな顧客を獲得することを目的とした営業です。最大の特徴は、断られることが日常的であり、精神的なタフネスが求められる点です。100件アプローチして1件成約できれば良い方という世界も珍しくありません。
しかし、新規開拓営業には大きなやりがいもあります。自分の力でゼロから顧客を開拓し、新しい取引関係を構築できた時の達成感は格別です。また、多くの企業では新規顧客獲得に対して高いインセンティブを設定しているため、成果を上げれば高収入を得られる可能性があります。
新規開拓営業に向いているのは、拒絶されても気持ちを切り替えられるメンタルの強さを持つ人、チャレンジ精神旺盛な人、未知の相手とコミュニケーションを取ることに抵抗がない人です。また、PDCAサイクルを回して営業手法を改善できる分析力も重要になります。
新規開拓営業で求められるスキル
新規開拓営業で求められるスキルは、まず見込み顧客を発見するリサーチ力です。ターゲットとなる企業や個人を効率的に見つけ出し、アプローチリストを作成する能力が必要です。
次に、初対面の相手に興味を持ってもらうためのアプローチスキルが重要です。電話やメールでの第一接触で関心を引き、アポイントにつなげる力が求められます。さらに、短時間で信頼関係を構築するコミュニケーション能力、顧客のニーズを的確に把握するヒアリング力、そして断られても諦めずに次のアプローチに活かす粘り強さが必要です。データを分析して成功パターンを見つける分析力も、新規開拓営業の成果を高める重要なスキルとなります。
新規開拓営業と既存顧客営業のどちらが自分に向いているかについては、「【関連記事】:ルート営業と新規営業の違いを徹底比較|既存顧客フォローと新規開拓の特徴」で詳しく解説しています。
既存顧客営業(ルート営業)の特徴と向いている人
既存顧客営業(ルート営業)は、すでに取引のある顧客に対して継続的にサービスを提供し、関係を深めながら追加受注や契約更新を目指す営業です。新規開拓と比較して、顧客との信頼関係がすでに構築されているため、精神的な負担は軽減されます。
既存顧客営業の重要な役割は、顧客満足度を高めて長期的な関係を維持することです。定期的な訪問やフォローアップを通じて、顧客の課題やニーズの変化を把握し、適切なタイミングで新しい提案を行います。また、契約更新時期には、競合他社に乗り換えられないよう、自社サービスの価値を改めて伝える必要があります。
既存顧客営業に向いているのは、人間関係を大切にする人、細やかな気配りができる人、安定的な営業スタイルを好む人です。一つの顧客と長く付き合うことにやりがいを感じられる人、顧客の成功をサポートすることに喜びを見出せる人に適しています。
既存顧客営業で重視される能力
既存顧客営業で重視される能力は、まず顧客との信頼関係を維持・強化するための関係構築力です。定期的なコミュニケーションを通じて、担当者との良好な関係を保つことが重要です。
次に、顧客の潜在的なニーズを発見する洞察力が求められます。日常的な会話の中から、顧客が抱えている課題や今後必要になりそうなサービスを見抜く力が必要です。また、顧客の業界動向や事業状況を理解し、適切な提案を行うための業界知識も欠かせません。さらに、トラブルが発生した際に迅速かつ適切に対応する問題解決能力、長期的な視点で顧客価値を最大化する戦略的思考力も、既存顧客営業で成果を上げるために重要な能力です。
商材別で見る営業職の種類と特徴
商材別の分類では、目に見える製品を扱う有形商材営業と、サービスやソリューションなど形のない商品を扱う無形商材営業に分けられます。扱う商材の性質によって、営業手法や必要なスキルが大きく変わります。
それぞれの特徴を理解することで、自分がどちらの商材に適性があるか見極められます。
有形商材営業の特徴と具体例
有形商材営業は、実物のある製品を扱う営業職です。最大の特徴は、顧客に実際の商品を見せたり、触れてもらったりしながら説明できることです。カタログや実物サンプルを使って視覚的に訴求できるため、商品の魅力を伝えやすく、顧客もイメージしやすいというメリットがあります。
有形商材営業では、商品の機能や仕様、競合製品との違いを明確に説明する知識が求められます。また、価格や納期、アフターサービスなど、具体的な条件交渉が発生することも多く、細かな調整力が必要です。在庫管理や配送手配など、物流に関する業務が発生することもあります。
有形商材営業に向いているのは、具体的な商品知識を深めることが好きな人、目に見える成果物を扱いたい人、論理的に製品の優位性を説明できる人です。また、展示会やデモンストレーションを通じて商品の魅力を伝えることに興味がある人にも適しています。
有形商材営業の業界例
有形商材営業の代表的な業界としては、製造業での産業機械や部品の営業、医療機器メーカーの営業、食品・飲料メーカーの営業、アパレル業界の営業、家電量販店での販売員などがあります。
特に製造業のBtoB営業では、技術的な知識が重視され、エンジニア出身者が活躍するケースも多くあります。医療機器営業では専門性が高く、医療従事者とのコミュニケーション能力が求められます。また、自動車営業や住宅設備の営業も有形商材の代表例で、高額商品を扱うため提案力と信頼関係構築力が重要になります。
無形商材営業の特徴と具体例
無形商材営業は、サービス、ソフトウェア、コンサルティングなど、形のない商品を扱う営業職です。最大の特徴は、顧客に直接商品を見せることができないため、言葉や資料を使って価値を伝える必要があることです。そのため、高度なプレゼンテーション能力と提案力が求められます。
無形商材営業では、顧客の課題を深く理解し、自社のサービスがどのように問題を解決できるのかを論理的に説明する力が重要です。ROIやKPIなどの数値を使って、導入効果を具体的に示す必要もあります。また、サービスの品質は実際に利用してみないとわからないため、信頼関係の構築が成約の鍵となります。
無形商材営業に向いているのは、抽象的な概念を分かりやすく説明できる人、顧客の課題を深掘りするのが得意な人、論理的思考力が高い人です。また、データや数値を使った提案が得意な人、新しいサービスや技術に興味がある人にも適しています。
無形商材営業の業界例
無形商材営業の代表的な業界には、IT・SaaS業界でのソフトウェア営業、広告代理店での広告枠営業、人材サービス業界での人材紹介営業、コンサルティング会社での営業、保険会社での営業、教育サービスの営業などがあります。
特にSaaS営業は近年急成長している分野で、クラウドサービスの導入提案を行います。人材紹介営業では、企業の採用課題を解決するために最適な人材を提案し、成功報酬型のビジネスモデルが一般的です。また、Web広告の営業では、デジタルマーケティングの知識を活かして、クライアントの集客課題を解決する提案を行います。コンサルティング営業では、経営課題の解決策を提示し、高額なプロジェクトを受注します。
「【関連記事】:SaaS営業とIT営業の仕事内容を徹底解説|成長市場で働く魅力と必要スキル」では、IT・SaaS業界の営業について詳しく解説しているので、この業界への転職を検討している方は参考にしてください。
形態別で見る営業職の種類と特徴
形態別の分類では、顧客を直接訪問するか、非対面でコミュニケーションを取るかによって営業スタイルが大きく異なります。働き方やライフスタイルに直結する分類であるため、自分の価値観に合った形態を選ぶことが重要です。
それぞれの特徴と働き方を詳しく見ていきましょう。
訪問型営業(フィールドセールス)の特徴と向いている人
訪問型営業(フィールドセールス)は、顧客の会社や自宅を直接訪問して商談を行う営業スタイルです。最大の特徴は、対面でのコミュニケーションによって信頼関係を構築しやすいことです。表情や雰囲気を直接感じ取れるため、顧客のニーズや懸念点を把握しやすく、その場で柔軟に対応できます。
訪問型営業では、移動時間が多く発生するため、効率的なスケジュール管理が求められます。1日に3〜5件の訪問をこなすのが一般的で、移動時間を含めると外出時間が長くなります。そのため、体力が必要であり、天候に左右されることもあります。また、顧客との関係性を重視するため、定期的な訪問によって信頼を積み重ねていくスタイルが主流です。
訪問型営業に向いているのは、人と直接会って話すことが好きな人、外出が多い仕事を苦にしない人、体力に自信がある人です。また、様々な場所に足を運ぶことが好きな人、対面でのコミュニケーションに自信がある人にも適しています。
訪問型営業の1日の流れ
訪問型営業の典型的な1日の流れは、朝9時に出社して当日の訪問スケジュールを確認し、必要な資料や商品サンプルを準備します。10時頃から最初の訪問先に向かい、午前中に1〜2件の商談をこなします。
昼食後は午後の訪問に備え、13時頃から夕方までに2〜3件の顧客を訪問します。訪問の合間には、移動時間を利用してメールのチェックや次の商談の準備を行います。夕方18時頃に帰社し、訪問報告書の作成や翌日のアポイント調整、見積書の作成などの事務作業を行います。繁忙期には夜遅くまで作業が続くこともあります。
「【関連記事】:営業の1日のスケジュールを徹底解説|朝から夜までのリアルな働き方と時間配分」では、営業職の具体的な1日の流れをさらに詳しく解説しているので、営業職の働き方についてもっと知りたい方は参考にしてください。
非訪問型営業(インサイドセールス)の特徴と向いている人
非訪問型営業(インサイドセールス)は、電話、メール、Web会議などを活用して、オフィスや自宅から顧客とコミュニケーションを取る営業スタイルです。近年、働き方改革やデジタル化の進展により、急速に普及している営業形態です。
インサイドセールスの最大の特徴は、移動時間がゼロであるため、1日に多くの顧客と接点を持てることです。訪問型営業が1日3〜5件なのに対し、インサイドセールスでは10〜20件以上の顧客対応が可能です。また、リモートワークが可能な企業も多く、柔軟な働き方ができるメリットがあります。
一方で、非対面のため、信頼関係の構築には工夫が必要です。声のトーンや言葉選びがより重要になり、電話やメールでのコミュニケーションスキルが求められます。また、CRMツールやWeb会議システムなど、デジタルツールを使いこなす能力も必要です。
非訪問型営業に向いているのは、電話やメールでのコミュニケーションが得意な人、効率的に多くのタスクをこなすことが好きな人、デジタルツールに抵抗がない人です。また、自宅やオフィスで集中して仕事をしたい人、移動時間を削減したい人にも適しています。
非訪問型営業の働き方のメリット
非訪問型営業の働き方には、多くのメリットがあります。まず、移動時間がないため、時間を効率的に使えます。その分、より多くの顧客にアプローチでき、商談数を増やせます。
また、リモートワークが可能な企業では、通勤時間を削減でき、ワークライフバランスを保ちやすくなります。自宅で仕事ができるため、育児や介護との両立もしやすく、柔軟な働き方を実現できます。さらに、天候や交通状況に左右されず、安定的に業務を遂行できる点も大きなメリットです。データ管理もデジタルで一元化されるため、顧客情報の共有や分析がしやすく、チーム全体での営業力向上にもつながります。
「【関連記事】:インサイドセールスとフィールドセールスの違いを徹底比較|役割・KPI・スキル」では、インサイドセールスとフィールドセールスの特徴や違いについて、さらに詳しく解説しているので参考にしてください。
手法別で見る営業職の種類と特徴
手法別の分類では、販売チャネルの違いによって営業スタイルが異なります。自社が直接顧客に販売する直販営業と、代理店やパートナー企業を通じて販売する代理店営業では、求められるスキルや仕事の進め方が大きく変わります。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った営業手法を見つけましょう。
直販営業の特徴と向いている人
直販営業は、自社が顧客と直接取引を行う営業スタイルです。最大の特徴は、顧客との距離が近く、ニーズをダイレクトに把握できることです。顧客の声を直接聞けるため、商品やサービスの改善提案にもつなげやすく、顧客満足度の向上に貢献できます。
直販営業では、顧客との関係構築から契約、アフターフォローまで一貫して担当することが多く、顧客との信頼関係を深められます。また、成約までのプロセスをすべて自分でコントロールできるため、営業スキルの向上を実感しやすいというメリットもあります。価格交渉や納期調整なども自社内で完結できるため、スピーディーな対応が可能です。
直販営業に向いているのは、顧客と直接コミュニケーションを取りたい人、自分の力で成約まで導きたい人、顧客の反応をダイレクトに感じたい人です。また、顧客の課題解決に深く関わりたい人、長期的な関係構築にやりがいを感じる人にも適しています。
代理店営業(パートナーセールス)の特徴と向いている人
代理店営業(パートナーセールス)は、自社の商品やサービスを販売してくれる代理店やパートナー企業を開拓し、サポートする営業スタイルです。最大の特徴は、直接顧客に販売するのではなく、販売してくれるパートナーを増やし、育成することで売上を拡大する点です。
代理店営業では、パートナー企業との信頼関係構築が最も重要です。販売目標の設定、商品知識の提供、販促支援、トラブル対応など、パートナーが効果的に販売できる環境を整えることが主な業務となります。一つのパートナーが複数の顧客に販売してくれるため、レバレッジを効かせた営業展開が可能です。
代理店営業に向いているのは、BtoB営業の経験を活かしたい人、組織対組織のビジネスに興味がある人、Win-Winの関係構築が得意な人です。また、教育やサポートを通じてパートナーを成功に導くことにやりがいを感じる人、戦略的な営業活動を好む人にも適しています。
直販と代理店営業の違いを理解する
直販営業と代理店営業の最も大きな違いは、営業対象です。直販営業はエンドユーザー(最終顧客)が対象ですが、代理店営業は販売パートナーが対象となります。そのため、求められるスキルや営業プロセスが大きく異なります。
直販営業では、顧客のニーズに応じた柔軟な提案が求められ、一件一件の商談を丁寧に進めます。一方、代理店営業では、パートナー企業全体の販売力を向上させるための戦略的なアプローチが必要です。また、直販営業は成約までのスピードが速い傾向にありますが、代理店営業はパートナー関係の構築に時間がかかる反面、一度関係が築ければ継続的な売上が期待できます。
報酬体系も異なることが多く、直販営業は個人の成約数に応じたインセンティブが一般的ですが、代理店営業はパートナー全体の売上に基づく評価が行われることもあります。自分がどちらのスタイルに適性があるかを見極めることが、キャリア選択の重要なポイントです。
自分に合った営業職の種類を見つける方法
ここまで16種類の営業タイプを紹介してきましたが、「結局どれが自分に合っているのかわからない」という方も多いでしょう。自分に合った営業職を見つけるためには、性格や強み、キャリア目標を明確にすることが重要です。
ここでは、具体的な選び方のポイントを3つの視点から解説します。
性格タイプ別おすすめの営業職
性格によって向いている営業職のタイプは大きく異なります。まず、社交的で人と話すことが好きな外向的タイプの人には、個人営業や新規開拓営業が向いています。多くの人と接することでエネルギーを得られるタイプなので、訪問型営業で様々な顧客と出会う仕事が適しています。
一方、じっくりと人間関係を築くことを好む内向的タイプの人には、既存顧客営業や法人営業がおすすめです。限られた顧客と深い関係を構築し、長期的にサポートする営業スタイルが合っています。また、論理的思考が得意な分析型の人には、無形商材営業やインサイドセールスが向いています。データを活用して効率的に営業活動を進められるため、自分の強みを活かせます。
さらに、チャレンジ精神が旺盛で失敗を恐れない人には、新規開拓営業や高額商材の営業が適しています。拒絶されても気持ちを切り替えられるメンタルの強さがあれば、大きな成果を上げられる可能性があります。自分の性格特性を理解し、それに合った営業タイプを選ぶことが、長く活躍するための第一歩です。
自分の適性をより詳しく知りたい方は、「【関連記事】:営業に向いている人の特徴7選|適性チェックリストと未経験からの成功法」で詳しく解説しているので参考にしてください。
キャリア目標別の営業職の選び方
キャリア目標によっても、選ぶべき営業職は変わります。短期間で高収入を目指したい人には、インセンティブの割合が高い個人営業や新規開拓営業がおすすめです。不動産営業や保険営業では、成果に応じて報酬が大きく変動するため、実力次第で高収入を実現できます。
将来的にマネジメント職を目指したい人には、法人営業やパートナーセールスが適しています。複雑な商談をマネジメントし、組織内の調整力を磨けるため、マネージャーとして必要なスキルを習得できます。また、専門性を高めたい人には、特定業界に特化した営業や無形商材営業がおすすめです。IT業界のSaaS営業や医療機器営業など、専門知識が求められる分野では、キャリアを通じて専門性を深められます。
ワークライフバランスを重視したい人には、インサイドセールスや既存顧客営業が向いています。リモートワークが可能な企業も多く、柔軟な働き方ができます。自分のキャリアゴールを明確にし、それに近づける営業職を選ぶことが、満足度の高いキャリア形成につながります。
未経験から始めやすい営業職の種類
営業未経験の方が最初に選ぶべき営業職には、いくつかのポイントがあります。まず、研修制度が充実している企業の営業職を選ぶことが重要です。特に、有形商材営業は商品を見せながら説明できるため、未経験者でも比較的取り組みやすい傾向にあります。
また、既存顧客営業(ルート営業)は、すでに取引のある顧客を担当するため、新規開拓と比較してハードルが低く、未経験者におすすめです。顧客との関係がすでにある程度構築されているため、精神的な負担も少なく、営業の基本スキルを学びやすい環境です。
さらに、インサイドセールスも未経験者に適しています。電話やメールでのアプローチが中心で、マニュアルやトークスクリプトが整備されている企業が多いため、未経験でもスタートしやすいのが特徴です。チームでの営業活動が多く、先輩からのサポートを受けやすい点もメリットです。
逆に、高額商材の新規開拓営業や代理店営業は、ある程度の営業経験が求められるため、未経験者にはハードルが高い場合があります。まずは基本的な営業スキルを身につけられる職種からスタートし、徐々にステップアップしていくことをおすすめします。
まとめ:営業職の種類を理解してキャリアの第一歩を踏み出そう
この記事では、営業職の種類を5つの分類軸で整理し、16種類の営業タイプを詳しく解説してきました。顧客別、目的別、商材別、形態別、手法別という分類を理解することで、営業職の全体像が見えてきたのではないでしょうか。
営業職と一口に言っても、法人営業と個人営業では営業プロセスが全く異なりますし、新規開拓営業と既存顧客営業では求められるメンタリティも大きく違います。また、有形商材と無形商材では営業トークの組み立て方が変わり、訪問型営業とインサイドセールスでは働き方やライフスタイルが異なります。
自分に合った営業職を見つけるためには、まず自分の性格や強み、キャリア目標を明確にすることが重要です。社交的な人は個人営業や新規開拓営業が向いているかもしれませんし、論理的思考が得意な人は法人営業や無形商材営業が適しているかもしれません。未経験から始める場合は、研修制度が充実した企業の既存顧客営業やインサイドセールスからスタートすることをおすすめします。
営業職は、どの業界でも必要とされる普遍的なスキルを身につけられる職種です。自分に合った営業タイプを見つけて、充実したキャリアの第一歩を踏み出しましょう。
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