インサイドセールスとフィールドセールスの違いを徹底比較|役割・KPI・スキル

「インサイドセールスとフィールドセールスって何が違うの?」「どちらが自分に合っているのか分からない」と悩んでいませんか。現代の営業組織、特にSaaSやIT企業では、営業プロセスを分業化し、インサイドセールスとフィールドセールスという異なる役割に分けることが一般的になっています。
インサイドセールスは電話やメール、Web会議などを活用して非対面で営業活動を行う一方、フィールドセールスは顧客先を訪問して対面で商談を進めます。両者は働き方だけでなく、KPI(評価指標)、必要なスキル、年収、キャリアパスまで大きく異なります。
本記事では、インサイドセールスとフィールドセールスの違いを8つの観点から徹底比較し、あなたがどちらのタイプの営業に向いているかを判断できる情報を提供します。営業職への転職を検討している方、自分のキャリアパスを考えている現役営業の方は、ぜひ参考にしてください。
インサイドセールスとフィールドセールスとは【定義と背景】
インサイドセールスとフィールドセールスは、現代の営業組織における2つの主要な役割です。営業効率の最大化と専門性の向上を目的として、多くの企業が導入している分業体制の中核を担っています。まずは両者の基本的な定義と、なぜこのような分業体制が生まれたのかを理解しましょう。
インサイドセールスの定義と役割
インサイドセールスとは、電話、メール、Web会議システムなどのデジタルツールを活用し、非対面で顧客とコミュニケーションを取る営業手法です。「内勤営業」とも呼ばれ、オフィスや自宅から営業活動を行います。
主な役割は、マーケティング部門が獲得したリード(見込み顧客)に対してアプローチし、顧客のニーズをヒアリングして関係を構築することです。そして商談の準備が整ったタイミングで、フィールドセールスにバトンタッチします。具体的には、1日に20〜30件の架電やメール送信を行い、アポイント獲得を目指します。リード育成と案件の創出が、インサイドセールスの最も重要なミッションです。【関連記事】:営業の仕事内容を徹底解説|1日の流れから業務の種類まで未経験者向けガイド
フィールドセールスの定義と役割
フィールドセールスとは、顧客先を直接訪問し、対面で商談や提案を行う営業手法です。「外勤営業」や「訪問営業」とも呼ばれ、従来の営業職のイメージに最も近い役割です。
主な役割は、インサイドセールスが獲得したアポイントをもとに商談を実施し、顧客の課題を深く理解したうえで最適な提案を行い、契約締結まで導くことです。特に高額商材や複雑なソリューションを扱う場合、対面でのプレゼンテーションや信頼関係の構築が不可欠です。フィールドセールスは1日に2〜4件の商談を行い、顧客との長期的な関係を築きながら、成約率を高めることが求められます。受注と売上の最大化が最も重要なミッションです。
営業分業体制が生まれた背景
営業分業体制が広まった背景には、営業効率の最大化と専門性の向上という2つの目的があります。従来の営業では、一人の営業担当者が見込み顧客の発掘から契約締結、アフターフォローまですべてを担当していました。しかしこの方法では、移動時間や事務作業に時間を取られ、本来注力すべき商談に十分な時間を割けないという課題がありました。
そこで、営業プロセスを複数の専門的な役割に分けることで、各担当者がそれぞれの業務に集中できる体制が確立されました。特にSaaSやIT企業では、サブスクリプションモデルの普及により、新規顧客獲得だけでなく既存顧客の継続利用も重要になったため、分業体制が標準となっています。さらに、リモートワークの普及により、非対面でも効果的に営業活動ができるインサイドセールスの価値が高まりました。結果として、インサイドセールスが効率的にリードを育成し、フィールドセールスが確実に成約に導くという役割分担が定着したのです。
インサイドセールスとフィールドセールスの8つの違い【詳細比較】
インサイドセールスとフィールドセールスは、単に働き方が違うだけではありません。役割、評価基準、必要なスキル、年収、メリット・デメリットまで、あらゆる面で異なる特性を持っています。ここでは8つの観点から両者を詳細に比較し、それぞれの特徴を明確にします。
- 1. 働き方の違い(リモート vs 訪問)
- 2. 役割とミッションの違い
- 3. KPI(評価指標)の違い
- 4. 必要スキルの違い
- 5. 年収の違い
- 6. メリットの違い
- 7. デメリットの違い
- 8. 向いている人の特徴
1. 働き方の違い(リモート vs 訪問)
インサイドセールスの働き方は、完全リモートまたはオフィス中心です。顧客先への訪問がないため、通勤さえすれば基本的にデスクから離れることなく業務を遂行できます。1日に20〜30件の電話やメールでコンタクトを取り、効率的に多くの見込み顧客にアプローチします。移動時間がゼロなので、スケジュールが立てやすく、予定通りに業務を進められるのが特徴です。
一方、フィールドセールスの働き方は訪問中心です。1日に2〜4件の商談をこなすため、顧客先への移動時間が業務の大きな部分を占めます。都市部であれば電車移動、地方であれば車移動が一般的で、移動中の時間を資料作成や情報収集に充てることもあります。天候や交通状況にも左右されるため、柔軟な対応力が求められます。リモートワークは基本的に難しく、対面でのコミュニケーションが中心となるため、アクティブに動き回る働き方を好む人に向いています。
2. 役割とミッションの違い
インサイドセールスの役割は、リード育成とアポイント獲得です。マーケティング部門から受け取ったリード(見込み顧客)に対して電話やメールでアプローチし、顧客のニーズや課題を初期ヒアリングします。その情報をもとに商談の見込みがあるかを判断し、有望な案件をフィールドセールスに引き継ぎます。つまり、「商談の入り口を作る」ことがミッションです。
フィールドセールスの役割は、商談の実施と契約締結です。インサイドセールスが設定したアポイントをもとに顧客先を訪問し、課題のヒアリング、ソリューションの提案、プレゼンテーション、見積もり提示、交渉を行います。顧客との信頼関係を構築しながら、最終的に契約を獲得することがミッションです。つまり、「商談を成約まで導く」ことに責任を持ちます。また、契約後も顧客との関係を維持し、追加提案やアップセルの機会を探ることもフィールドセールスの重要な役割です。
3. KPI(評価指標)の違い
インサイドセールスのKPIは、アクティビティ(活動量)と商談創出に焦点が当てられます。具体的には、架電数(1日50〜100件)、コンタクト数(実際に話せた件数20〜30件)、アポイント獲得数(週5〜10件)、SQL数(Sales Qualified Lead:商談化したリード数)などが主な評価指標です。これらの数値目標を達成することで、営業プロセスの入り口を安定的に供給する役割を果たします。
フィールドセールスのKPIは、商談の質と成約に焦点が当てられます。具体的には、商談実施数、提案数、成約率(商談から契約に至る割合、平均20〜30%)、受注額、受注件数などが主な評価指標です。インサイドセールスと比べて活動量よりも成果が重視され、1件あたりの商談の質を高めることが求められます。特に受注額と成約率は、フィールドセールスの実力を示す最も重要な指標となります。
4. 必要スキルの違い
インサイドセールスに必要なスキルは、電話コミュニケーション能力です。顔が見えない状態で短時間に信頼関係を構築し、相手の関心を引き出す力が求められます。また、効率性を重視するため、CRMやSFAなどのツールを使いこなすデジタルスキルも必須です。さらに、架電リストの優先順位付けやアプローチのタイミング分析など、データに基づいた判断力も重要です。断られることが多い業務なので、メンタルの強さと切り替えの早さも必要とされます。
フィールドセールスに必要なスキルは、対面でのプレゼンテーション能力と交渉力です。顧客の課題を深くヒアリングし、最適なソリューションを論理的に提案する力が求められます。また、商談の場では信頼関係の構築が不可欠なので、対人コミュニケーション能力と共感力も重要です。さらに、契約までの長期的なプロセスを管理するプロジェクトマネジメント能力や、価格交渉における粘り強さも求められます。顧客との関係を深めながら、確実に成約に導く総合的な営業力が必要です。【関連記事】:営業に役立つおすすめ資格21選|業界別・全業種共通の資格で差をつける方法
5. 年収の違い
インサイドセールスの年収は、平均で400〜550万円程度です。固定給の割合が高く、インセンティブは全体の10〜20%程度に設定されている企業が多いです。未経験からスタートする場合は350〜400万円程度からのスタートとなりますが、経験を積んでリーダーやマネージャーになれば600万円以上も目指せます。安定した収入が期待できる一方、大きく稼ぐことは難しい傾向にあります。
フィールドセールスの年収は、平均で450〜650万円程度です。インセンティブの割合が高く、成果次第では年収の30〜50%がインセンティブという企業もあります。トップセールスになれば年収1000万円以上も実現可能で、実力主義の報酬体系が特徴です。ただし、成果が出ない時期は収入が安定しないリスクもあります。長期的に見れば、キャリアによる逆転も十分可能で、インサイドセールスからフィールドセールスに転向して年収を大きく上げるケースも珍しくありません。【関連記事】:営業の年収を業界別・職種別に徹底分析|平均460万円から1000万円超えを目指す方法
6. メリットの違い
インサイドセールスのメリットは、働き方の柔軟性とワークライフバランスの良さです。リモートワークが可能な企業が多く、通勤時間を削減できるため、プライベートの時間を確保しやすいです。また、1件あたりの商談時間が短いため、効率的に業務を進められ、残業も比較的少ない傾向にあります。さらに、営業未経験者でも比較的始めやすく、基礎的な営業スキルを身につけるのに適しているです。数値目標が明確なので、自分の成長を実感しやすい点も魅力です。
フィールドセールスのメリットは、高収入の可能性とやりがいの大きさです。成果に応じたインセンティブが手厚いため、実力次第で高収入を実現できます。また、顧客と直接対面してじっくり関係を構築できるため、信頼を得た時の達成感は大きいです。大型契約を獲得した時の喜びや、顧客から感謝される経験は、フィールドセールスならではのやりがいです。さらに、提案力や交渉力といった高度な営業スキルを磨けるため、キャリアの幅が広がります。
7. デメリットの違い
インサイドセールスのデメリットは、業務が単調になりがちな点です。毎日同じような架電やメール送信を繰り返すため、マンネリを感じることがあります。また、断られ続けることが日常的で、精神的なストレスを感じやすい環境です。成約まで携わらないため、自分の仕事が最終的にどう成果につながったのか見えにくく、成長実感を得にくいという声もあります。さらに、リモートワークの場合は孤独感を感じたり、チームとのコミュニケーションが希薄になったりすることもあります。
フィールドセールスのデメリットは、移動時間の長さと顧客都合に左右されやすい点です。1日の多くを移動に費やすため、効率的な時間管理が難しく、疲労も蓄積しやすいです。また、顧客の都合に合わせて早朝や夜間に商談を設定することもあり、プライベートの予定が立てにくい傾向にあります。さらに、成約のプレッシャーが大きく、目標未達が続くと精神的な負担が重くのしかかります。天候や交通状況にも影響を受けるため、予期せぬトラブルへの対応力も求められます。
8. 向いている人の特徴
インサイドセールスに向いている人は、効率性を重視し、データに基づいて行動するタイプです。リモートワークで集中して業務に取り組みたい人、通勤時間を削減してワークライフバランスを重視したい人に最適です。また、コツコツと地道な努力を積み重ねることが苦にならない人、数値目標に向けて計画的に行動できる人にも向いています。さらに、断られることを気にせず切り替えが早い人、デジタルツールを使いこなすことが得意な人も活躍できます。
フィールドセールスに向いている人は、対面でのコミュニケーションが得意で、人との関係構築を楽しめるタイプです。高収入を目指したい人、成果に応じた報酬を求める人に最適です。また、アクティブに外に出て動き回ることが好きな人、顧客とじっくり信頼関係を築きたい人にも向いています。さらに、プレゼンテーションや交渉が得意な人、プレッシャーの中でも実力を発揮できるメンタルの強い人も活躍できます。オフィスに縛られず、自由度の高い働き方を求める人にもおすすめです。【関連記事】:営業に向いている人の特徴7選|適性チェックリストと未経験からの成功法
現代の営業組織における分業体制【全体像】
現代のSaaSやIT企業では、インサイドセールスとフィールドセールスだけでなく、さらに細分化された営業分業体制が確立されています。SDR、BDR、フィールドセールス、カスタマーサクセスという4つの主要な役割が連携し、リードの獲得から顧客の成功支援まで一貫したプロセスを構築しています。ここでは、この分業体制の全体像を理解し、各役割がどのように連携しているかを見ていきましょう。
- SDR(Sales Development Representative)
- BDR(Business Development Representative)
- フィールドセールスとカスタマーサクセスの連携
- 各役割のキャリアパス
SDR(Sales Development Representative)
SDRとは、インバウンドリードへの対応を専門とする役割です。Webサイトからのお問い合わせやホワイトペーパーのダウンロード、セミナー参加など、顧客自ら興味を示したリードに対してアプローチします。
SDRの主な業務は、リードに迅速にコンタクトを取り、初期ヒアリングを行うことです。顧客のニーズや予算、導入時期などを確認し、商談化する価値があるかを判断します。見込みがあると判断したリードは、フィールドセールスにアポイントを設定して引き継ぎます。インバウンドリードは既に自社に興味を持っているため、比較的成約率が高く、SDRは効率的にアポイントを創出できる役割です。特にマーケティング施策の効果を最大化するために、迅速な対応が求められます。
BDR(Business Development Representative)
BDRとは、アウトバウンドでの新規開拓を専門とする役割です。ターゲット企業リストをもとに、まだ自社を認知していない潜在顧客に対して積極的にアプローチします。
BDRの主な業務は、電話やメールで新規リードを開拓し、アポイントを獲得することです。企業のWebサイトやニュース、SNSなどから情報を収集し、ターゲット企業の課題を予測したうえでアプローチします。SDRと比べて難易度が高く、断られることも多いため、高い営業スキルとメンタルの強さが求められます。しかし、新しい市場を開拓し、まだ競合が入り込んでいない優良顧客を獲得できる可能性があるため、企業の成長に直結する重要な役割です。BDRは営業プロセスの最上流を担い、市場拡大の起点となります。
フィールドセールスとカスタマーサクセスの連携
フィールドセールスが契約を獲得した後は、カスタマーサクセスが顧客の継続利用と成功を支援します。カスタマーサクセスは、顧客が製品やサービスを最大限活用できるようオンボーディング支援や活用方法の提案を行い、解約を防ぎながらLTV(顧客生涯価値)を最大化します。
両者の連携が重要な理由は、SaaSビジネスでは新規契約だけでなく、既存顧客の継続利用が収益の柱だからです。フィールドセールスは契約時に顧客の期待値や導入目的を詳細にヒアリングし、その情報をカスタマーサクセスに共有します。カスタマーサクセスは顧客の利用状況を分析し、アップセルやクロスセルの機会を発見した際にはフィールドセールスにフィードバックします。このように、両者が密に連携することで、顧客満足度を高めながら売上を拡大できるのです。【関連記事】:SaaS営業とIT営業の仕事内容を徹底解説|成長市場で働く魅力と必要スキル
各役割のキャリアパス
営業分業体制におけるキャリアパスは、一般的にSDR/BDR→インサイドセールス→フィールドセールス→マネージャーまたはカスタマーサクセスという流れが典型的です。
未経験者はまずSDRやBDRからスタートし、基礎的な営業スキルとコミュニケーション能力を身につけます。その後、実績を積んでインサイドセールスに昇格し、より高度なヒアリングスキルやリード育成のノウハウを習得します。さらに経験を重ねてフィールドセールスに転向すれば、提案力や交渉力を磨き、高収入を目指せます。最終的には、営業マネージャーとしてチームを率いるか、カスタマーサクセスに転向して顧客の成功支援に注力するか、自分の志向性に合わせてキャリアを選択できます。この柔軟なキャリアパスが、営業職の魅力の一つです。
どちらを選ぶべきか【適性診断とキャリア選択】
インサイドセールスとフィールドセールス、どちらを選ぶべきかは、あなたの性格、スキル、ライフスタイル、キャリアビジョンによって異なります。ここでは4つの観点から、自分に合った営業タイプを判断するための基準を提示します。
性格・志向性から選ぶ
あなたが効率性を重視し、データに基づいて計画的に行動するタイプなら、インサイドセールスが向いています。一方、人との深い関係構築を重視し、顧客と長期的な信頼関係を築きたいタイプなら、フィールドセールスが最適です。
また、リモートワークで自宅やカフェから働きたい人、通勤時間を削減してワークライフバランスを重視したい人は、インサイドセールスを選ぶべきです。逆に、オフィスに縛られず外に出てアクティブに動き回りたい人、顧客先を訪問してダイナミックに仕事をしたい人は、フィールドセールスが合っています。さらに、コツコツと地道な努力を積み重ねることが得意な人はインサイドセールス、大きな成果を一気に生み出すことにやりがいを感じる人はフィールドセールスに向いています。自分の性格と志向性を冷静に分析し、長く続けられる働き方を選びましょう。
スキル・経験から選ぶ
営業未経験者は、インサイドセールスから始めるのが一般的です。インサイドセールスは営業の基礎スキルを学びやすく、電話対応やヒアリング、データ管理など、汎用性の高いスキルを身につけられます。また、先輩のトークスクリプトを参考にできたり、オフィスで上司にすぐ相談できたりする環境が整っているため、未経験者でも安心してスタートできます。【関連記事】:営業職の種類を完全網羅|16種類の営業タイプから自分に合った営業を見つける方法
一方、営業経験者や他業界で顧客折衝の経験がある人は、フィールドセールスへの直接挑戦も可能です。特に対面でのプレゼンテーション経験や交渉経験がある人は、その強みを活かしてすぐに成果を出せる可能性があります。また、インサイドセールスで1〜2年の実績を積んだ後、フィールドセールスに転向するキャリアパスも一般的です。自分の現在のスキルレベルと、習得したいスキルを考慮して選択しましょう。
ライフスタイルから選ぶ
ワークライフバランスを重視し、定時で帰宅して家族との時間を大切にしたい人は、インサイドセールスが適しています。リモートワークが可能な企業も多く、残業も比較的少ない傾向にあります。
逆に、高収入を目指して仕事に全力投球したい人、成果に応じた報酬を求める人は、フィールドセールスを選ぶべきです。移動時間や顧客都合での調整が必要になる分、プライベートの時間は制限されますが、成果次第で大きく稼げる可能性があります。また、子育て中や介護中など、時間の制約がある人はインサイドセールスの方が柔軟に働けます。
キャリアビジョンから選ぶ
長期的なキャリアビジョンも重要な判断基準です。将来的に営業マネージャーを目指すなら、インサイドセールスとフィールドセールスの両方を経験しておくことで、営業プロセス全体を理解できます。
スペシャリスト志向で特定の領域を極めたいなら、どちらか一方に専念するのも良い選択です。インサイドセールスのスペシャリストとして、リード育成やデータ分析の専門家になる道もあれば、フィールドセールスのエースとして大型案件を次々と獲得する道もあります。また、将来的にカスタマーサクセスやマーケティングにキャリアチェンジしたい場合、インサイドセールスの経験が活きることが多いです。自分がどんなキャリアを歩みたいかを明確にし、そこから逆算して今選ぶべき道を決めましょう。
よくある質問(FAQ)
インサイドセールスとフィールドセールスに関して、よく寄せられる質問に回答します。
インサイドセールスからフィールドセールスへの転向は可能ですか?
可能です。むしろ推奨されるキャリアパスの一つです。インサイドセールスで1〜2年の実績を積み、営業の基礎スキルを習得した後、フィールドセールスに転向する人は多くいます。インサイドセールスで培った顧客ヒアリング力やデータ分析力は、フィールドセールスでも活かせます。
どちらが年収が高いですか?
一般的にはフィールドセールスの方が年収が高い傾向にあります。平均でインサイドセールスが400〜550万円、フィールドセールスが450〜650万円です。ただし、インサイドセールスでもマネージャーになれば600万円以上を目指せますし、フィールドセールスでも成果が出なければ年収は上がりません。最終的には個人の実力次第です。
未経験者はどちらから始めるべきですか?
未経験者はインサイドセールスから始めることを強くおすすめします。基礎的な営業スキルを体系的に学べる環境が整っており、トークスクリプトやマニュアルも充実しています。また、先輩や上司のサポートを受けやすく、失敗してもすぐにフィードバックをもらえます。インサイドセールスで実績を積んでから、フィールドセールスに挑戦するのが王道のキャリアパスです。
リモートワークはどちらが可能ですか?
インサイドセールスはリモートワークが可能な企業が多いです。業務の性質上、パソコンと電話があれば場所を選ばず仕事ができます。一方、フィールドセールスは顧客先への訪問が必須なため、基本的にリモートワークは難しいです。ただし、Web会議ツールの普及により、一部の商談はオンラインで実施できるケースも増えています。
どちらがきついですか?
それぞれ異なるきつさがあります。インサイドセールスは、断られ続ける精神的なストレスと業務の単調さがきつい点です。フィールドセールスは、移動時間の長さ、顧客都合での時間調整、成約のプレッシャーがきつい点です。どちらがきついと感じるかは、個人の性格や価値観によって異なります。自分にとって何がストレスかを理解し、選択することが大切です。
まとめ: 自分に合った営業タイプを選択しよう
本記事では、インサイドセールスとフィールドセールスの違いを8つの観点から徹底比較してきました。インサイドセールスは非対面で効率的にリード育成を行い、リモートワークやワークライフバランスを重視する人に最適です。一方、フィールドセールスは対面で顧客と深い関係を構築し、高収入とやりがいを求める人に向いています。
どちらを選ぶべきかは、あなたの性格、スキル、ライフスタイル、キャリアビジョン次第です。効率性とデータ分析が得意でリモートワークを希望するならインサイドセールス、対面コミュニケーションが得意で高収入を目指すならフィールドセールスを選びましょう。また、両方を経験することで営業プロセス全体を理解し、キャリアの幅を広げることも可能です。
現代の営業組織では、SDR、BDR、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスという分業体制が標準化されています。自分がどの役割から始め、どんなキャリアパスを歩みたいかを明確にし、最初の一歩を踏み出しましょう。営業職はスキル次第でキャリアアップと年収アップが実現できる、やりがいのある仕事です。あなたに合った営業タイプを選択し、充実したキャリアを築いてください。
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