事務職の種類を徹底比較｜8つの職種を完全解説

公開日: 2025年11月25日更新日: 2025年11月30日

著者: MeTimeキャリア編集部

事務職への転職を検討中ですか。事務職にはいくつもの種類があり、一般事務から法務事務まで仕事内容や年収が大きく異なります。この記事では8つの主要な事務職を比較し、それぞれの仕事内容、年収、必要なスキルを解説。自分に合った事務職を見つけるための情報をお届けします。

事務職の8つの主要な種類

事務職には様々な種類があり、求められるスキルや年収が大きく異なります。大きく分けると、基礎的な事務職、専門知識が必要な事務職、組織運営を支える事務職の3カテゴリーに分類できます。

基礎的な事務職の一般事務と営業事務は、未経験から始めやすい職種です。一般事務は書類作成やデータ入力を、営業事務は営業部門のサポートを担当します。

専門知識が必要な事務職には経理事務、法務事務、貿易事務があります。会計知識や法律知識、語学力など、特定分野の専門性が求められるため、年収も高い傾向にあります。

組織運営を支える事務職の総務事務と人事事務、医療事務は、幅広い業務内容や医療機関特有の知識が必要です。

一般事務｜基礎的な事務スキルで始められる

一般事務は事務職の中で最も基本的な職種です。未経験者でも始めやすく、多くの企業で求人があるため、事務職のキャリアをスタートする最初のステップとして選ばれることが多い職種です。

一般事務の仕事内容
一般事務の年収と必要スキル

一般事務の仕事内容

書類作成、データ入力、ファイリング、電話・来客対応などの基本的な事務作業が主な業務です。ExcelやWordを使った資料作成、郵便物の仕分け、会議室の予約管理、備品の発注など、他の社員がスムーズに業務を進められるようにサポートします。ルーティンワークが中心となるため、正確性と効率性が求められます。一般事務の仕事内容をより詳しく知りたい方は、「【関連記事】：一般事務の仕事内容を徹底解説｜未経験でも分かる業務ガイド」をご覧ください。

一般事務の年収と必要スキル

平均年収は300万円〜350万円程度。正社員の初任給は月給18万円〜22万円、派遣社員は時給1,200円〜1,500円が相場です。

必要なスキルは基本的なPCスキル(Word、Excel、PowerPoint)、ビジネスマナー、コミュニケーション能力です。特別な資格は必須ではありませんが、日商簿記3級やMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)があると採用時に有利です。

営業事務｜営業サポートのスペシャリスト

営業事務は営業部門を専門的にサポートする事務職です。営業担当者が外回りや商談に集中できるよう、受発注処理や見積書作成などの事務作業をバックアップします。一般事務よりも営業活動に直結した業務が多く、より専門性の高い職種です。

営業事務の仕事内容
営業事務の年収と必要スキル

営業事務の仕事内容

受発注処理、見積書・請求書の作成、顧客データ管理、営業資料の作成などを担当します。顧客からの注文をシステムに入力し、納期調整や在庫確認を行い、営業担当者のプレゼン資料を作成します。営業担当者と密にコミュニケーションを取りながら業務を進めるため、社内調整能力や優先順位をつけて効率的に作業を進める能力が必要です。営業事務と一般事務の違いについては、「【関連記事】：営業事務と一般事務の違い｜仕事内容・年収・適性を比較」で詳しく解説しています。

営業事務の年収と必要スキル

平均年収は320万円〜380万円程度。経験を積むことで400万円以上も可能で、成果に応じてインセンティブが支給される企業もあります。

必要なスキルはコミュニケーション能力と臨機応変な対応力です。顧客や営業担当者との調整が多いため、ビジネスマナーと電話応対スキルが特に重要。受発注システムや顧客管理システム(CRM)の操作経験があると有利です。営業事務の詳細については、「【関連記事】：営業事務の仕事内容を徹底解説｜一般事務との違いと必要スキル」をご参照ください。

経理事務｜数字に強い人向けの専門職

経理事務は企業のお金の流れを管理する専門職です。会計や簿記の知識が必要で、数字を扱う正確性が求められます。細かい作業が得意な方や論理的思考が得意な方に向いており、専門性が高い分、キャリアアップの機会も多い職種です。

経理事務の仕事内容
経理事務の年収と必要資格

経理事務の仕事内容

入出金管理、仕訳入力、請求書・領収書の処理、月次・年次決算のサポートなどが主な業務です。取引先からの入金確認、経費精算の処理、会計ソフトへのデータ入力、売掛金・買掛金の管理を行います。月末・月初や決算期には業務が集中し、正確かつ迅速な処理が求められます。より詳しい経理事務の業務内容については、「【関連記事】：経理事務の仕事内容を徹底解説｜年収と簿記資格の必要性」をご参照ください。

経理事務の年収と必要資格

平均年収は350万円〜450万円程度。専門性の高さから他の事務職よりも高水準で、簿記資格や経験年数によっては500万円以上も可能です。

必要な資格は日商簿記2級以上が実務レベルとして求められることが多く、3級でも応募可能です。給与計算実務能力検定やファイナンシャル・プランナー(FP)なども評価されます。会計ソフト(弥生会計、freee、マネーフォワード)の操作スキルやExcelの関数知識も重要です。

総務事務｜会社運営を支える重要な役割

総務事務は企業全体の運営をサポートする職種です。オフィス管理から社内イベントの企画まで幅広い業務を担当し、調整力と柔軟な対応力が求められます。会社のインフラを支える重要な役割を果たします。

総務事務の仕事内容
総務事務の年収と求められる能力

総務事務の仕事内容

オフィス管理、備品管理、社内イベントの企画・運営、株主総会のサポート、社内規定の管理などが主な業務です。オフィスの賃貸契約や設備管理、社内備品の発注、社員証の発行、来客対応、入社式や忘年会などの企画・運営を担当します。防災対策や安全衛生管理、社内文書の管理なども総務の仕事で、様々な部署と調整しながら業務を進めます。総務事務の仕事内容について詳しく知りたい場合は、「【関連記事】：総務事務の仕事内容を徹底解説｜会社を支える幅広い業務の実態」をご覧ください。

総務事務の年収と求められる能力

平均年収は330万円〜400万円程度。企業規模によって幅があり、大企業では450万円以上、管理職になれば500万円以上も可能です。

求められる能力は幅広い業務に対応できる柔軟性とマルチタスク能力です。コミュニケーション能力と調整力、法律や社内規定の知識が特に重要。衛生管理者やビジネス実務法務検定などの資格があると業務の幅が広がります。

人事事務｜採用と社員管理の専門家

人事事務は企業の人材管理を担当する専門職です。採用活動のサポートから給与計算、労務管理まで幅広い業務を扱い、人と接することが好きな方や社員の成長をサポートしたい方に向いています。

人事事務の仕事内容
人事事務の年収と必要スキル

人事事務の仕事内容

採用活動のサポート、給与計算、社会保険手続き、勤怠管理、研修の企画・運営などが主な業務です。求人票の作成、応募者の管理、面接日程の調整、入退社手続き、給与明細の作成、年末調整、勤怠データの集計を担当します。社員の評価制度の運用サポート、福利厚生の管理、労働時間の管理も重要な業務で、社員からの問い合わせ対応も多くあります。人事事務の業務内容についてさらに詳しく知りたい方は、「【関連記事】：人事事務の仕事内容を徹底解説｜採用・労務管理のスペシャリスト」をご参照ください。

人事事務の年収と必要スキル

平均年収は340万円〜420万円程度。経験を積むことで450万円以上、大企業や外資系企業では500万円を超える年収も期待できます。

必要なスキルはコミュニケーション能力と対人スキルが最も重要です。社員や応募者と接する機会が多いため、丁寧な対応が求められます。労働基準法や社会保険制度の知識、給与計算ソフトの操作スキル、Excelでのデータ集計能力も必要。社会保険労務士やキャリアコンサルタントなどの資格があると専門性が高まります。

法務事務｜法律知識を活かせる専門職

法務事務は企業の法律関連業務を担当する高度に専門的な職種です。契約書の管理やコンプライアンス対応など、企業のリスク管理を支える重要な役割を果たします。法律知識を活かして働きたい方や論理的思考が得意な方に適しています。

法務事務の仕事内容
法務事務の年収と必要な知識

法務事務の仕事内容

契約書の作成・審査、法的文書の管理、コンプライアンス対応、訴訟関連の事務手続きなどが主な業務です。契約書のドラフト作成、リーガルチェック、社内規定の整備、知的財産権の管理、株主総会関連書類の作成を担当します。法改正の情報収集と社内への周知、トラブル発生時の弁護士との連絡調整、訴訟資料の準備も重要な業務で、M&Aやコーポレートガバナンスなどのハイレベルな業務に関わることもあります。

法務事務の年収と必要な知識

平均年収は400万円〜550万円程度で、事務職の中では最も高い水準です。経験を積み専門性を高めることで600万円以上も可能です。

必要な知識は民法、会社法、労働法などの法律知識が中心。法学部出身者や行政書士、ビジネス実務法務検定などの資格保持者が優遇されます。契約書の読解力と文書作成能力、英文契約書を扱う場合は英語力も求められます。

貿易事務｜グローバルビジネスの架け橋

貿易事務は国際取引に関わる専門的な事務職で、輸出入業務をサポートする重要な役割を担います。グローバルなビジネス環境で働きたい方や語学力を活かしたい方に最適です。

貿易事務の仕事内容
貿易事務の年収と語学力

貿易事務の仕事内容

輸出入書類の作成、通関手続きのサポート、海外取引先との連絡調整、船積み手配などが主な業務です。インボイスやパッキングリストの作成、L/C(信用状)の確認、通関業者や船会社との調整、関税計算を担当します。海外取引先との英文メール対応、価格交渉のサポート、納期管理、貿易条件(インコタームズ)の確認も重要で、時差のある海外とのやり取りに柔軟な対応が求められます。

貿易事務の年収と語学力

平均年収は350万円〜450万円程度。語学力や専門性によっては500万円以上も可能で、商社や大手メーカーでは高い年収が期待できます。

ビジネスレベルの英語力(TOEIC700点以上)が求められることが多く、英文メールの読み書きや電話対応ができるレベルが必要です。中国語などの第二外国語ができるとさらに有利。貿易実務検定や通関士などの資格があると専門性が認められます。

医療事務｜医療機関を支える専門事務

医療事務は病院やクリニックなどの医療機関で働く専門的な事務職です。患者対応と医療費の計算を主に担当し、医療業界特有の知識が求められます。安定した需要があり、ライフスタイルに合わせた働き方がしやすい点が特徴です。

医療事務の仕事内容
医療事務の年収と必要資格

医療事務の仕事内容

受付・会計業務、診療報酬請求(レセプト作成)、患者対応、予約管理などが主な業務です。来院患者の受付と保険証の確認、診察後の会計処理、カルテの管理、レセプト(診療報酬明細書)の作成と点検、保険者への請求業務を担当します。電話対応、診察予約の管理、検査予約の調整も重要な業務で、患者と直接関わる機会が多いため、丁寧な対応が求められます。

医療事務の年収と必要資格

平均年収は280万円〜350万円程度。病院の規模や勤務形態によって差があり、大学病院や総合病院では350万円以上も可能です。パートや派遣での求人も多く、ライフスタイルに合わせた働き方を選べます。

必要な資格は必須ではありませんが、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)や診療報酬請求事務能力認定試験があると就職に有利です。医療事務専門学校や通信講座でレセプト業務や医療保険制度の知識を習得できます。PCスキル、接遇マナー、正確な事務処理能力も重要です。

まとめ: あなたに最適な事務職の種類を見つけよう

8つの事務職にはそれぞれ異なる特徴と魅力があります。自分に最適な事務職を選ぶには、スキル、興味、キャリアプランを考慮することが重要です。

未経験から始めたい方：一般事務や医療事務。特別な資格がなくても応募でき、基礎的なスキルから身につけられます。
コミュニケーション能力を活かしたい方：営業事務や人事事務。人と関わりながら仕事を進めることにやりがいを感じられます。
専門性を高めたい方：経理事務、法務事務、貿易事務。資格取得や専門知識の習得により、高い年収とキャリアアップが期待できます。
幅広い業務に携わりたい方：総務事務。会社全体を見渡せる視点が身につきます。

事務職選びで迷ったら、自分の強みと興味を整理し、求人情報で実際の仕事内容を確認しましょう。必要に応じて資格取得から始めることで、希望する事務職への転職がスムーズになります。事務職の適性について詳しく知りたい場合は、「【関連記事】：事務職の適性診断｜向いている人のセルフチェックリスト」をご参照ください。