ITエンジニア完全ガイド|仕事内容・年収・キャリアパス・未経験転職のすべて

「ITエンジニアに転職したいけど、具体的にどんな仕事をするの?」「未経験からでも本当になれるの?」そんな疑問を抱くあなたへ向けて、この記事ではエンジニアという職業の全体像を徹底解説していきます。
システム開発、ネットワーク構築、AI開発など—IT技術で社会を支える専門職であるエンジニア。経済産業省の調査では、2030年に約79万人のIT人材不足が予測されており、今後ますます需要が高まる職業です。
本記事では、仕事内容から平均年収462万円の詳細、未経験からの具体的な転職方法、資格とスキル、キャリアパス選択肢、そして「やめとけ」という声の真実まで、エンジニアになるために知るべき情報をすべて網羅しています。この記事を読み終わる頃には、自分がエンジニアとして活躍できるのか、どのキャリアを選ぶべきか、が見えてくるはずです。
ITエンジニアとは?仕事内容と職種の全体像
エンジニアの世界は多様です。開発系・インフラ系・マネジメント系という3つの領域に分かれ、その中には19以上の専門職種が存在します。
ITエンジニアの定義と役割
スマートフォンアプリ、企業の業務システム、ECサイト、銀行のオンラインバンキング—私たちが日常で触れるデジタルサービスの裏側には、エンジニアの技術と努力があります。
エンジニアとは、コンピューターやネットワークなどのIT技術を駆使して、システム開発、インフラ構築、セキュリティ対策などを行う技術職の総称です。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によれば、2030年には約79万人のIT人材が不足すると予測されています。この予測背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、AI技術の発展、IoTの普及など、テクノロジーの急速な進化があります。結果として、エンジニアの需要は年々高まり続けています。
エンジニアは専門性の高い職業だからこそ、スキルを身につけると市場価値が高く、転職やキャリアアップの選択肢が広がります。さらに、リモートワークやフレックスタイム制度を導入する企業も増えており、働き方の自由度も魅力的です。
開発系・インフラ系・マネジメント系の分類
大きく分けると、開発系・インフラ系・マネジメント系の3つの領域があります。それぞれ役割や求められるスキルが異なるため、自分の適性や興味に合わせて選ぶ必要があります。
開発系はソフトウェアやアプリケーションを「作る」領域です。プログラミング言語でコードを書き、ユーザーが直接触れるシステムやサービスを開発します。
インフラ系はシステムが動作する「基盤」を構築・運用する領域です。サーバー、ネットワーク、データベースなど目に見えない部分を支えることで、システムの安定稼働を実現します。
マネジメント系はプロジェクト全体を「管理」する領域です。チームをまとめ、スケジュール・予算・品質を管理しながら目標達成に導きます。
ただ、実際のキャリアはそこまで厳密に分かれていません。複数の領域を経験したり、開発とインフラ両方のスキルを持つフルスタックエンジニアとして活躍する人も多くいます。
開発系エンジニア(システム開発・Webアプリ制作)
システムエンジニア(SE)、プログラマー、Webエンジニア、フロントエンド/バックエンドエンジニア、スマホアプリエンジニア、ゲームエンジニア—こうした職種がここに含まれます。
Java、Python、Ruby、JavaScript、PHPなどの言語を使い、要件定義から設計、実装、テストまでの開発工程全体に携わります。未経験者がエンジニアを目指す場合、最も多くの人が選ぶ分野でもあります。
インフラ系エンジニア(システム基盤の構築・運用)
システムが安定的に動作するための基盤を構築・管理するのがこの領域です。ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、クラウドエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティエンジニアなどが含まれます。
AWS、Azure、GCPなどのクラウド環境、Cisco機器を使ったネットワーク構築、LinuxやWindowsサーバーの運用管理が主な業務です。開発系と比べてプログラミングの比重は低めですが、論理的思考力とトラブルシューティング能力が欠かせません。
マネジメント系エンジニア(プロジェクト管理)
技術知識を活かしてプロジェクト全体を統括する職種です。プロジェクトマネージャー(PM)、プロジェクトリーダー(PL)、ITコンサルタント、プロダクトマネージャーなどが該当します。
予算管理、スケジュール調整、チームマネジメント、顧客との交渉が主な業務で、技術力だけでなく、強いコミュニケーション能力とビジネススキルが求められます。
主要な19職種の概要と仕事内容
エンジニアの職種は、専門性や役割に応じて多様に分かれています。代表的な職種を紹介しましょう。
開発系の職種
システムエンジニア(SE)は要件定義から設計、テストまでシステム開発の上流工程を中心に担当。プログラマーは設計書に基づいてコーディングを行う実装がメイン。Webエンジニアはウェブサイトやウェブアプリケーションを開発し、フロントエンドエンジニアはUI・ユーザー画面、バックエンドエンジニアはサーバー側の処理を専門とします。
インフラ系の職種
ネットワークエンジニアはLAN・WANなどのネットワーク設計・構築・運用を担当。サーバーエンジニアはWebサーバー、メールサーバーなどの構築・管理。クラウドエンジニアはAWS、Azureなどクラウド環境の設計・構築を専門。セキュリティエンジニアはサイバー攻撃から企業を守る対策を実施し、データベースエンジニアはデータ管理システムの設計・運用に携わります。
その他の専門職種
AIエンジニア(機械学習モデルの開発)、データサイエンティスト(データ分析)、DevOpsエンジニア(開発と運用の統合)、品質管理(QA)エンジニア(テスト・品質保証)、組み込みエンジニア(家電・自動車などのハードウェア制御)、テクニカルサポートエンジニア(技術的な顧客対応)なども重要な職種です。
実際には、プログラマー→SE→PMというように、キャリアの中で複数の職種を経験することが一般的です。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアの職種19選|仕事内容と役割を徹底比較」を参照してください。
ITエンジニアの年収と待遇|平均462万円の内訳を解説
エンジニアは、全職種の平均と比較しても高い年収水準にあります。
ITエンジニアの平均年収は462万円
dodaの「平均年収ランキング」によると、エンジニアの平均年収は462万円。全職種の平均426万円と比べて36万円高いことが、この職業の市場価値の高さを物語っています。
この年収水準は、エンジニアの専門性だけでなく、深刻なIT人材不足が背景にあります。企業側も、スキルを持つエンジニアに対して高い待遇を用意して確保したいという状況が続いています。さらに、技術が日々進化するIT業界では、常に新しい知識を学び続ける必要があり、その努力に対する対価として年収が設定されている側面もあります。
とはいえ、この平均年収は全体の数値です。実際には年代、職種、業種、企業規模、スキルレベルで大きく変動します。未経験から転職した初年度は300万円台になることも珍しくありませんが、経験を積みスキルアップすれば着実に年収は上がっていきます。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアの年収|年代・職種・業種別の給与実態を徹底解説」を参照してください。
年代別の年収推移
dodaのデータから見ると、エンジニアの年収は経験年数と年齢で大きく上昇します。20代は約360万円、30代で501万円、40代で649万円、50代では909万円。明らかに右肩上がりです。
20代(約360万円) 未経験者や実務経験が浅い層が多いため年収は低めですが、この時期にプログラミングスキルやプロジェクト経験を積むことが、その後のキャリアアップの基盤になります。
30代(約501万円) 開発リーダーやプロジェクトリーダーとしてチームをまとめる役割を担うようになり、年収も500万円を超えます。20代との差は実務経験の蓄積が大きく影響しています。
40代(約649万円) プロジェクトマネージャーやITコンサルタント、技術顧問など、より高度な役割を担うことが多くなり、年収も600万円を超えます。
50代(約909万円) 経営層に近いポジションやCTO(最高技術責任者)などの役職に就く人も出てきます。年収900万円以上の実現も十分可能です。
長期的なキャリアを通じて、エンジニアは着実に年収を伸ばしていける職業です。
職種別・業種別の年収差
エンジニアの中でも、職種や業種で年収に大きな差があります。
高年収の職種は、プロジェクトマネージャー(PM)の664万円、セキュリティエンジニアの約600万円、ITコンサルタントの494万円。これらは経営や顧客対応に近い職種です。
比較的低めの職種は、プログラマー、テスター、ヘルプデスク。300〜400万円台が中心ですが、経験を積んでSEやリードエンジニアにステップアップすれば、年収は大きく伸びます。
業種別では、金融業界、コンサルティングファーム、外資系IT企業が高年収傾向。一方でSIer(システムインテグレーター)や中小企業のIT部門では平均より低めになることがあります。興味深いことに、自社開発企業とSES企業でも年収に差があり、自社開発の方が高い傾向です。
年収を上げる方法
年収アップには、いくつかの効果的な方法があります。
スキルアップ:新しいプログラミング言語やフレームワークを習得したり、AWS認定資格などの専門資格を取得することで、市場価値が高まります。
転職:IT業界では、同じ会社に長くいるよりも、2〜3年ごとに転職を繰り返す方が年収が上がりやすい傾向があります。特にSES企業から自社開発企業への転職、中小から大手・外資系への転職は大幅な年収アップが期待できます。
フリーランスへの転身:実務経験3年以上なら、月単価60〜100万円の案件を受注でき、年収1000万円以上も目指せます。
未経験からITエンジニアになるには?3つのルートと学習方法
未経験からエンジニアに転職するには、大きく3つのルートがあります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、自分の状況に合わせて選ぶことが重要です。
転職ルート①:プログラミングスクール
最も効率的なルートがプログラミングスクールです。体系的なカリキュラム、現役エンジニアによるメンタリング、ポートフォリオ制作サポート、就職・転職支援まで、すべてが用意されています。
TECH CAMP、DMM WEBCAMP、テックアカデミー、侍エンジニアなどのスクールが代表的。料金は3〜6ヶ月コースで20万〜80万円程度。転職保証付きのコースなら、転職できなかった場合に受講料が全額返金される制度もあります。フルタイム学習なら3ヶ月、働きながらなら6ヶ月程度が学習期間の目安です。
メリットは、挫折しにくい環境、質問し放題のサポート、実務に近いポートフォリオ制作、提携企業への紹介。
デメリットは、費用が高額(20〜80万円)、スクールによって質にばらつきがあること。スクール選びの際は、カリキュラム内容、講師の質、転職実績、卒業生の口コミを必ず確認しましょう。
転職ルート②:転職エージェント活用
未経験向けの求人を紹介してもらいながら、実務経験を積んでいくルートです。ワークポート、GEEK JOB、プログラマカレッジなどは、無料のプログラミング研修を提供しています。
メリットは、完全無料で利用できること、企業の内部情報を教えてもらえること、書類添削や面接対策のサポートを受けられること。あなたのスキルレベルに合った求人を提案してくれるため、一人で進めるより効率的です。
デメリットは、未経験向けの求人がSES企業や受託開発企業中心になること、エージェント経由だと選考ハードルが高くなる場合があること。複数のエージェントに登録して、選択肢を広げることが成功のコツです。「【関連記事】:ITエンジニア転職エージェント13選|未経験者向け活用法」で詳細な選び方をまとめています。
転職ルート③:完全独学
プログラミング学習サイトや書籍で自力で学習し、ポートフォリオを作成して応募するルートです。Progate、ドットインストール、Udemy、Paizaなどを活用すれば、月額1,000〜数千円で学習できます。
メリットは、費用を最小限に抑えられること、自分のペースで学習できること、自走力が身につくこと。独学で学習を継続できる能力は、IT業界で求められる「自己学習力」の証明にもなります。入社後も新しい技術を吸収しやすい傾向があります。
デメリットは、挫折率が約90%と高いこと、質問できる相手がいないこと、学習方向性を誤る可能性があること。成功するには、明確な学習ロードマップを立てて毎日継続し、実際にサービスを作ってポートフォリオにすることが重要です。GitHubでコードを公開したり、Qiitaで学習記録を発信することも、転職活動でのアピールになります。詳細については、「【関連記事】:プログラミング初心者ガイド|3ヶ月で基礎を身につける学習法」を参照してください。
学習期間の目安は3〜17ヶ月(1000時間)
未経験からエンジニアになるための学習時間は、一般的に1000時間が目安です。これをどのように配分するかで、学習期間は大きく変わります。
3ヶ月集中プラン(仕事を辞めてフルタイム学習) 1日10〜12時間学習すれば、3ヶ月で1000時間に到達します。プログラミングスクールの短期集中コースがこのモデルです。
6ヶ月標準プラン(働きながら学習) 平日2時間・休日8時間の学習で、半年で約1000時間を確保できます。仕事を続けたい人向けです。
17ヶ月ゆっくりプラン 平日1時間・休日4時間の学習で、じっくり進めるルート。生活への負担が最小限です。
どのプランを選ぶかは、生活状況、経済状況、年齢次第です。20代で貯金がある場合は短期集中、30代で家族がいる場合は働きながら学習といった選択が現実的。重要なのは、自分に合ったペースを設定して継続することです。
年代別の転職戦略
エンジニアへの転職可能性は、年齢で大きく異なります。
20代(最も転職しやすい) 未経験でもポテンシャル採用の可能性が高いです。特に20代前半なら第二新卒枠での採用も期待でき、SIerやWeb系自社開発企業への転職も十分可能。学習意欲とポートフォリオを準備すれば、内定獲得の確率はぐっと上がります。
30代前半(30〜34歳)(最後のチャンス) 未経験転職の最後のチャンスと言われます。プログラミングスキルに加えて、前職での業務知識やマネジメント経験が評価されます。営業経験者ならセールスエンジニア、経理経験者なら会計システム開発など、前職を活かせる職種を狙うことで、成功率が高まります。「【関連記事】:30代未経験でITエンジニアに転職|成功のポイントと現実」で詳細なアドバイスをまとめています。
30代後半〜40代(難易度高い) 35〜39歳以降の未経験転職は、かなり難易度が高まります。フリーランスとして小規模案件から始める、業務委託で実績を積んでから正社員を目指す、といった段階的なアプローチが現実的。40代以上の完全未経験転職はほぼ不可能なため、IT業務に近い社内SEや、マネジメント寄りのポジション狙いが必要です。
ITエンジニアに必要な資格とスキル|初心者向けロードマップ
エンジニアには、国家資格、ベンダー資格、技術スキル、ヒューマンスキルの4つが求められます。
- 国家資格(ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者)
- ベンダー資格(AWS、Azure、CCNA、LPIC)
- 技術スキル(プログラミング言語、フレームワーク)
- ヒューマンスキル(論理的思考、コミュニケーション)
国家資格(ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者)
国家資格は、IT業界で働く基礎知識を証明します。
ITパスポート:IT基礎知識、経営戦略、プロジェクトマネジメントを幅広く学べます。合格率約50%、2〜3ヶ月で合格可能。業界入門時に取得するとアピールになります。
基本情報技術者試験:エンジニアの登竜門です。アルゴリズム、プログラミング、データベース、ネットワークなど実務に直結する知識が問われます。合格率約25%、学習時間200時間程度。多くの企業が新人エンジニアに推奨しており、取得で給与アップの可能性もあります。
応用情報技術者試験:さらに高度な技術知識とシステム設計能力が問われます。合格率約20%、実務経験を積んでから挑戦するのが一般的。この資格があると、エンジニアとしての専門性が証明され、転職市場での評価が高まります。
資格取得は必須ではありませんが、未経験者にとって学習意欲と基礎知識の証明として非常に有効です。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアの資格17選|国家資格からベンダー資格まで」を参照してください。
ベンダー資格(AWS、Azure、CCNA、LPIC)
特定企業の製品やサービスに関する専門知識を証明する資格です。
AWS認定資格:クラウドエンジニア志望者にとって必須。AWS Certified Solutions Architect – Associateはクラウドインフラ設計の基礎を学べ、インフラエンジニア志望者に人気。学習時間100〜200時間で、AWSの無料枠を使いながら学習すれば実務に近いスキルが身につきます。
CCNA(Cisco Certified Network Associate):ネットワークエンジニアを目指すなら業界標準の強力な武器。
LPIC・LinuC:サーバーエンジニアに必要なLinux操作スキルを証明。これらのベンダー資格は実務で使う技術に直結するため、取得することで即戦力としての評価が高まります。
技術スキル(プログラミング言語、フレームワーク)
最も重要なのがプログラミング言語スキルです。初心者におすすめの言語は4つ。
Ruby:日本発の言語で、Ruby on Railsフレームワークを使えば効率的にWebアプリケーションを開発。スタートアップやWeb系企業で人気が高く、学習リソースも豊富です。
Python:AI・機械学習、データ分析、自動化スクリプトなど用途が広い汎用言語。文法がシンプルで初心者向き。
JavaScript:Webサイトの動的な動きを実装するフロントエンド言語。Node.jsを使えばバックエンド開発も可能。React、Vue.js、Angularなどのフレームワークと組み合わせてモダンなWebアプリケーションを構築できます。
Java:大規模システム開発で広く使われており、SIerや金融業界での需要が高い。
どの言語を選ぶかは、目指す職種や業界次第ですが、まずは1つの言語を深く学び、基礎的なプログラミング思考を身につけることが重要です。
ヒューマンスキル(論理的思考、コミュニケーション)
技術スキルと同じくらい重要なのがヒューマンスキルです。
論理的思考力:プログラミングは問題を分解し、順序立てて解決策を考えるプロセス。バグの原因特定やアルゴリズム設計で必要です。
コミュニケーション能力:エンジニアは一人で仕事するイメージですが、実際はチーム開発が基本。設計レビュー、コードレビュー、顧客ヒアリング、進捗報告など日々発生します。技術的でない相手にわかりやすく説明する能力が高く評価されます。
継続学習力:IT技術は常に進化しており、新しい言語、フレームワーク、ツールが次々登場します。この変化に対応し続けるには、自ら学び続ける姿勢が欠かせません。
ITエンジニアのキャリアパス|3つの方向性と10年後の姿
エンジニアのキャリアは3つの方向性があります。
スペシャリスト型(技術特化)
特定の技術分野を極める道です。例えば、AWSのスペシャリスト、セキュリティエンジニア、機械学習エンジニア、といったキャリアが該当します。
メリットは市場価値が非常に高く、高年収を実現しやすいこと、専門性を活かしてフリーランスとして活躍しやすいこと、最先端技術に触れ続けられることです。大手企業やコンサルティングファームでは、スペシャリストに年収1000万円以上のオファーをすることも珍しくありません。
デメリットは、その技術が廃れると市場価値が下がるリスク、技術以外のビジネススキルが身につきにくいことです。成功するには、最新技術をキャッチアップし、技術ブログや登壇活動で専門性を発信し続ける必要があります。10年後には、技術顧問、シニアエンジニア、アーキテクトとして、組織の技術的方向性を決める立場になることが期待できます。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアのキャリアパス|3つの方向性と10年後の姿」を参照してください。
ゼネラリスト型(幅広い対応)
フロントエンドからバックエンド、インフラまで、幅広い技術領域をカバーする「フルスタックエンジニア」型です。
メリットは、さまざまなプロジェクトに対応できる柔軟性、システム全体を設計できる視点、小規模企業やスタートアップでの重宝度。スタートアップの初期メンバーや少数精鋭チームでは、非常に重要な役割を果たします。
デメリットは、どの領域も中途半端になりがちなこと、スペシャリストより市場価値が低い場合があることです。成功するには「T字型スキル」—1つの深い専門性を持ちながら、他の領域も実務レベルで対応—を目指すことが重要。10年後には、技術リードやCTOとして組織全体の技術戦略を担う立場になる道があります。
マネジメント型(プロジェクト管理)
技術力をベースにしながら、プロジェクト・チームマネジメントに軸足を移す道です。PM、PL、エンジニアリングマネージャー、VPoEなどが該当します。
メリットは、技術だけでなくビジネススキルも身につくこと、年収の上限が高いこと、組織に大きな影響を与えられることです。大規模プロジェクトを成功に導くPMは年収800万〜1500万円も可能。マネジメントスキルは業界を超えて通用するため、キャリアの選択肢が広がります。
デメリットは、コードを書く時間が減り技術スキルが鈍る可能性、人間関係のストレス増加、成果がチーム評価になるためプレッシャーが大きいことです。成功するには、技術的バックグラウンドを保ちながら、リーダーシップ、交渉力、問題解決能力を磨く必要があります。
2030年79万人不足の市場展望
経済産業省の調査では、2030年に最大約79万人のIT人材が不足すると予測されています。DXの推進、AI技術の普及、5Gやクラウドサービスの拡大など、あらゆる業界でIT人材の需要は拡大し続けています。
この人材不足は、エンジニアにとって追い風です。未経験からでもチャレンジする価値がある分野であり、今からスキルを身につければ、将来にわたって安定したキャリアを築くことができます。
ITエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴
適性を知ることは、転職を決める大事な判断材料になります。
論理的思考力がある人
プログラミングは、問題を細かく分解し、順序立てて解決策を組み立てるプロセスです。例えば「ユーザーがログインできない」なら、入力ミス、アカウント存在有無、パスワード確認、サーバー問題…と、可能性を一つずつ検証していきます。
数学や物理が得意だった人、パズルやゲーム攻略が好きな人、日常で「なぜ?」と考える癖がある人は、この能力が高い傾向。論理的思考力は訓練で鍛えられるため、完璧である必要はありません。プログラミング学習を通じて、徐々に養うことができます。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアの適性診断|向いている人の特徴とCAB対策」を参照してください。
コミュニケーション能力が高い人
エンジニアは一人で黙々と仕事するイメージですが、実際はチーム開発が基本です。設計レビュー、コードレビュー、進捗報告、顧客ヒアリング—日々さまざまなシーンでコミュニケーションが発生します。
特に、技術的でない人(営業、顧客、経営層)に、わかりやすく説明する能力が非常に重要です。顧客の要望を正確に理解し、技術的な仕様に落とし込む能力も欠かせません。
ただし、求められるのは営業職のような高度な対人スキルではなく、「正確に情報を伝え、受け取る」という基本的レベルです。過度に心配する必要はありません。
継続的に学習できる人
IT技術は進化が非常に速く、新しいプログラミング言語、フレームワーク、ツールが次々登場します。5年前の最先端技術が、今では古くなっていることも珍しくありません。
優秀なエンジニアほど、プライベートの時間を使って技術学習を続けています。技術ブログ、オンライン講座、技術書、個人プロジェクト—自主的に学ぶ姿勢が重要です。ただし、すべての時間を勉強に費やす必要はなく、週に数時間でも継続的に学習する習慣があれば十分です。
コツコツした作業が好きな人
プログラミングの多くは、地道で細かい作業の積み重ねです。コード作成、バグ修正、テスト実行、ドキュメント作成—華やかさはありませんが、すべて重要。特にバグ修正(デバッグ)は、エラーメッセージを読み解き、原因を特定し、一つずつ潰していく根気のいる作業です。
細部にこだわる人、完璧主義的な傾向がある人、試行錯誤を繰り返すことに抵抗がない人は、プログラミング学習で成長しやすいです。エラーメッセージを読む→原因を調べる→修正する→再実行—このサイクルを何百回も繰り返すことに耐えられるかが、適性の分かれ目です。
適性検査(CAB)について
IT採用試験では、CAB(Computer Aptitude Battery)という適性検査が使われることがあります。論理的思考力、暗算能力、法則性発見能力、命令表理解など、エンジニアに必要な基礎能力を測定します。
対策は、専用問題集で事前練習することです。時間制限が厳しいため、スピードと正確性の両立訓練が重要。CABの結果が絶対的基準ではありませんが、論理的思考が苦手な場合は、エンジニアキャリアで苦労する可能性があります。自分の適性を客観的に知るため、事前にCAB対策本を解いてみることをお勧めします。
ITエンジニア転職活動の進め方|書類・面接・企業選び
転職成功には、応募書類、志望動機、面接対策、企業選びの4つの要素が重要です。
応募書類の準備(履歴書、職務経歴書、ポートフォリオ)
履歴書には基本情報、学歴、職歴を正確に記載。職務経歴書では、前職での具体的な業務内容、成果、使用したツールやスキルを詳しく書きます。未経験者は、前職で培った「論理的思考力」「プロジェクト管理能力」「コミュニケーション能力」など、エンジニアに転用できるスキルを強調することが重要です。
最も重要なのがポートフォリオ。自分が作成したWebアプリやサービスで、「実際にコードが書ける」ことを証明する実績物です。GitHubにソースコードを公開し、実際に動くアプリケーションのURLを提示すれば、採用担当者はスキルレベルを具体的に評価できます。
ToDoアプリ、掲示板アプリ、簡単なSNS—CRUD操作(作成・読取・更新・削除)を実装したアプリで十分。重要なのは「自分で考えて作った」ということです。スクール課題をそのまま提出するのではなく、オリジナル機能を追加したり、UIをカスタマイズして独自性をアピールしましょう。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアのポートフォリオ|未経験者の転職を成功させる」を参照してください。
志望動機の書き方
「なぜエンジニアになりたいのか」「なぜこの会社なのか」の2点を明確に伝えることが重要です。NG例は「手に職をつけたい」「将来性がある」といった漠然とした理由。これでは、どの会社にも当てはまり、採用担当者の心に響きません。
良い例は、具体的なエピソードと結びついたもの。「前職の営業で顧客の業務効率化ニーズを聞き、自分で解決策を提供できる技術者になりたい」「育児と仕事を両立できるサービスを作りたい」といった、実体験に基づいた動機です。
企業研究も欠かせません。事業内容、技術スタック、企業文化を事前に調べ、「御社の〇〇という事業に共感した」「〇〇という技術に魅力を感じた」と具体的に伝えることで、志望度の高さをアピールできます。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアの志望動機|未経験者向け例文15選と書き方」を参照してください。
面接対策と頻出質問
技術的質問と人物面の質問の両方が行われます。頻出質問は「なぜエンジニアになりたいのか」「学習内容」「ポートフォリオ説明」「チーム開発経験」「キャリアビジョン」など。
技術面接では、「使用言語」「フレームワーク特徴」「データベース正規化」「GitとGitHubの違い」といった基礎知識が問われます。ホワイトボードコーディングやペアプログラミングを求められることも。完璧な答えよりも、思考プロセスとコミュニケーション能力を見ています。
逆質問も重要です。「技術スタック」「開発チーム構成」「コードレビュー文化」「リモートワーク可否」など、具体的な質問で真摯な企業選びの姿勢を示しましょう。逆質問なしは志望度が低いと受け取られるため、3〜5個は準備が必要です。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアの面接対策|頻出質問42選と回答例」を参照してください。
転職エージェントの活用法
求人紹介、書類添削、面接対策、年収交渉など、転職全般をサポートするサービスです。未経験向けのIT転職エージェント—ワークポート、GEEK JOB、プログラマカレッジ、レバテックキャリアなどが代表的。
メリットは、非公開求人へのアクセス、企業の内部情報(社風、残業、退職率)、書類・面接対策、年収交渉の代行。特に未経験者にはエージェントのサポートが非常に有効です。
ただし、エージェント任せは禁物です。複数登録して情報比較し、自分でも企業研究を行い、本当に入社したい企業かを見極める必要があります。
ブラック企業・SESの見分け方
IT業界にはブラック企業やSES(客先常駐)企業が存在します。避けるため、いくつかの危険なサインを知っておきましょう。
常時求人を出している企業は要注意。離職率が高く、常に人手不足の可能性があります。
SES企業は、自社開発ではなくエンジニアを派遣する企業です。求人票に「客先常駐」「準委任契約」「SES」と書いてあれば該当。多重下請け構造の末端だと、年収が低くスキルアップが難しくなります。
優良企業の特徴は、自社サービス保有、開発環境整備(リモート可、フレックス、最新ツール)、教育制度充実、社員の口コミ評価が高い(OpenWork、en Lighthouseで確認)。面接時には「開発環境」「残業時間」「リモート可否」「評価制度」を必ず質問し、企業の実態を把握しましょう。
ITエンジニアのリアル|大変なこと・やめとけと言われる理由
魅力がある一方で、課題もあります。業界のリアルな実態と、それでもおすすめできる理由を正直に解説します。
長時間労働と残業の実態
dodaの調査によると、エンジニアの平均残業時間は月20〜30時間程度。ただし、企業や時期によってはこれを大きく上回ります。特にSIer(システムインテグレーター)や受託開発企業では、顧客の納期に合わせるため残業が多い傾向です。
繁忙期には月60時間以上の残業、深夜労働、休日出勤が発生する企業も。システム障害時には、夜中でも緊急対応やオンコール対応(待機)が求められることもあります。
ただし、すべての企業が長時間労働というわけではありません。Web系自社開発企業やスタートアップでは、フレックスタイム制やリモートワークを導入し、働き方の柔軟性を確保している企業も多い。企業選びの際に、残業時間、休日出勤、働き方の制度をしっかり確認することが重要です。
継続的な学習の必要性
技術は日進月歩で進化しており、5年前の知識が今では古くなっていることも珍しくありません。新しいプログラミング言語、フレームワーク、ツール、設計思想が次々と登場し、キャッチアップしないと市場価値が下がる可能性があります。
多くのエンジニアは業務時間外にも技術書を読んだり、オンライン講座を受講したり、個人プロジェクトで新しい技術を試したりしています。この「終わりのない学習」に疲れてしまい、エンジニアを辞める人もいます。特に家族がいる人やプライベートを大切にしたい人にとって、業務外の学習時間を確保することが負担になることがあります。
ただし、学習が「義務」ではなく「楽しみ」に感じられる人にとっては、問題ではありません。新しい技術に触れること自体が楽しい、スキルアップを実感できる—そういう人は、エンジニアとして長く活躍できる可能性が高いです。
SES・多重下請け構造の問題
SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアを他社に派遣する事業モデルです。SES自体は合法的ですが、問題は多重下請け構造。大手SIerが受注したプロジェクトを中堅SIerに下請けに出し、さらにSES企業に再委託する構造の中で、末端のエンジニアは低賃金で働かされることがあります。
客先常駐という働き方では、自社帰属意識が持ちにくく、スキルアップの機会も限られます。プロジェクト終了のたびに別の現場に派遣されるため、長期的なキャリア形成が難しいという問題もあります。
SESを避けるには、自社開発企業か、受託開発でも元請け(直接顧客から受注する企業)を選ぶことが重要。求人票に「自社開発」「プライム案件」「受託開発(元請け)」と書いてあるか確認しましょう。
初期年収の低さ
未経験から転職した場合、初年度は300万〜350万円程度になることが一般的です。前職が年収400万円以上あった場合、転職による年収ダウンは大きな決断になります。特に家族を養っている人や住宅ローンを抱えている人にとってはそうです。
未経験者は最初の1〜2年が研修期間のような位置づけで、実務に貢献できる割合が低いため、年収が低く抑えられることもあります。ただし、エンジニアの年収は経験で着実に上昇します。2〜3年で400万円台、5年以上で500万円台、10年以上で600万円以上も十分目指せます。初期年収が低くても、長期的に見れば高年収を実現できる可能性が高い職業です。
それでもエンジニアをおすすめできる理由
ネガティブな側面を伝えてきましたが、それでもエンジニアをおすすめします。理由は、市場価値の高さ、将来性、働き方の自由度、年収アップの可能性です。
IT人材は2030年に79万人不足すると予測されており、需要が供給を大きく上回っています。スキルを身につければ、転職市場で引く手あまたの状態が続きます。リモートワーク、フレックスタイム、副業OKという企業が増えており、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
フリーランスとして独立すれば年収1000万円以上も目指せます。ITスキルは世界共通であり、海外就職や海外リモートワークという選択肢も広がります。努力次第でキャリアの選択肢を大きく広げられる職業—それがエンジニアです。大変なこともありますが、それ以上にリターンが大きいのです。
ITエンジニアの働き方と業界の多様性
働き方は、職種、業界、企業で大きく異なります。
職種別の1日のスケジュール
システムエンジニア(SE)の場合 午前中は要件定義のミーティングや設計書レビュー、午後は設計書作成やプログラマーへの指示、夕方は進捗確認とクライアント報告。会議やコミュニケーションが多く、実際にコードを書く時間は少なめです。詳細については、「【関連記事】:ITエンジニアの1日|職種別スケジュールと働き方を徹底解説」を参照してください。
プログラマーの場合 午前中はチームの朝会(デイリースタンドアップミーティング)で進捗共有、その後は設計書に基づいてコーディング、昼食後もコーディング、夕方はコードレビューとテスト。1日の大半をコードを書く時間に費やします。
インフラエンジニアの場合 サーバーやネットワークの監視、障害対応、新規サーバー構築、セキュリティパッチ適用が主な業務。障害発生時は深夜や休日でも対応が必要。一方で、通常時は定時で帰れることも多く、働き方にメリハリがあります。
女性ITエンジニアのキャリア
IT業界は男性が多いイメージですが、近年は女性エンジニアが増えています。経済産業省調査では、IT業界全体の女性比率は約20%ですが、Web系企業やスタートアップでは30%以上の企業も珍しくありません。
女性エンジニアの強みは、細やかなコミュニケーション能力、UI/UXへの感性、チームの雰囲気づくりなど。IT業界は実力主義の傾向が強く、性別に関係なくスキルが評価されるため、女性でもキャリアアップしやすい環境です。
産休・育休制度も整っている企業が多く、復帰後もリモートワークや時短勤務を活用して育児と仕事を両立している女性エンジニアは多い。エンジニアはリモートワークとの相性が良いため、子育て中の女性にとって働きやすい職業の一つです。ロールモデルとなる女性エンジニアも増えており、女性がエンジニアを目指しやすい環境が整ってきています。詳細については、「【関連記事】:女性ITエンジニアのリアル|働きやすさとキャリア形成」を参照してください。
リモートワーク・在宅勤務の実態
エンジニアはリモートワークとの相性が非常に良い職業です。コロナ禍をきっかけに、多くのIT企業がリモートワークを導入し、フルリモートや週2〜3日リモートという働き方が定着。特にWeb系自社開発企業では、フルリモート可の企業も多い。
メリットは、通勤時間ゼロ、自分のペースで集中して作業可能、家族との時間増加、住む場所の自由度。地方在住でも、東京の企業にリモートで勤務できます。
デメリットは、コミュニケーションが取りづらい、孤独感、オンオフの切り替え難しさ、自宅作業環境整備の必要性。未経験者や新人の場合、質問しにくくなり成長が遅れる可能性も。そのため、最初の1〜2年は出社して先輩に直接質問できる環境の方が、スキルアップに有利です。
Web系とSIerの違い
IT業界には大きく2つのタイプがあります。
Web系企業:自社でWebサービスやアプリを開発・運営。メルカリ、サイバーエージェント、クックパッドなどが代表例。Ruby on Rails、React、AWSなどのモダンな技術スタックを使用。アジャイル開発、少数精鋭チーム、フラットな組織文化が特徴です。
SIer(システムインテグレーター):顧客企業のシステムを受注して開発。NTTデータ、富士通、日立製作所などが代表例。Java、C#、Oracle、SAP等の大規模システム向け技術を使用。ウォーターフォール開発、大規模チーム、階層的な組織文化が特徴です。
どちらが良いかは個人差。Web系は自由な社風、最新技術、スピード感を重視する人向き。SIerは安定性、大規模プロジェクト経験、体系的な研修を重視する人向きです。
フリーランスという選択肢
実務経験3年以上のエンジニアなら、フリーランスも選択肢になります。レバテックフリーランス、ギークスジョブ、Midworksなどのエージェント経由で案件受注。月単価60〜100万円で、年収720〜1200万円となり、正社員より高収入を実現できる可能性があります。働く場所、時間、案件を自由に選べるため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
まとめ:ITエンジニアへの転職を成功させるために
ここまで、仕事内容、年収、転職方法、スキル、キャリアパス、業界の実態を詳しく解説してきました。最後に、転職を成功させるための具体的なステップと注意点をまとめます。
ITエンジニアになるための3ステップ
ステップ1:情報収集と自己分析(1ヶ月目) エンジニアが本当に自分に合っているか見極めます。19職種の中から興味を持てる分野を絞り込みましょう。開発系、インフラ系、マネジメント系のどれに興味があるか。
Progateの無料プランでプログラミングを試す、CABの問題集を解く、現役エンジニアに話を聞く—実際に体験することが重要。この段階で「違うかも」と気づくことも、貴重な学びです。
ステップ2:学習と準備(2〜6ヶ月目) プログラミングスクール、転職エージェントの無料研修、完全独学のいずれかを選び、最低3ヶ月は集中して学習します。
1つのプログラミング言語(Ruby、Python、JavaScript等)を選んで基礎文法を習得、フレームワーク(Ruby on Rails、Django等)を使ってWebアプリを作成、GitHubでコード公開、3つ程度のアプリをポートフォリオとして完成させるというフロー。並行して基本情報技術者試験やITパスポート勉強も進めます。
ステップ3:転職活動(7〜10ヶ月目) ポートフォリオが完成したら転職活動開始。転職エージェント(ワークポート、GEEK JOB等)に複数登録し、未経験者歓迎求人の紹介を受けます。応募書類(履歴書、職務経歴書、ポートフォリオURL)を準備し、志望動機は企業ごとにカスタマイズします。
面接では「なぜエンジニアになりたいのか」「学習内容」「ポートフォリオ技術的説明」を自信を持って話せるよう準備。内定後は年収、勤務地、働き方(リモート可否)、教育制度を確認し、納得できる企業を選びます。初めての転職では、年収より「成長できる環境」を優先することが、長期的なキャリアにつながります。
失敗しないための注意点
1. ブラック企業の回避 常時求人を出している企業、多重下請けSES企業末端、残業代固定、社員口コミ評価が極端に低い企業は避けましょう。OpenWork、en Lighthouseなどで実際の社員の声を確認することが重要です。
2. 現実的な期待値の設定 未経験転職の現実:初年度年収300万円台、最初の1年は研修・雑務中心、すぐには希望の技術に触れられない。過度に期待するとギャップを感じて早期離職につながります。最初の2〜3年は「学ばせてもらう」という謙虚な姿勢で、基礎をしっかり固めることが重要。
3. 継続学習の覚悟 エンジニアになったら学習が終わるわけではなく、そこからが本当のスタートです。業務時間外に技術書を読んだり、新しい技術を試す時間を確保できるか、ライフスタイルと照らし合わせて考えましょう。学習が「楽しみ」に感じられるかどうかが、長く活躍できるかの分かれ目です。
今日から始められるアクション
エンジニア転職を本気で考えているなら、今日から動きましょう。
1. Progateの無料プランを試す HTMLとCSSのレッスンを試してみてください。プログラミングが自分に合っているか、実際に体験することで判断できます。
2. 転職エージェント登録 ワークポート、GEEK JOB、プログラマカレッジなど、未経験向けのエージェントに登録。実際の求人情報やキャリアアドバイザーの話を聞くことで、転職の具体的なイメージが湧きます。登録は無料で5分程度です。
3. IT基礎知識の学習 ITパスポートや基本情報技術者の参考書を1冊購入。IT業界の全体像が掴めます。
4. 現役エンジニアの働き方を知る YouTubeで「エンジニア 1日のスケジュール」「未経験からエンジニア転職」などで検索。現役エンジニアの働き方を見ることで、転職後の生活がイメージしやすくなります。
エンジニアは、未経験からでも挑戦できる、将来性の高い職業です。この記事の情報を参考に、ぜひ一歩を踏み出してください。あなたのエンジニアとしてのキャリアが、充実したものになることを願っています。
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