ITエンジニアの1日|職種別スケジュールと働き方を徹底解説

ITエンジニアへの転職を検討するとき、最も気になるのは「実際に毎日どんな仕事をしているのか」という点ではないでしょうか。システムエンジニアは顧客対応が中心なのか、プログラマーはひたすらコーディングをしているのか、インフラエンジニアは何をしているのか――職種によって働き方は大きく異なります。本記事では、開発系、インフラ系、マネジメント系のエンジニアが実際にどのような1日を過ごしているのか、具体的なスケジュール例とともに解説します。残業の実態、リモートワークの現状、ワークライフバランスの実現方法など、転職前に知っておきたい情報をまとめました。
ITエンジニアの1日の基本的な流れ
ITエンジニアの1日は職種によって異なりますが、基本的なリズムに共通点があります。多くの企業は9:00~18:00あるいは10:00~19:00の勤務を採用していますが、フレックスタイム制を導入する企業が増えており、柔軟な時間帯の選択が可能になってきました。朝は朝会やデイリースタンドアップミーティングで1日のタスクを確認することからスタートします。午前中は集中力が必要な開発や設計業務に取り組みます。午後は顧客との打ち合わせやコードレビューなど、チームで進める業務が増えます。夕方は翌日の準備やドキュメント作成、進捗報告に時間を充てるのが一般的です。
– [標準的な勤務時間と始業・終業のパターン](#標準的な勤務時間と始業終業のパターン) – [1日の基本的なタスク構成](#1日の基本的なタスク構成)
標準的な勤務時間と始業・終業のパターン
ITエンジニアの標準的な勤務時間は8時間で、昼休みが1時間というのが基本です。企業によって勤務体系は多様化しており、フレックスタイム制を採用している企業では、コアタイム(例:11:00~15:00)以外は柔軟に調整できます。朝型の人は8:00出社・17:00退社、夜型の人は10:30出社・19:30退社といった選択が可能で、ライフスタイルや作業効率に合わせて調整できます。
リモートワークが普及した現在では、通勤時間がない分、朝の時間を有効活用できます。始業前に自己学習や軽い運動に充てたり、終業後すぐに家事や趣味に取り組めるといった利点があります。企業によっては、週単位の総労働時間を満たせば1日の配分を自由に決定できる裁量労働制を導入しているところもあります。
1日の基本的なタスク構成
ITエンジニアの業務時間配分は職種によって異なります。一般的には、デスクワーク(コーディング、設計、ドキュメント作成など)が6~7割、会議・打ち合わせが3~4割程度というのが目安です。ただし職種によってこのバランスは大きく変わります。
プログラマーやWebエンジニアはコーディングに集中する時間が長く、デスクワークの割合が8割に達することもあります。一方、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーは顧客折衝やチーム内の調整業務が中心となるため、会議の割合が5割以上になることも珍しくありません。リモートワークの普及に伴い、オンライン会議ツールを活用した打ち合わせが増え、移動時間が削減され、限られた時間を効率的に活用できるようになってきました。
各職種の詳細な仕事内容をより深く知りたい場合は、「【関連記事】:ITエンジニアの職種19選|仕事内容と役割を徹底比較」をご参照ください。
職種別|開発系エンジニアの1日
開発系エンジニアは、システムやアプリケーションの設計・開発を担当します。システムエンジニア(SE)は要件定義から設計までの上流工程と、コーディングやテストなどの下流工程の両方に関わります。プログラマーやWebエンジニアは主に実装・テスト業務を中心に進めます。
– [システムエンジニア(SE)の1日のスケジュール](#システムエンジニアseの1日のスケジュール) – [Webエンジニア・プログラマーの1日のスケジュール](#webエンジニアプログラマーの1日のスケジュール)
システムエンジニア(SE)の1日のスケジュール
システムエンジニアの1日は、担当する工程によって業務内容が大きく異なります。上流工程SEは顧客との打ち合わせや要件定義、設計業務に多くの時間を費やします。下流工程SEはコーディングやテストなどの実装業務がメインになります。どちらも、プロジェクト全体を見渡す視点と、コミュニケーション能力や問題解決能力が重要です。
上流工程担当SEの具体例
上流工程を担当するSEの1日は、顧客との打ち合わせとチーム内の調整が中心です。9:00に出社してメールチェックと朝会で1日のスケジュールを確認した後、午前中は要件定義書や設計書の作成に集中します。細部まで丁寧に詰めることが後の開発品質を左右するため、集中力が必要です。
11:00頃からはオンライン会議を通じて顧客と仕様を確認し、変更点を調整します。昼休憩を挟んだ後、14:00からは社内の設計レビュー会議に参加し、開発チームからの質問に答えたり設計の妥当性を検討したりします。16:00以降は翌日の打ち合わせ資料準備やプロジェクト進捗報告書作成を進め、18:30頃に退社します。顧客対応が多いため、急な変更依頼に対応することもあり、残業の可能性が比較的高い職種です。このように職種による時間配分の違いが、年収やキャリアパスにも影響するため、詳しくは「【関連記事】:ITエンジニアのキャリアパス|3つの方向性と10年後の姿」をご参照ください。
下流工程担当SEの具体例
下流工程SEは設計書をもとにコーディング作業に従事します。9:30に出社してチーム朝会で進捗を共有した後、午前中は設計書に沿ったコーディングに集中します。品質基準を満たしたコードを効率的に書き上げることが重要です。
12:00の昼休憩を経て、13:30からはコードレビューに移ります。他のメンバーが書いたコードを検査したり、自分のコードへのレビュー指摘に対応したりします。この時間は品質維持に欠かせません。15:00頃からは単体テストや結合テストを実施し、バグ修正を行います。17:00にはテスト結果を記録してドキュメントに反映させ、18:00に退社する前に、進捗をプロジェクト管理ツールに記録します。開発スケジュール通りに進まない場合、テストやバグ修正で残業が発生しやすいという特徴があります。
Webエンジニア・プログラマーの1日のスケジュール
Webエンジニアやプログラマーの1日の大きな特徴は、コーディングに集中できる時間が長いという点です。10:00に出社してデイリースタンドアップミーティングで進捗を共有した後、午前中は新機能の実装やバグ修正に取り組みます。GitHubなどのバージョン管理システムを活用し、定期的にコミットして作業を進めるのが一般的です。
13:00の昼休憩を挟んで、14:00からはコードレビューの時間になります。チームメンバーが書いたコードを検査したり、自分のコードへの指摘に対応したりします。15:30頃からは再び開発業務に集中し、新機能の実装を進めます。17:30にはユニットテストを実行してコードの品質を確認し、18:00に退社する前に進捗をプロジェクト管理ツールに記録します。リモートワークを活用する場合、通勤時間がない分、朝の時間を技術記事の学習や新しいフレームワークの研究に充てられます。プログラマーとシステムエンジニアの働き方の違いについては、「【関連記事】:システムエンジニアとプログラマーの違い|役割・年収比較」で詳しく解説しています。
職種別|インフラ系エンジニアの1日
インフラ系エンジニアは、サーバーやネットワークなどのITインフラの設計・構築・運用を担当します。この職種は運用・保守と構築・設計の2つの業務タイプに分かれており、1日のスケジュールが大きく異なります。運用担当は24時間365日稼働するシステムを監視・保守するため、シフト制勤務やオンコール対応が発生することもあります。構築担当はプロジェクトベースで動くことが多く、開発系エンジニアに近い働き方になります。
– [運用・保守エンジニアの1日のスケジュール](#運用保守エンジニアの1日のスケジュール) – [構築・設計エンジニアの1日のスケジュール](#構築設計エンジニアの1日のスケジュール)
運用・保守エンジニアの1日のスケジュール
運用・保守担当のインフラエンジニアの1日は、システムの監視と障害対応が中心です。9:00に出社して最初に行うことは、夜間に発生したシステムログやアラートの確認です。異常がないかをくまなくチェックし、潜在的な問題を早期に発見することが重要な役割です。
午前中はサーバーのパフォーマンス監視やセキュリティパッチの適用といった定例作業を進めます。これらのメンテナンス作業がシステムの安定性を保つ基盤になります。昼休憩を経た後、14:00からは翌週の定期メンテナンス作業の手順書作成に取り組みます。16:00頃には他部署からの問い合わせ対応やインシデント管理ツールでのチケット処理を行い、18:00に退社します。
深夜や休日にシステム障害が発生した場合、オンコール対応で緊急呼び出しが発生します。常に携帯電話を携帯し、いつでも対応可能な待機状態を保つ必要があります。企業によっては24時間体制でシフト勤務を行い、夜勤手当が支給されるケースもあります。インフラエンジニアの年収や給与水準については、「【関連記事】:ITエンジニアの年収|年代・職種・業種別の給与実態を徹底解説」をご参照ください。
構築・設計エンジニアの1日のスケジュール
構築・設計担当のインフラエンジニアは、新規システムのインフラ設計や既存環境の改善プロジェクトに携わります。10:00に出社してチーム朝会で進捗を共有した後、午前中はクラウド環境(AWSやAzureなど)の設計書作成やネットワーク構成図の更新作業に従事します。
13:00の昼休憩を挟んで、14:30からは顧客との要件確認会議に参加します。顧客のニーズを正確に把握し、必要なサーバースペックや冗長化構成について詳細に打ち合わせします。16:00以降は実際の構築作業やテスト環境での検証作業を行い、19:00頃に退社します。プロジェクトの納期が近づくと深夜や休日の作業が発生することもありますが、綿密な計画と進捗管理によって残業を最小化できます。
職種別|マネジメント系エンジニアの1日
マネジメント系のエンジニアは、技術的な業務に加えて、プロジェクト全体の進行管理やチームメンバーの育成・マネジメントを担当します。プロジェクトマネージャー(PM)はビジネス側との調整や予算管理が中心となり、テックリードやチームリーダーは技術的な意思決定とメンバーの技術指導を行います。どちらも会議の時間が長く、技術的なバックグラウンドを活かしながらチーム全体を成功に導く重要な役割です。
– [プロジェクトマネージャー(PM)の1日のスケジュール](#プロジェクトマネージャーpmの1日のスケジュール) – [テックリード・チームリーダーの1日のスケジュール](#テックリードチームリーダーの1日のスケジュール)
プロジェクトマネージャー(PM)の1日のスケジュール
プロジェクトマネージャーの1日は、会議とコミュニケーションが大半を占めます。9:00に出社した直後は、メールやチャットツールで各チームの進捗状況を確認し、課題や遅延がないかをチェックします。この朝の情報収集が、1日の意思決定の質に大きく影響します。
10:00からは顧客との定例会議でプロジェクトの進捗報告や今後のスケジュール調整を行い、12:00まで続くこともあります。顧客との関係構築と期待値管理がPMの重要な職務です。昼休憩を経た後、14:00からは社内の進捗会議を開催し、メンバーの作業状況を確認してリスク対応を議論します。16:00以降は翌週の作業計画や予算管理資料の作成、ステークホルダーへの報告書作成に充てられます。19:00頃に退社する前に、明日の会議に向けた準備を整えます。プロジェクトの状況によっては、遅延対応や顧客との調整で残業が発生することも珍しくないです。
テックリード・チームリーダーの1日のスケジュール
テックリードやチームリーダーの1日は、技術的な意思決定とメンバー支援が中心です。10:00に出社してチーム朝会を開催し、メンバーの進捗や困りごとをヒアリングし、技術的なアドバイスを提供します。この時間はチーム内での心理的安全性を醸成し、メンバーが相談しやすい環境を作るために重要です。
午前中はアーキテクチャ設計やコードレビューを行い、品質基準を満たしているか確認します。13:00の昼休憩を挟んで、14:30からは若手メンバーとの1on1ミーティングでキャリア相談や技術指導を行います。メンバーの成長を促進することがチーム全体の成功につながります。16:00以降は自らもコーディングに取り組んで新機能のプロトタイプを作成し、実装方針を示します。18:30に退社する前に、翌日のチーム作業の優先順位を整理してメンバーに共有します。
ITエンジニアの残業実態とワークライフバランス
ITエンジニアの残業時間は、企業規模や業界、プロジェクトの状況によって大きく異なります。働き方改革の推進により残業時間は減少傾向にありますが、納期前や障害対応時には長時間労働が発生することもあります。転職前に企業の残業実態を正確に把握することは重要な判断材料です。
– [職種・企業規模別の平均残業時間](#職種企業規模別の平均残業時間) – [ワークライフバランスを実現するための工夫](#ワークライフバランスを実現するための工夫)
職種・企業規模別の平均残業時間
ITエンジニアの平均的な月間残業時間は20~30時間程度ですが、企業や職種によって大きな差があります。自社サービスを運営するWeb系企業では月10~20時間と比較的少ない傾向が見られます。一方、受託開発やSIer企業ではプロジェクトの納期前に月40~50時間を超えることも珍しくありません。
特にシステムリリース前の1~2ヶ月は繁忙期となり、テストやバグ修正で深夜残業や休日出勤が発生する可能性が高まります。インフラエンジニアの場合、予期しないシステム障害が発生すると、緊急対応で深夜や休日に呼び出されることもあります。ただし、フレックスタイム制や代休制度を活用することで、繁忙期の長時間労働を平準化できる企業も増えています。大手IT企業では残業時間の上限を設けているところもあり、転職先の選定時には制度面を詳しく確認することが重要です。
異なる職種への転職を検討している方は、「【関連記事】:ITエンジニアへの未経験転職|3つのルートと成功のポイント」も参考になります。
ワークライフバランスを実現するための工夫
ITエンジニアがワークライフバランスを実現するには、効率的な働き方とリモートワークの活用が重要です。タスク管理ツールを使って優先順位を明確にし、本当に大切な業務に時間を充てることで無駄な残業を減らせます。完璧さを求めすぎず、必要十分なレベルでタスクを完了させることもポイントです。
コードレビューやペアプログラミングを積極的に行うことで、品質を高めながら作業時間を短縮できます。リモートワークを活用すれば通勤時間がなくなり、その分を家族との時間や趣味、自己学習に充てられます。さらに、有給休暇を計画的に取得し、定期的にリフレッシュすることで仕事の生産性も向上します。企業選びの段階で、残業時間の実態や働き方改革への取り組み姿勢を確認することも大切です。
リモートワーク時代のITエンジニアの1日
新型コロナウイルスの影響で急速に普及したリモートワークは、ITエンジニアの働き方を大きく変えました。現在では週5日フルリモートの企業から、週2~3日は出社するハイブリッドワークまで、さまざまな働き方が選択できるようになっています。
– [在宅勤務での1日のスケジュール例](#在宅勤務での1日のスケジュール例) – [リモートワークのメリット・デメリットと対処法](#リモートワークのメリットデメリットと対処法)
在宅勤務での1日のスケジュール例
在宅勤務のITエンジニアの1日は、通勤時間がない分、朝の時間を有効活用できるのが特徴です。9:00の始業前に軽い運動や読書をして頭をスッキリさせてから、9:00にオンラインで朝会に参加します。準備時間を短縮できることで、精神的なゆとりが生まれます。
午前中は自宅の静かな環境で集中してコーディングやドキュメント作成に取り組み、12:00に昼休憩を取ります。自分のペースで休息を取れるメリットがあります。13:00からはオンライン会議でチームメンバーや顧客と打ち合わせを行い、15:00以降は再び開発業務に集中します。18:00に業務を終えたら、すぐに家族との夕食や趣味の時間に切り替えられます。ただし、仕事とプライベートの境界が曖昧になりやすいため、専用のワークスペースを確保し、終業時にはパソコンを閉じて物理的に切り替えることが大切です。
リモートワークのメリット・デメリットと対処法
リモートワークの最大のメリットは、通勤ストレスの軽減と時間の有効活用です。往復2時間の通勤時間がなくなれば、その分を自己学習や家族との時間に充てられます。また、自宅の静かな環境で集中できるため、生産性が向上したというエンジニアも多くいます。
一方、デメリットとしては、対面でのコミュニケーションが減ることで、ちょっとした質問や相談がしにくくなる点が挙げられます。特に新人エンジニアは、先輩の仕事を見て学ぶ機会が減るため、成長スピードが遅くなる可能性があります。また、運動不足や孤独感を感じやすくなるため、定期的な運動やオンラインでの雑談時間を設けるなどの工夫が必要です。対処法としては、チャットツールでの積極的なコミュニケーション、定期的なオンライン1on1の実施、週1~2回の出社を組み合わせたハイブリッドワークなどが有効です。
リモートワークが浸透する中で、キャリア開発や成長機会の確保は重要なテーマです。詳しくは「【関連記事】:ITエンジニアのキャリアパス|3つの方向性と10年後の姿」をご覧ください。
まとめ: ITエンジニアの1日を理解してキャリア選択に活かそう
本記事では、ITエンジニアの職種別の1日のスケジュールを詳しく解説しました。開発系エンジニアはコーディングに集中できる時間が長く、インフラ系エンジニアは運用と構築で働き方が大きく異なり、マネジメント系エンジニアは会議やコミュニケーションが中心となります。
残業時間は企業や職種によって大きな差がありますが、リモートワークの普及により働き方の選択肢は確実に広がっています。ITエンジニアを目指す際は、自分の性格や働き方の希望に合った職種を選ぶことが長期的なキャリア満足度につながります。転職を検討する際は、本記事で紹介したスケジュールを参考にしながら、企業の実際の残業時間や働き方改革への取り組み、リモートワークの実施状況などを詳しく確認しましょう。自分に合ったキャリアパスを見つけることで、充実したエンジニア人生を歩むことができます。
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