ITエンジニアの年収｜年代・職種・業種別の給与実態を徹底解説

公開日: 2025年11月28日更新日: 2025年11月30日

著者: MeTimeキャリア編集部

ITエンジニアの平均年収は462万円｜全体像と市場動向

ITエンジニアの平均年収は約462万円です。ただし、この数字はあくまで全体平均であり、年代や職種、所属する業界によって年収は大きく変わります。

デジタル化が加速する現在、ITエンジニアの需要は急拡大しています。企業のIT投資額は毎年増え続けており、優秀なエンジニアを確保するために各社が待遇改善を進めている状況です。特にクラウドやAIといった先端技術を扱えるエンジニア、プロジェクトマネジメント経験のある人材は、市場で高く評価されています。

この人材争奪戦は今後も続くと予測されており、ITエンジニアにとって年収を上げるチャンスは広がる一方です。

日本の平均年収との比較
IT業界の需要増加と年収への影響

日本の平均年収との比較

国税庁の調査によると、日本全体の平均年収は約443万円です。ITエンジニアの462万円は、全職種平均より約20万円高い水準にあります。

この差は、IT人材の需要の高さと専門性の価値を物語っています。さらに注目すべきは、ITエンジニアが経験を積むほど年収が伸びやすい点です。製造業や小売業と比べても、スキル次第で年収を大きく伸ばせる職種はそう多くありません。将来性という観点でも、ITエンジニアは魅力的な選択肢といえるでしょう。

IT業界の需要増加と年収への影響

DX推進やAI技術の発展で、IT人材の奪い合いが起きています。経済産業省の調査によれば、2030年には最大79万人のIT人材が不足する見込みです。

この深刻な人材不足が、エンジニアの年収を押し上げています。特にクラウド、AI、データ分析といった先端技術を扱えるエンジニアは、引く手あまたの状態です。企業はリモートワークや柔軟な勤務制度を導入するなど、優秀な人材を確保するため待遇面での競争を繰り広げています。エンジニアにとっては、自分の市場価値を高めやすい環境が整っているといえるでしょう。

年代別の平均年収｜20代から50代までの推移

ITエンジニアの年収は、年代とともに着実に伸びていきます。経験を積むほど専門性が高まり、任されるプロジェクトの規模も大きくなるためです。

特に30代から40代は年収の伸びが大きい時期です。この時期に技術力だけでなくマネジメントスキルも磨けば、年収を大幅に引き上げられます。年代別の年収推移を知ることで、今の自分の立ち位置と、これから目指すべき方向性が見えてくるはずです。各年代で求められるスキルや役割を理解し、計画的にキャリアを積み上げていきましょう。

20代ITエンジニアの平均年収
30代ITエンジニアの平均年収
40代・50代ITエンジニアの平均年収

20代ITエンジニアの平均年収

20代前半（22〜25歳）の平均年収は約350万円、20代後半（26〜29歳）になると約420万円まで上がります。

新卒から5年目までは、技術の基礎を固める大切な時期です。プログラミングスキルの習得や業務知識の蓄積に集中しましょう。この時期にどれだけ技術力を高められるかが、その後のキャリアと年収を左右します。複数のプログラミング言語やフレームワークに触れておくと、将来の選択肢が広がります。焦らず、しっかりと土台を築いてください。

30代ITエンジニアの平均年収

30代の平均年収は約520万円。20代後半から約100万円アップする計算です。

この年代になると、チームリーダーやプロジェクトマネージャーといったマネジメント業務を任される機会が増えます。技術力とマネジメント力の両方を持つエンジニアなら、年収600万円以上も十分に狙えるでしょう。30代は転職市場でも最も需要が高く、転職による年収アップを実現しやすい時期でもあります。市場価値が最も高まるこの時期を、戦略的に活かしましょう。

関連記事として、【関連記事】：ITエンジニアのキャリアパス｜3つの方向性と10年後の姿では、キャリア形成の詳細を解説しています。

40代・50代ITエンジニアの平均年収

40代の平均年収は約600万円、50代では約650万円です。

この年代は、管理職として組織を率いるか、高度な技術を持つスペシャリストとして活躍するかの分かれ道です。外資系企業やメガベンチャーでは、シニアエンジニアやアーキテクトとして年収800万円以上を得ている人も珍しくありません。長年の経験で培った技術力と業界知識は大きな武器です。若手の育成やプロジェクト全体の技術戦略を担う、かけがえのない存在として活躍できる年代といえます。

職種別の平均年収｜エンジニアタイプによる年収差

一口にITエンジニアといっても、職種によって年収には大きな開きがあります。システム設計を担うSE、コードを書くプログラマー、サーバーやネットワークを管理するインフラエンジニア、データ分析のスペシャリストであるデータサイエンティスト。それぞれの専門性と市場での需要によって、年収は変わってきます。

特に最近需要が伸びている職種では、高額な年収を提示する企業が増えています。自分の適性や興味に合った職種を選び、その分野で専門性を深めていくことが、長期的な年収アップにつながります。

システムエンジニア（SE）の平均年収
プログラマーの平均年収
インフラエンジニアの平均年収
データサイエンティスト・AIエンジニアの平均年収
プロジェクトマネージャー（PM）の平均年収

システムエンジニア（SE）の平均年収

システムエンジニアの平均年収は約480万円です。要件定義から設計、開発、テストまで幅広い工程を担うため、技術力に加えてコミュニケーション能力も重要です。大規模システムの設計経験があれば、年収600万円以上も十分に目指せます。

プログラマーの平均年収

プログラマーの平均年収は約420万円です。ただし、使用する言語によって年収には差が出ます。PythonやGo言語といったモダンな言語を扱えるエンジニアは、比較的高年収を得やすい傾向にあります。複数言語を操れるフルスタックエンジニアなら、市場価値はさらに高まるでしょう。

インフラエンジニアの平均年収

インフラエンジニアの平均年収は約500万円です。オンプレミスからクラウドへの移行が進む今、AWS、Azure、GCPといったクラウド技術を持つエンジニアの需要が急増しています。クラウド認定資格を取得していれば、年収600万円以上も現実的な目標です。

データサイエンティスト・AIエンジニアの平均年収

データサイエンティストとAIエンジニアの平均年収は約650万円。ITエンジニア職種の中でも特に高い水準です。機械学習やディープラーニングの知識に加え、統計学やビジネス理解も求められる高度な専門職だからです。大手企業では年収800万円以上のオファーも珍しくありません。

プロジェクトマネージャー（PM）の平均年収

プロジェクトマネージャーの平均年収は約700万円です。プロジェクト全体の計画、予算管理、チームマネジメントを担う重要なポジションであり、技術的知識とビジネススキルの両方が必要です。大規模プロジェクトを成功させた実績があるPMなら、年収1000万円以上も夢ではありません。

業種別の平均年収｜どの業界が高年収か

ITエンジニアの年収は、どの業界で働くかによっても大きく変わります。同じスキルレベルでも、金融業界とWeb系企業では年収に100万円以上の差がつくことも珍しくありません。

業種選びは、年収を決める重要な要素の一つです。各業界には独自の特徴があり、求められるスキルや働き方も異なります。自分のキャリアビジョンや価値観に合った業種を選ぶことで、年収とやりがいの両方を手に入れられる可能性が高まります。

金融・保険業界のITエンジニア年収
IT・Web系企業のITエンジニア年収
SIer・受託開発企業のITエンジニア年収

金融・保険業界のITエンジニア年収

金融・保険業界のITエンジニア平均年収は約650万円。全業種の中でトップクラスの水準です。

銀行、証券会社、保険会社では、システムの安定性と高度なセキュリティが絶対条件です。そのため、優秀なエンジニアには高額な報酬が用意されています。特にフィンテック領域では、年収800万円以上の求人も豊富に見つかります。

IT・Web系企業のITエンジニア年収

自社でWebサービスやアプリを開発するIT・Web系企業の平均年収は約550万円です。

メガベンチャーや急成長中のスタートアップでは、ストックオプションや業績連動ボーナスが加わるケースも多く、実質的な年収はさらに高くなります。最新技術に触れながら高年収を得られる環境は、技術志向の強いエンジニアにとって大きな魅力でしょう。

SIer・受託開発企業のITエンジニア年収

SIer・受託開発企業の平均年収は約480万円です。ITエンジニアの中で最も従事者が多い業種であり、企業規模や受注案件によって年収には幅があります。

大手SIerは福利厚生が手厚く、安定性を重視するエンジニアに人気です。PM職に昇進すれば、年収600万円以上も十分に狙えます。

ITエンジニアが年収を上げる5つの方法

年収アップは、自分の行動次第で実現できます。ここでは、ITエンジニアが実践できる5つの具体的な方法を紹介します。

それぞれのアプローチには特徴があるので、自分のキャリアプランに合わせて選んでください。複数の方法を組み合わせれば、より大きな年収アップも期待できます。

スキルアップと技術の専門性を高める
転職で年収アップを実現する
資格取得で市場価値を証明する
副業・フリーランスで収入源を増やす
マネジメントスキルを身につける

スキルアップと技術の専門性を高める

需要の高い技術を習得すれば、市場価値は確実に上がります。クラウド技術（AWS、Azure、GCP）、コンテナ技術（Docker、Kubernetes）、AI・機械学習、モバイルアプリ開発などは特に需要が高い分野です。

これらのスキルを身につけることで、年収50万円から100万円アップも十分に期待できます。オンライン学習プラットフォームや技術書での独学、そして業務での実践を通じて、専門性を深めていきましょう。関連記事として、【関連記事】：ITエンジニアのスキルアップ｜成長を加速させる7つの施策では、スキルアップの実践的な方法を紹介しています。

転職で年収アップを実現する

転職は、最も即効性のある年収アップ手段です。同じスキルでも、企業や業種を変えるだけで年収が100万円以上アップすることも珍しくありません。

特に30代前半までは転職市場での需要が高く、スキルと経験を適切にアピールすれば大幅な年収アップが期待できます。転職エージェントを活用し、複数の企業から条件を引き出すことで、より良い待遇を得られる可能性が高まります。

資格取得で市場価値を証明する

資格は、ITエンジニアとしての実力を客観的に証明してくれます。AWS認定資格、CCNA/CCNP、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士などは企業からの評価が高く、年収アップに直結します。

資格手当として月1万円から3万円を支給する企業も多く、年間では12万円から36万円の収入増になります。転職時の年収交渉でも有利に働くでしょう。

副業・フリーランスで収入源を増やす

本業とは別に副業で収入を得れば、総年収を増やせます。クラウドソーシングサイトでの開発案件、技術ブログでの広告収入、プログラミング講師など、ITエンジニアのスキルを活かせる副業は豊富にあります。

週末に月10万円程度の副業を行えば、年間120万円の収入増です。将来フリーランスとして独立する際の準備にもなります。

マネジメントスキルを身につける

技術力に加えてマネジメントスキルを持てば、プロジェクトマネージャーやテックリードといった高年収ポジションを狙えます。チームマネジメント、進捗管理、予算管理、顧客折衝といったスキルは、現場での実践を通じて習得できます。

マネジメント職に就けば、一般的なエンジニアより100万円から200万円高い年収を得られる可能性があります。

年収1000万円を目指すキャリアロードマップ

年収1000万円は、多くのITエンジニアが目指す目標です。夢物語ではありません。戦略的なキャリア設計と継続的なスキルアップで、十分に実現可能な数字です。

ここでは、年収1000万円を達成するための具体的なロードマップを解説します。

年収1000万円達成に必要なスキルと経験
5年で年収1000万円を実現する具体的ステップ
年収1000万円超えのITエンジニアが選ぶキャリア

年収1000万円達成に必要なスキルと経験

技術面では、クラウドアーキテクチャ設計、マイクロサービス開発、セキュリティ設計といった高度な専門知識が求められます。それに加えて、ビジネススキルとして要件定義、見積もり作成、顧客折衝、チームマネジメントなども必要です。

実務経験は最低でも5年以上、できれば10年程度が目安です。大規模プロジェクトのリーダー経験やアーキテクト経験があれば、市場価値はさらに高まります。

5年で年収1000万円を実現する具体的ステップ

1年目から2年目は、基礎技術の習得と業務知識の蓄積に注力します。この時期の年収は400万円から450万円が目安です。

3年目から4年目では、リーダー経験を積みながら専門技術を深め、年収550万円から650万円を目指します。5年目には転職してマネージャーまたはスペシャリストとして年収800万円以上へ。その後、外資系企業やメガベンチャーへの転職、あるいはフリーランスとして独立することで年収1000万円に到達できます。

重要なのは、スキル習得と転職のタイミングを戦略的に設計すること。各ステップで明確な目標を設定し、着実に実績を積み上げることが成功への近道です。

年収1000万円超えのITエンジニアが選ぶキャリア

年収1000万円を超えるITエンジニアの多くは、次のいずれかのポジションに就いています。外資系IT企業のシニアエンジニア、大手企業のアーキテクト、フリーランスのスペシャリスト、IT企業の経営陣です。

外資系企業は実力主義なので、高いスキルがあれば年齢に関係なく高年収を得られます。フリーランスとして独立する場合、月単価100万円以上の案件を獲得できれば年収1200万円以上も実現可能です。

まとめ: ITエンジニアの年収を最大化するために

ITエンジニアの平均年収は462万円ですが、年代、職種、業種によって大きく変わります。戦略的なキャリア設計によって、年収を大幅に伸ばすことは十分に可能です。

20代で基礎を固め、30代でマネジメントスキルと専門性を高め、40代以降は自分の強みを活かしたキャリアを選ぶ。この流れが理想的です。年収を上げる方法は5つあります。スキルアップ、転職、資格取得、副業、マネジメントスキルの習得です。年収1000万円も決して夢ではなく、計画的なスキル習得と適切なタイミングでのキャリアチェンジで実現できます。

大切なのは、常に市場価値を意識し、自分の価値を高め続けることです。IT業界は技術の進化が早く、継続的な学習は欠かせません。しかし、その努力は必ず報われます。需要が高まり続けるIT業界で、自分の価値を高めれば、理想の年収と働き方を手に入れられるのです。今日から行動を起こしましょう。