ITエンジニアの資格17選|国家資格からベンダー資格まで

IT資格は自分のスキルを客観的に証明する強力なツールで、転職活動や年収アップに直結します。しかし、国家資格からベンダー資格まで種類が多く、どれを選べばいいのか迷いますよね。本記事では、ITエンジニアのキャリアステージに合わせた資格17選を紹介。初心者向けの国家資格から、クラウド・ネットワーク・データベース分野のベンダー資格まで、難易度や勉強時間、取得メリットを分かりやすく解説します。資格取得後のキャリア展開については「【関連記事】:ITエンジニアのキャリアパス|3つの方向性と10年後の姿」も参考にしてください。
ITエンジニア資格の選び方|国家資格とベンダー資格の違い
IT資格を選ぶ際には、まず国家資格とベンダー資格の違いを理解することが非常に重要です。それぞれの特性や有効期限、費用、難易度などを把握した上で、自分のキャリアゴールや現在のスキルレベルに合わせて適切な資格を選択することが、効率的なキャリアアップの鍵になります。
– [国家資格とベンダー資格の違い](#国家資格とベンダー資格の違い) – [目的別の資格選びのポイント](#目的別の資格選びのポイント)
国家資格とベンダー資格の違い
国家資格(情報処理技術者試験など)は生涯有効で更新が不要。費用は5,700~7,500円と安く、IT業界全体で通用する基礎力が身につきます。一方、ベンダー資格(AWS、Azure、CCNA、LPICなど)は特定の製品・サービスに特化した実践的スキルを証明できます。ただし2~3年の有効期限があり、更新料も必要。受験料は15,000~40,000円程度ですが、実務で即戦力になるのが魅力です。
目的別の資格選びのポイント
未経験者はITパスポート→基本情報技術者の国家資格から始めるのが王道。IT業界の基礎知識を習得でき、就職活動でのアピール材料になります。転職を目指す場合は、応募企業の職種に合わせた資格を選びましょう。クラウドエンジニアならAWS、ネットワークエンジニアならCCNA、データベースエンジニアならOracle Master。現役エンジニアのスキルアップなら、高度情報処理技術者試験(スペシャリスト試験)や上位ベンダー資格(CCNP、AWS Professional)で専門性を深めましょう。
初心者向け国家資格3選|ITパスポートから始める
ITエンジニアとしてのキャリアをスタートするには、国家資格である情報処理技術者試験からスタートするのが最も王道的で効果的なアプローチです。ここでは初心者からステップアップできる3つの国家資格を難易度順に紹介します。
– [ITパスポート試験(IP)](#itパスポート試験ip) – [基本情報技術者試験(FE)](#基本情報技術者試験fe) – [応用情報技術者試験(AP)](#応用情報技術者試験ap)
ITパスポート試験(IP)
情報処理技術者試験の中で最も基礎的な資格で、IT業界未経験者や学生から圧倒的な人気を集めています。CBT方式で実施され、ストラテジ、マネジメント、テクノロジの3分野から100問が出題。1,000点満点中600点以上で合格できます。
勉強時間は初学者で50~100時間程度、合格率は50~60%と高め。受験料は7,500円で、全国の試験会場でほぼ毎日受験可能という利便性も大きな魅力。IT基礎知識を体系的に習得でき、プログラマーやインフラエンジニア、Webデザイナーなど、あらゆるIT職種で役立つ資格です。新卒採用や未経験者の転職活動で、IT知識の証明として高く評価されます。
基本情報技術者試験(FE)
ITエンジニアの登竜門とされ、プログラミング、データベース、ネットワーク、セキュリティなど幅広い知識が問われる重要な資格。2023年4月からCBT方式となり、科目A(60問・90分)と科目B(20問・100分)の2部構成で、両科目とも60%以上の得点が必要です。
勉強時間は150~200時間程度で、合格率は40~50%。受験料は7,500円。この資格を取得すると、システム開発やインフラ構築の基本的な流れを理解していることの証明になり、新人エンジニアの育成目標として企業でも推奨されています。プログラミング経験がある方なら、ITパスポートを飛ばしてこの資格から挑戦するのも効率的な戦略です。
応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者の上位資格で、より高度な技術知識と実践的な問題解決能力を要求されます。午前試験(80問・150分)と午後試験(記述式・150分)があり、両方とも60%以上の得点で合格。年2回(春期・秋期)の実施で、受験料は7,500円。
勉強時間は200~300時間程度で、合格率は20~25%と難易度が高め。午後試験では、セキュリティ、データベース、ネットワーク、プロジェクトマネジメントなど専門分野の記述問題が出題されるため、実務経験がある方が有利。この資格を取得するとシステム開発プロジェクトでのリーダーシップ能力の証明となり、昇進や転職時の評価アップに直結します。実務経験1~3年目のエンジニアが次のステップとして目指すのに最適です。
専門性を高める国家資格4選|高度情報処理技術者試験
応用情報技術者の上位資格で、各分野のスペシャリストとして認められます。実務経験者向けで、専門性を深めたい方に最適です。
– [ネットワークスペシャリスト試験(NW)](#ネットワークスペシャリスト試験nw) – [データベーススペシャリスト試験(DB)](#データベーススペシャリスト試験db) – [情報処理安全確保支援士試験(SC)](#情報処理安全確保支援士試験sc) – [システムアーキテクト試験(SA)](#システムアーキテクト試験sa)
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークシステムの設計・構築・運用に関する高度な知識を証明する資格。午前試験と午後試験があり、年1回(秋期)のみ実施。受験料は7,500円で、合格率は12~15%と非常に難度が高め。ネットワークエンジニア、インフラエンジニアとして専門性を高めたい方に最適。ルーティング、スイッチング、セキュリティ、負荷分散など実践的な技術が問われます。取得すると大規模ネットワークの設計・構築プロジェクトでリーダーとして活躍できる技術力を証明でき、年収アップに直結します。ネットワーク分野での専門知識を深めたい方は、「【関連記事】:ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違い|役割比較」も併せて参照してください。
データベーススペシャリスト試験(DB)
データベースの設計・構築・運用管理に関する高度な知識を証明する専門資格。年1回(春期)実施で、受験料は7,500円、合格率は15~17%程度。データベースエンジニア、データアーキテクトを目指す方に推奨される資格です。正規化理論、SQLチューニング、トランザクション管理、RDBMS設計など専門的な内容が出題されます。クラウドデータベースやビッグデータ分析の需要が高まる中、この資格保有者は企業から高く評価されています。
情報処理安全確保支援士試験(SC)
サイバーセキュリティに関する国家資格で、合格後に登録することで「情報処理安全確保支援士」を名乗れます。年2回(春期・秋期)実施、受験料7,500円、合格率は18~20%。登録には初回17,000円、年会費20,000円、3年ごとの講習受講が必須。セキュリティ専門職向けで、サイバー攻撃増加に伴い企業ニーズが急速に高まっています。
システムアーキテクト試験(SA)
システム開発の上流工程(要件定義・設計)担当者向け資格。年1回(秋期)実施、受験料7,500円、合格率は13~15%。ITコンサルタント、PM、システムアーキテクト向け。午後試験は論述問題で、実務経験と記述力が重要。年収800万円以上を目指すキャリアに有利です。
クラウド系ベンダー資格3選|AWS・Azureの認定資格
クラウドサービスの需要拡大に伴い、クラウド関連資格の価値が急上昇しています。AWS、Azure、Google Cloudの3大クラウドプラットフォームの認定資格は、実務で即戦力となるスキルを証明でき、転職市場でも高く評価されます。
– [AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト](#aws認定ソリューションアーキテクト—アソシエイト) – [Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)](#microsoft-azure-fundamentalsaz-900) – [Google Cloud Professional Cloud Architect](#google-cloud-professional-cloud-architect)
AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
AWSクラウドの設計スキルを証明する人気資格。試験は130分、65問の選択問題で、1,000点満点中720点以上で合格。受験料は18,150円(税込)で、3年間の有効期限があります。
勉強時間は実務経験者で100~150時間程度、未経験者は200時間以上必要。EC2、S3、RDS、VPC、IAMなどAWSの主要サービスに関する知識が問われます。クラウドエンジニア、インフラエンジニアとして即戦力になり、転職時の年収アップに大きく貢献。AWS案件の求人では資格保有が応募条件になっているケースも多く、クラウド分野で活躍したい方には必須の資格です。
Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)
Azureの基礎知識を証明する入門資格。試験は60分・40~60問(選択式)、700点以上で合格。受験料は13,200円(税込)で、有効期限なし。勉強時間は30~50時間で、クラウド初心者でも取得しやすい。クラウドコンピューティング概念、Azureコアサービス、セキュリティ、コンプライアンスなど基本内容が出題。Azureへのクラウド移行ニーズが拡大中で、上位資格(AZ-104、AZ-305)へのステップアップも可能。Microsoftエコシステムを扱う企業への転職に特におすすめです。
Google Cloud Professional Cloud Architect
Google Cloudの設計・管理スキルを証明する上級資格です。試験は120分、50~60問の選択・記述問題で、受験料は26,400円(税込)と高額。有効期限は2年で再認定が必要です。
難易度はAWS SAA相当かそれ以上で、勉強時間は150~200時間程度必要。Compute Engine、Cloud Storage、BigQuery、Kubernetesなど、GCPの各種サービスを用いたアーキテクチャ設計能力が問われます。Google Cloud採用企業は増加傾向にあり、特にデータ分析やAI・機械学習分野での需要が急速に高まっています。年収800万円以上のクラウドアーキテクト職を目指す方にとって、価値のある資格です。
ネットワーク系ベンダー資格3選|CCNA・CCNPを目指す
Cisco認定資格は業界標準として高く評価され、実務で即戦力となる技術力を証明します。
– [Cisco Certified Network Associate(CCNA)](#cisco-certified-network-associateccna) – [Cisco Certified Network Professional(CCNP)](#cisco-certified-network-professionalccnp) – [CompTIA Network+](#comptia-network)
Cisco Certified Network Associate(CCNA)
ネットワークエンジニアの基礎資格として世界中で認知されている資格です。試験は120分、100~120問の選択問題で、1,000点満点中合格ラインは非公開ですが、およそ800~850点程度と言われています。受験料は42,900円(税込)と高額で、3年間の有効期限があります。
勉強時間は初学者で200~300時間、実務経験者で100~150時間程度必要。ネットワークの基礎、IPアドレッシング、ルーティング、スイッチング、セキュリティなど幅広い知識が問われます。ネットワークエンジニア、インフラエンジニアの求人では、CCNAが応募条件となっているケースが多く、年収アップや転職活動で大きなアドバンテージになります。
Cisco Certified Network Professional(CCNP)
CCNAの上位資格で、より高度なネットワーク設計・運用スキルを証明します。コア試験1科目と専門試験1科目の計2科目合格が必要で、各試験は120分、受験料は各48,400円(税込)。有効期限は3年間です。
難易度はCCNAより大幅に高く、勉強時間は300~500時間程度必要。エンタープライズネットワーク、セキュリティ、データセンターなど専門分野を選択でき、実務経験3年以上のベテランエンジニア向け。CCNP取得者は大規模ネットワークの設計・構築を任されるシニアエンジニアとして評価され、年収700万円以上を目指せます。
CompTIA Network+
ベンダーニュートラルな国際ネットワーク資格。試験は90分・90問(選択式)、900点中720点以上で合格。受験料は42,768円(税込)で、3年間の有効期限。勉強時間は100~150時間程度でCCNAより取得しやすい。Cisco製品に限定されず、ネットワーク全般の基礎知識を証明できるため、海外就職や外資系企業への転職に有利。日本国内ではCCNAが知名度高いですが、グローバル通用資格として価値があります。
Linux・データベース系ベンダー資格4選|LPIC・Oracleなど
インフラエンジニアやデータベースエンジニアのキャリアに直結する資格を紹介します。
– [LPIC(Linux Professional Institute Certification)](#lpiclinux-professional-institute-certification) – [LinuC(Linux技術者認定試験)](#linuxlinux技術者認定試験) – [Oracle Master](#oracle-master) – [OSS-DB(オープンソースデータベース技術者認定試験)](#oss-dbオープンソースデータベース技術者認定試験)
LPIC(Linux Professional Institute Certification)
Linuxスキルを証明する国際的な資格です。レベル1(初級)、レベル2(中級)、レベル3(上級)の3段階があり、レベル1は2科目(101試験、102試験)の合格が必要。受験料は各16,500円(税込)で、5年間の有効期限があります。
勉強時間はレベル1で100~150時間程度です。Linuxの基本操作、ファイルシステム、パッケージ管理、シェルスクリプトなどが出題されます。Linuxはサーバー環境で広く使われているため、インフラエンジニア、サーバーエンジニアを目指す方には必須の資格。国際資格なので、グローバル企業や海外案件でも高く評価されます。
LinuC(Linux技術者認定試験)
LPI-Japan認定の日本国内向けLinux資格。レベル1~3があり、受験料・試験形式はLPICとほぼ同じ、5年間の有効期限。勉強時間や難易度もLPICと同程度。日本企業でよく使われるLinux技術やクラウド連携に重点を置いているのが特徴。日本国内での就職・転職を重視する方に適しており、グローバル活躍志向なら認知度の高いLPICの方がおすすめです。
Oracle Master
Oracle Databaseの技術力を証明する資格です。Bronze(日本独自資格)、Silver、Gold、Platinumの4段階があり、受験料は26,600~37,730円(税込)と高額。上位資格は下位資格の取得が前提となります。
勉強時間はSilverで150~200時間程度必要です。SQL、データベース管理、バックアップ、チューニングなど実践的な内容が出題されます。Oracle Databaseは大企業の基幹システムで広く使われており、データベースエンジニアとして高収入を目指すなら取得価値の高い資格。特に金融業界や大規模システム開発の現場で高く評価されています。
OSS-DB(オープンソースデータベース技術者認定試験)
PostgreSQLのスキルを証明する資格です。Silver(初級)とGold(上級)の2段階があり、受験料は16,500円(税込)で、5年間の有効期限があります。
勉強時間はSilverで80~120時間程度です。PostgreSQLはオープンソースのRDBMSとして近年需要が急速に高まっており、Webアプリケーションやクラウドサービスで広く採用されています。Oracle Masterより取得しやすく、受験料も安いため、データベース初学者がまず目指す資格として最適。オープンソースDB技術の需要拡大に伴い、価値が増している資格です。
ITエンジニア資格の取得ロードマップ|キャリアステージ別
未経験・初学者向けのロードマップ
ITパスポート→基本情報技術者で基礎知識を固めましょう。並行してベンダー資格にも取り組むと効果的。AWS Cloud Practitioner(クラウド志望)、CCNA(ネットワーク志望)、LPIC-1(Linux志望)など入門レベルから始めることで、実務経験と組み合わせた着実なスキルアップが実現できます。未経験からITエンジニアへの転職を検討している方は、「【関連記事】:ITエンジニアへの未経験転職|3つのルートと成功のポイント」も併せて参照してください。
実務経験1-3年向けのロードマップ
応用情報技術者試験で技術力を証明しながら、専門分野のベンダー資格取得でキャリア方向を明確に。AWS認定ソリューションアーキテクト(クラウド)、CCNA(ネットワーク)、Oracle Master Silver(DB)など、実務に直結する資格を優先的に取得すると、転職市場での評価が高まり、年収アップにもつながります。この段階での学習方法については「【関連記事】:ITエンジニアの勉強法|未経験から3ヶ月で転職レベルへ」を参考にしてください。
実務経験3年以上向けのロードマップ
高度情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト、DBスペシャリスト、システムアーキテクトなど)と上位ベンダー資格(CCNP、AWS Professional、GCP Professional、Oracle Master Gold)に挑戦しましょう。難易度は高いですが、専門家として地位を確立でき、年収800万円以上のポジションを目指せます。技術顧問やフリーランス独立時にも、高度資格は信頼性の証明として大きな武器になります。スキルアップの詳しい施策については「【関連記事】:ITエンジニアのスキルアップ|成長を加速させる7つの施策」も参照してください。
まとめ: ITエンジニア資格を取得してキャリアアップを実現しよう
IT資格は、スキルを客観的に証明し、キャリアアップ・年収アップを実現する重要なツール。国家資格とベンダー資格それぞれに特徴があり、目標やキャリアステージに応じた選択が成功の鍵です。
未経験者はITパスポート→基本情報技術者から始め、実務経験と組み合わせながら応用情報技術者や専門ベンダー資格へステップアップ。ベテランは高度情報処理技術者試験や上位ベンダー資格で専門性を証明し、年収800万円以上のキャリアを実現できます。技術の進化に合わせた継続学習と計画的な資格取得で、長期的に活躍できるITエンジニアキャリアを構築しましょう。
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