人事の志望動機の書き方|未経験者向け例文とNG例【コピペ可・面接対策付き】

人事職への転職を考えたとき、最も悩むのが「志望動機をどう書けばいいか」という点ではないでしょうか。特に未経験から人事を目指す場合、「なぜ今の仕事ではなく人事なのか」を説得力を持って伝える必要があります。
人事の志望動機では、単に「人と関わる仕事がしたい」「会社を支える仕事に興味がある」といった抽象的な理由では不十分です。採用担当者が知りたいのは、「なぜあなたが人事に向いているのか」「入社後どのように貢献できるのか」という具体的な根拠です。
この記事では、人事の志望動機で評価されるポイントから、すぐに使える例文、避けるべきNG例、面接での伝え方まで、実践的な情報を網羅的に解説します。履歴書や職務経歴書に書く際の参考として、ぜひ活用してください。
人事の志望動機で見られる5つのポイント
人事職の志望動機を作成する前に、採用担当者が何を評価しているのかを理解することが重要です。以下の5つのポイントを押さえることで、説得力のある志望動機を書くことができます。
– [なぜ人事を志望するのか(志望理由の明確性)](#なぜ人事を志望するのか志望理由の明確性) – [なぜこの会社なのか(企業理解)](#なぜこの会社なのか企業理解) – [これまでの経験をどう活かせるか(再現性)](#これまでの経験をどう活かせるか再現性) – [入社後に何を実現したいか(ビジョン)](#入社後に何を実現したいかビジョン) – [人事としての適性・価値観](#人事としての適性価値観)
なぜ人事を志望するのか(志望理由の明確性)
人事職を選んだ理由が明確に語れることは最も基本的な要素です。「なんとなく興味がある」といった曖昧な動機ではなく、これまでの経験や価値観に基づいた具体的な理由を示す必要があります。営業職であれば「人材育成に関わる中で組織全体の成長に寄与したいと考えた」、事務職であれば「社員の働きやすさを支える制度設計に興味を持った」など、現職との接点を明確にすることが重要です。
なぜこの会社なのか(企業理解)
「人事の仕事がしたい」だけでは、どの企業でも当てはまる内容になってしまいます。応募企業の人事理念、採用方針、人材育成の特徴などを調べ、「その企業だからこそ実現したいこと」を具体的に示すことで、企業研究の深さと本気度が伝わります。たとえば、「貴社の1on1制度を活用した育成方針に共感し」「多様性を重視する採用戦略に魅力を感じ」といった具体的な言及が効果的です。
これまでの経験をどう活かせるか(再現性)
未経験であっても、これまでのキャリアで培ったスキルが人事職でどう活かせるかを示すことが求められます。営業経験なら「傾聴力や課題解決能力を採用面接で活用できる」、事務経験なら「正確なデータ管理や社会保険手続きの知識を労務業務に活かせる」など、具体的なスキルの転用可能性を説明します。経験者の場合は、過去の実績や成果を数字で示すことで再現性をアピールできます。
入社後に何を実現したいか(ビジョン)
入社後にどのような貢献をしたいのか、将来的にどのような人事担当者になりたいのかというビジョンを語ることで、長期的なコミットメントを示せます。「まずは採用業務を習得し、将来的には人材育成や組織開発にも携わりたい」「労務の専門性を高め、働き方改革を推進する制度設計に貢献したい」など、段階的なキャリアプランを提示することが効果的です。
人事としての適性・価値観
人事職には、公平性、傾聴力、調整力、守秘義務への意識など、特有の適性が求められます。「社員一人ひとりの成長を支えることに喜びを感じる」「多様な価値観を尊重し、公平な判断を心がけている」など、人事に必要な資質を自分の価値観と結びつけて語ることで、職種への適性をアピールできます。具体的なエピソードとともに示すことで、より説得力が増します。
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人事の志望動機の基本構成【3ステップ】
効果的な志望動機を書くためには、論理的な構成が欠かせません。PREP法(Point・Reason・Example・Point)を応用した3ステップの構成に従うことで、採用担当者に伝わりやすい志望動機を作成できます。
– [ステップ1:結論から書く(なぜ人事か)](#ステップ1結論から書くなぜ人事か) – [ステップ2:理由と根拠を示す(経験・エピソード)](#ステップ2理由と根拠を示す経験エピソード) – [ステップ3:入社後の展望を語る(貢献・ビジョン)](#ステップ3入社後の展望を語る貢献ビジョン)
ステップ1:結論から書く(なぜ人事か)
志望動機の冒頭では、「なぜ人事職を志望するのか」という結論を簡潔に述べる必要があります。「貴社の人事職を志望する理由は、〇〇の経験を通じて△△を実現したいと考えたためです」という形で、志望理由の核心を最初に示すことで、読み手の関心を引きつけます。
たとえば、「貴社の人事職を志望する理由は、営業として多くの人材と関わる中で、組織全体の成長を支える仕事に携わりたいと強く感じたためです」のように、現職での気づきと人事への志望を明確につなげることが重要です。この結論部分は50〜80字程度で簡潔にまとめることがポイントです。
冒頭で方向性を示すことで、その後に続く理由や具体例がスムーズに理解されやすくなります。曖昧な表現を避け、「〇〇を実現したい」「△△に貢献したい」と明確な意志を示すことが重要です。
ステップ2:理由と根拠を示す(経験・エピソード)
結論を述べた後は、「なぜそう考えたのか」という理由と根拠を具体的なエピソードで補強する必要があります。ここが志望動機の中で最も重要な部分です。抽象的な説明ではなく、実際に体験した出来事や取り組みを通じて、人事職への関心が高まった経緯を描写します。
営業職からのキャリアチェンジであれば、「新人育成を担当した際、個々の強みを引き出すコミュニケーションの重要性を実感しました。育成した後輩が成長し、チームに貢献する姿を見て、人材育成の仕事に大きなやりがいを感じました」といった具体的なエピソードが効果的です。
また、応募企業を選んだ理由も併せて示します。「貴社の『人を大切にする』という経営理念と、社員の成長を重視する人事制度に深く共感しました」のように、企業研究の成果を盛り込むことで、志望度の高さをアピールできます。このセクションは志望動機全体の約50%を占める最も厚みのある部分になります。
ステップ3:入社後の展望を語る(貢献・ビジョン)
最後に、入社後にどのように貢献したいか、将来的にどのような人事担当者を目指すのかを述べます。ここでは、現実的でありながらも成長意欲を感じられるビジョンを示すことが重要です。
「入社後は、まず採用業務を通じて貴社の求める人物像を深く理解し、優秀な人材の獲得に貢献したいと考えています。将来的には、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる育成プログラムの企画・運営にも携わり、組織全体の成長を支える人事担当者になりたいと考えています」といった形で、短期的な目標と長期的なビジョンの両方を示します。
このステップでは、「学びたい」という受け身の姿勢ではなく、「貢献したい」「実現したい」という能動的な表現を使うことがポイントです。企業が求めているのは、入社後すぐに価値を提供できる人材、または将来的に組織に大きく貢献できる人材です。その期待に応える姿勢を明確に示しましょう。
この3ステップの構成に従うことで、論理的で説得力のある志望動機を作成できます。各ステップの文字数配分は、ステップ1が約20%、ステップ2が約50%、ステップ3が約30%を目安にバランスよく構成しましょう。
【コピペOK】人事の志望動機|状況別例文7選
ここでは、様々な状況に応じた人事の志望動機の例文を紹介します。あなたの状況に近いものを参考に、自分の経験や応募企業の特徴に合わせてカスタマイズしてください。
– [例文1:未経験から人事へのキャリアチェンジ(営業職から)](#例文1未経験から人事へのキャリアチェンジ営業職から) – [例文2:未経験から人事へのキャリアチェンジ(事務職から)](#例文2未経験から人事へのキャリアチェンジ事務職から) – [例文3:人事経験者の転職(採用担当から)](#例文3人事経験者の転職採用担当から) – [例文4:人事経験者の転職(労務・制度企画から)](#例文4人事経験者の転職労務制度企画から) – [例文5:新卒・第二新卒の志望動機](#例文5新卒第二新卒の志望動機) – [例文6:ベンチャー・スタートアップ企業向け](#例文6ベンチャースタートアップ企業向け) – [例文7:大手企業・伝統企業向け](#例文7大手企業伝統企業向け)
例文1:未経験から人事へのキャリアチェンジ(営業職から)
貴社の人事職を志望する理由は、営業として顧客との信頼関係構築に携わる中で、人材の成長が組織の成功に直結することを実感し、人材育成を通じて企業全体に貢献したいと考えたためです。
現職では法人営業として年間120社の顧客を担当し、顧客のニーズを深く理解するヒアリング力と、課題解決のための提案力を磨いてきました。また、新人育成の担当として3名の後輩を指導した経験があり、個々の強みを引き出すコミュニケーションの重要性を学びました。この経験から、人材の可能性を最大限に引き出す仕事に強い関心を持つようになりました。
貴社の「社員の成長が企業の成長」という人事理念に深く共感し、特に1on1制度を活用した育成方針に魅力を感じています。入社後は、営業で培った傾聴力と課題発見力を活かして採用業務に取り組み、将来的には人材育成や組織開発にも携わり、社員一人ひとりが活躍できる環境づくりに貢献したいと考えています。
📕関連記事: – 人事の仕事内容を完全ガイド|採用・教育・評価など5つの主要業務と1日の流れ – 人事のキャリアパス完全ガイド|ゼネラリスト・スペシャリスト・CHROへの道を解説
例文2:未経験から人事へのキャリアチェンジ(事務職から)
貴社の人事職を志望する理由は、総務事務として社員の労務管理や福利厚生の運用に携わる中で、働きやすい環境を整えることの重要性を実感し、人事制度の企画・運営を通じて組織づくりに貢献したいと考えたためです。
現職では社会保険手続き、勤怠管理、給与計算などの労務業務を担当し、正確性と迅速性を重視した業務遂行を心がけてきました。また、社員からの各種問い合わせ対応を通じて、制度をわかりやすく説明するコミュニケーション力を培いました。この経験から、社員が安心して働ける制度設計や運用改善に興味を持つようになりました。
貴社が推進している働き方改革の取り組みと、社員の声を反映した制度設計の姿勢に強く共感しています。入社後は、労務の実務経験を活かして正確な業務遂行に貢献するとともに、将来的には人事制度の企画や運用改善にも携わり、全社員が働きやすいと感じられる環境づくりに貢献したいと考えています。
📕関連記事: – 人事と労務の違いとは?業務内容・年収・キャリアを徹底比較|どちらが自分に合う? – 人事と総務の違いを徹底解説|仕事内容・年収・向いている人の特徴を比較
例文3:人事経験者の転職(採用担当から)
貴社の人事職を志望する理由は、前職で新卒・中途採用を担当する中で、企業の成長フェーズに合わせた戦略的な採用の重要性を実感し、より幅広い人事領域で組織の成長に貢献したいと考えたためです。
前職では年間50名規模の中途採用を担当し、採用計画の立案から面接、内定者フォローまで一貫して携わってきました。特に、エンジニア採用では採用手法の見直しにより応募数を前年比150%に増加させ、質の高い人材の確保に貢献しました。また、面接官トレーニングの企画・実施を通じて、現場社員の採用力向上にも取り組みました。
貴社が事業拡大フェーズにあり、採用強化と組織体制の整備を同時に進めている点に大きな魅力を感じています。入社後は、これまでの採用実績を活かして即戦力として貢献するとともに、人材育成や組織開発の領域にも挑戦し、採用から定着・育成まで一貫した人材マネジメントを実現したいと考えています。
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例文4:人事経験者の転職(労務・制度企画から)
貴社の人事職を志望する理由は、前職で労務管理と人事制度の運用に携わる中で、制度が社員のモチベーションと企業の生産性に直結することを実感し、より戦略的な人事施策の立案に挑戦したいと考えたためです。
前職では給与計算、社会保険手続き、勤怠管理などの労務業務に加え、評価制度の運用改善プロジェクトに参画しました。社員アンケートを実施し、評価基準の明確化と フィードバック制度の改善を提案・実行した結果、社員満足度が15ポイント向上しました。この経験から、人事制度が組織文化に与える影響の大きさを学びました。
貴社が「社員の自律的な成長」を重視し、柔軟な働き方と公正な評価制度を整備している点に強く共感しています。入社後は、労務の専門知識を活かして安定的な業務運営に貢献するとともに、人事制度の企画・改善にも積極的に関わり、社員が成長を実感できる仕組みづくりに貢献したいと考えています。
例文5:新卒・第二新卒の志望動機
貴社の人事職を志望する理由は、大学時代のインターンシップで採用業務に携わった経験から、人材と企業のマッチングが双方の成長に重要な役割を果たすことを学び、人事のプロフェッショナルとして企業の成長に貢献したいと考えたためです。
インターンでは新卒採用のアシスタントとして、説明会の運営や応募者対応を担当しました。その中で、求職者一人ひとりの価値観やキャリア志向を理解し、企業文化とのマッチングを考えることの重要性を実感しました。また、大学のゼミでは組織行動論を専攻し、モチベーション理論やリーダーシップについて学んできました。
貴社の「人を大切にする経営」という理念と、若手にも責任ある仕事を任せる育成方針に魅力を感じています。入社後は、まず人事の基礎業務を着実に習得し、将来的には採用戦略の立案や人材育成プログラムの企画にも携わり、社員と企業の成長を支える人事担当者になりたいと考えています。
📕関連記事: – 未経験から人事への転職は難しい?成功率を高める5つの戦略|採用担当が狙い目の理由
例文6:ベンチャー・スタートアップ企業向け
貴社の人事職を志望する理由は、急成長する組織において、柔軟かつスピーディーな人事施策が企業の成長を左右することに魅力を感じ、事業拡大を人材面から支えたいと考えたためです。
前職ではベンチャー企業の営業として、少数精鋭のチームで成果を出す経験を積んできました。組織が急拡大する中で、採用基準の明確化や新メンバーのオンボーディングの重要性を痛感し、人事の役割に強い関心を持つようになりました。また、社内プロジェクトで採用活動をサポートした経験があり、スタートアップならではのスピード感と柔軟性を理解しています。
貴社が成長フェーズにあり、組織体制の整備と文化の醸成を同時に進めている点に大きな可能性を感じています。入社後は、採用業務を中心に即戦力として貢献し、将来的には評価制度や育成プログラムの構築にも携わり、スケールする組織の基盤づくりに貢献したいと考えています。
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例文7:大手企業・伝統企業向け
貴社の人事職を志望する理由は、長年培われた人材育成のノウハウと、多様な人材が活躍できる制度に魅力を感じ、伝統と革新を両立する組織づくりに貢献したいと考えたためです。
前職では大手メーカーの営業企画として、全国の営業拠点と連携しながらプロジェクトを推進してきました。様々なバックグラウンドを持つメンバーをまとめる中で、個々の強みを活かすマネジメントの重要性を学びました。また、社内の人事制度説明会に参加し、体系的なキャリアパスと充実した研修制度に感銘を受け、人事の仕事に興味を持つようになりました。
貴社の100年以上の歴史の中で蓄積された人材育成の知見と、ダイバーシティ推進やDX人材の育成など、新しい課題にも積極的に取り組む姿勢に強く共感しています。入社後は、まず人事業務の基礎を学び、将来的には人材育成や組織開発に携わり、伝統を守りながらも変化に対応できる強い組織づくりに貢献したいと考えています。
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これはNG!人事の志望動機でよくある失敗例と改善ポイント
志望動機を書く際に、多くの求職者が陥りがちな失敗パターンがあります。以下のNG例を参考に、自分の志望動機を見直してみましょう。
– [NG例1:「人と関わる仕事がしたい」だけで終わる](#ng例1人と関わる仕事がしたいだけで終わる) – [NG例2:「勉強したい」が前面に出ている](#ng例2勉強したいが前面に出ている) – [NG例3:どの企業にも当てはまる内容](#ng例3どの企業にも当てはまる内容) – [NG例4:ネガティブな転職理由を書いている](#ng例4ネガティブな転職理由を書いている)
NG例1:「人と関わる仕事がしたい」だけで終わる
「人と関わる仕事に魅力を感じ、人事を志望しました」という志望動機は、人事職を目指す人の多くが書いてしまう典型的な失敗例です。この表現だけでは、営業、接客、カウンセラーなど、人と関わる他の多くの職種との差別化ができません。
また、「人と関わる」という表現は抽象的で、具体的に何をしたいのか、なぜ人事でなければならないのかが伝わりません。採用担当者は、「人と関わりたいだけなら、営業職のままでも良いのでは」「人事の仕事の本質を理解していないのでは」と感じてしまいます。
改善ポイント:具体的なエピソードを加える
改善するには、「なぜ人と関わる中でも人事職なのか」を具体的なエピソードとともに示す必要があります。たとえば、「営業として顧客と関わる中で、社内の人材育成の重要性を実感しました。新人育成を担当した際、個々の強みを引き出すコミュニケーションで成長を支援できることに大きなやりがいを感じ、人材育成を専門とする人事職を志望するに至りました」のように、具体的な体験と人事への志望を結びつけることで説得力が生まれます。
NG例2:「勉強したい」が前面に出ている
「人事の専門知識を学びたい」「労務管理のスキルを身につけたい」という学習意欲を前面に出した志望動機も、評価されにくいパターンです。企業は学校ではなく、即戦力または将来的に貢献できる人材を求めています。
「学びたい」という表現は受け身の姿勢を示し、企業に何を提供できるのかが見えません。特に未経験者が「勉強させてください」という姿勢だけを示すと、「入社後すぐに価値を提供できないのでは」という懸念を抱かれてしまいます。
改善ポイント:貢献意欲を明確にする
改善するには、学習意欲を貢献意欲に転換する必要があります。「人事の専門知識を習得しながら、営業で培った傾聴力と課題解決力を活かして採用業務に貢献したいと考えています。将来的には人事のプロフェッショナルとして、組織全体の成長を支える存在になりたいと考えています」のように、学びつつも即座に貢献できる部分を示し、最終的なゴールを明確にすることが重要です。
NG例3:どの企業にも当てはまる内容
「人事の仕事を通じて企業の成長に貢献したい」「社員が働きやすい環境を作りたい」といった、どの企業にも当てはまる抽象的な志望動機は、企業研究が不足していると判断されます。
このような志望動機では、「なぜ他社ではなく、この企業なのか」が伝わりません。採用担当者は、「この志望動機は他社にも送っているのでは」「本当に当社に入社したいのか」と疑問を持ってしまいます。志望度の低さが透けて見える志望動機は、書類選考の段階で落とされる可能性が高くなります。
改善ポイント:その企業ならではの魅力を盛り込む
改善するには、応募企業特有の特徴や魅力を具体的に盛り込む必要があります。企業のホームページ、採用サイト、インタビュー記事などを読み込み、「貴社の『社員の自律的な成長』を重視する人事理念に共感しました」「貴社が推進している1on1制度を活用した育成方針に魅力を感じています」のように、その企業ならではの制度や方針に言及することで、企業研究の深さと本気度を示せます。
NG例4:ネガティブな転職理由を書いている
「現職では人事異動の希望が通らなかった」「今の職場の人間関係が良くない」「残業が多くて疲れた」といったネガティブな転職理由を志望動機に書くのは、最も避けるべき失敗です。
ネガティブな理由は、「当社でも同じ不満を持つのでは」「問題解決能力が低いのでは」という懸念を抱かせます。特に人事職は、社員の不満や課題に向き合う仕事であるため、ネガティブな姿勢は大きなマイナス評価につながります。
改善ポイント:ポジティブな表現に変換する
ネガティブな転職理由も、表現を変えればポジティブな志望動機に転換できます。「異動の希望が通らなかった」は「より専門性を高めたい」に、「人間関係が良くない」は「チームワークを重視する環境で働きたい」に、「残業が多い」は「効率的な働き方を実現したい」のように言い換えることが重要です。さらに、「貴社では〇〇の制度があり、△△を実現できると感じました」と応募企業の魅力と結びつけることで、前向きな志望動機になります。
人事の志望動機を効果的に伝える3つのコツ
基本的な構成とNG例を理解した上で、さらに志望動機を魅力的にするテクニックを3つ紹介します。これらのコツを取り入れることで、他の応募者との差別化ができます。
– [数字や具体的な成果を入れる](#数字や具体的な成果を入れる) – [企業の人事戦略や課題に触れる](#企業の人事戦略や課題に触れる) – [人事としてのキャリアビジョンを描く](#人事としてのキャリアビジョンを描く)
数字や具体的な成果を入れる
志望動機に説得力を持たせる最も効果的な方法は、具体的な数字や成果を盛り込むことです。「営業で多くの顧客を担当した」ではなく「年間120社の法人顧客を担当した」、「採用活動で貢献した」ではなく「採用手法の見直しにより応募数を前年比150%に増加させた」のように、定量的な実績を示すことで、あなたの能力と貢献度が具体的にイメージできます。
数字を使うことで、抽象的な表現が具体的になり、採用担当者の記憶に残りやすくなります。営業であれば売上や顧客数、事務であれば処理件数や業務効率化の成果、プロジェクトであれば参加人数や期間など、自分の経験の中で数値化できる要素を探してみましょう。
未経験者や新卒の場合でも、「ゼミで30名のメンバーをまとめた」「インターンで50社の企業研究を行った」など、活動の規模を数字で示すことができます。数字は客観的な証拠となり、あなたの実績や努力を裏付ける強力な武器になります。
企業の人事戦略や課題に触れる
企業研究の深さを示すために、応募企業の人事戦略や現在の課題に触れることも効果的です。企業のホームページやIR情報、採用サイト、ニュース記事などから、「事業拡大に伴う採用強化」「ダイバーシティ推進」「働き方改革」「DX人材の育成」など、企業が注力している人事テーマを把握します。
そして、志望動機の中で「貴社が推進している〇〇の取り組みに共感し」「△△という課題に対して、私の××の経験を活かして貢献したい」のように言及することで、単なる興味ではなく、企業の現状を理解した上で応募していることが伝わります。
特に、企業の中期経営計画や人事部門のインタビュー記事などで語られている具体的な施策や方針を引用できると、「この人は本当によく調べている」という印象を与えられます。ただし、表面的な知識だけで語るのではなく、自分の経験や価値観とどう結びつくのかを必ず説明することが重要です。
人事としてのキャリアビジョンを描く
志望動機の最後に、人事としての将来的なキャリアビジョンを具体的に描くことで、長期的なコミットメントと成長意欲を示せます。「まずは採用業務を担当し、3年後には人材育成の企画にも携わり、5年後には組織開発のリーダーとして活躍したい」のように、段階的なキャリアプランを提示します。
ただし、現実離れした野心的すぎるビジョンは逆効果です。応募企業の規模や組織構造、キャリアパスの事例などを参考に、実現可能なビジョンを描くことが重要です。中小企業であれば「人事業務全般を幅広く担当できるゼネラリストを目指す」、大企業であれば「採用・労務・育成のいずれかの領域でスペシャリストを目指す」など、企業の特性に合わせたビジョンを語りましょう。
また、企業が求める人材像や人事部門のビジョンと自分のキャリアビジョンが重なる部分を強調することで、「この人は当社で長く活躍してくれそうだ」という期待を抱かせることができます。ビジョンを語る際は、「〇〇を学びたい」ではなく「〇〇を実現したい」「△△に貢献したい」という能動的な表現を使うことがポイントです。
履歴書・職務経歴書と面接での志望動機の違い
志望動機は、書類選考と面接で求められる詳しさや伝え方が異なります。それぞれの場面に適した表現を理解し、使い分けることが重要です。
– [履歴書・職務経歴書:簡潔に要点をまとめる](#履歴書職務経歴書簡潔に要点をまとめる) – [面接:エピソードを深掘りして話す](#面接エピソードを深掘りして話す)
履歴書・職務経歴書:簡潔に要点をまとめる
履歴書や職務経歴書に記載する志望動機は、簡潔に要点をまとめることが求められます。採用担当者は多くの応募書類に目を通すため、一目で要点が理解できる文章が評価されます。
志望動機欄には、「なぜ人事職か」「なぜこの企業か」「何を貢献できるか」の3つの要素を盛り込み、PREP法に従って結論→理由→展望の順で簡潔に記述します。「貴社の人事職を志望する理由は〇〇です。前職では△△の経験があり、その中で××を実感しました。入社後は▢▢に貢献したいと考えています」という構成で、読みやすさを重視します。
文字数の目安:200〜300字程度
履歴書の志望動機欄は一般的に200〜300字程度が適切です。この文字数であれば、要点を絞りながらも説得力のある内容を記述できます。300字を大幅に超えると、読みづらく要点がぼやけてしまうため、冗長な表現を削ぎ落とし、本質的な内容だけを残すことが重要です。職務経歴書の場合は、400字程度まで増やして、より詳しいエピソードや成果を盛り込むことも可能ですが、長すぎる文章は避けましょう。
面接:エピソードを深掘りして話す
面接では、書類に記載した志望動機をベースに、より詳しいエピソードや具体的な経験を深掘りして話すことが求められます。採用担当者は、「なぜそう考えたのか」「どのような経験があったのか」「どのように貢献できるのか」を詳しく知りたいと考えています。
書類では省略した背景や感情、具体的な行動などを加えて、あなたの人となりや価値観が伝わるように話しましょう。「営業として新人育成を担当した際、最初は教え方がわからず苦労しましたが、一人ひとりの特性に合わせたコミュニケーションを心がけた結果、後輩が成長する姿を見て大きなやりがいを感じました。この経験から、人材育成を専門とする人事職に強い関心を持つようになりました」のように、プロセスや感情を含めたストーリーとして語ることで、説得力が増します。
想定質問と回答例
面接では、志望動機に関連して「なぜ前職ではなく人事なのか」「人事の仕事の大変な部分も理解しているか」「5年後のキャリアプラン」などの質問が投げかけられます。これらの質問には、志望動機で述べた内容と一貫性を保ちながら、より深い理解と覚悟を示す回答を準備しておく必要があります。次のセクションで具体的な答え方を解説します。
面接で深掘りされる質問への準備
面接では、志望動機を語った後に、採用担当者から深掘りの質問が投げかけられます。事前に想定質問への回答を準備しておくことで、自信を持って答えられます。
– [「なぜ前職ではなく人事なのか」への答え方](#なぜ前職ではなく人事なのかへの答え方) – [「人事の仕事で大変なことも多いが大丈夫か」への答え方](#人事の仕事で大変なことも多いが大丈夫かへの答え方) – [「5年後、10年後どうなっていたいか」への答え方](#5年後10年後どうなっていたいかへの答え方)
「なぜ前職ではなく人事なのか」への答え方
この質問は、特に未経験からのキャリアチェンジの場合によく聞かれます。採用担当者は、「現職でも成長できるのに、なぜリスクを取ってまで転職するのか」という本気度を確認しています。
効果的な答え方は、前職での経験が人事への関心につながった経緯を具体的に説明することです。「営業として顧客の課題解決に取り組む中で、最も大きな成果を生んだのは人材の力だと実感しました。特に新人育成を担当した際、個々の成長が組織全体のパフォーマンス向上につながることを目の当たりにし、人材育成を専門とする人事職に強い魅力を感じました。営業として培った傾聴力や課題解決力を活かし、より多くの人材の成長に関わりたいと考えています」のように、前職の経験を活かしつつ、人事でしか実現できないことを明確に示すことが重要です。
「人事の仕事で大変なことも多いが大丈夫か」への答え方
採用担当者は、人事の仕事の厳しさを理解しているか、理想と現実のギャップに耐えられるかを確認するために、この質問をします。安易に「大丈夫です」と答えるだけでは、理解が浅いと判断されてしまいます。
効果的な答え方は、人事の仕事の大変な部分を具体的に理解していることを示した上で、それでも挑戦したい理由を語ることです。「人事の仕事は、社員と経営層の間で板挟みになることや、全員を満足させることが難しい場面もあると理解しています。また、採用では不合格を伝える辛さ、労務では厳しい対応が求められる場面もあると聞いています。それでも、組織全体の成長を支える重要な役割にやりがいを感じますし、公平性と誠実さを持って向き合えば乗り越えられると考えています」のように、現実を理解した上での覚悟を示すことが重要です。
「5年後、10年後どうなっていたいか」への答え方
この質問では、長期的なキャリアビジョンと、企業へのコミットメントを確認されています。曖昧な回答や現実離れしたビジョンではなく、企業の規模や特性に合った具体的なキャリアプランを示すことが重要です。
効果的な答え方は、短期・中期・長期の段階的なビジョンを示すことです。「まず3年間で採用業務の実務を習得し、優秀な人材の獲得に貢献したいと考えています。5年後には人材育成の領域にも携わり、新入社員の研修プログラムの企画・運営を担当したいです。10年後には、採用から育成、組織開発まで幅広い経験を積み、人事部門のリーダーとして戦略的な人材マネジメントを推進する立場を目指しています」のように、段階的で実現可能なビジョンを語ることで、計画性と成長意欲を示せます。
まとめ:人事の志望動機は「なぜ人事か」を具体的に語ることが重要
人事の志望動機で最も重要なのは、「なぜあなたが人事職を志望するのか」を具体的なエピソードとともに語ることです。「人と関わる仕事がしたい」「会社を支える仕事に興味がある」といった抽象的な理由ではなく、これまでの経験の中で人事職に関心を持つきっかけとなった出来事や、人事として実現したいことを明確に示す必要があります。
志望動機を作成する際は、PREP法に基づいた3ステップの構成に従い、「結論(なぜ人事か)→理由と根拠(経験・エピソード)→展望(貢献・ビジョン)」の順で論理的に組み立てましょう。また、応募企業の人事理念や制度、現在の課題などを調査し、「なぜこの企業なのか」を具体的に示すことで、企業研究の深さと本気度をアピールできます。
本記事で紹介した7つの状況別例文を参考に、あなた自身の経験や価値観を盛り込んでカスタマイズしてください。また、NG例で示した失敗パターンを避け、数字や具体的な成果を盛り込むことで、他の応募者との差別化ができます。
履歴書や職務経歴書では簡潔に要点をまとめ、面接ではより詳しいエピソードを深掘りして話すという使い分けも重要です。事前に想定質問への回答を準備しておくことで、面接で自信を持って志望動機を語ることができます。
人事職への転職成功に向けて、この記事で紹介したポイントを参考に、あなただけの説得力のある志望動機を作成してください。具体的で誠実な志望動機は、必ず採用担当者の心に響きます。
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