キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーの違い｜両面型と分業型の比較

公開日: 2025年11月28日更新日: 2025年11月30日

著者: MeTimeキャリア編集部

人材業界への転職を検討する際、キャリアアドバイザー（CA）とリクルーティングアドバイザー（RA）の違いを理解することが重要です。両者は異なる領域を担当し、「両面型」と「分業型」というモデルで働き方や年収が大きく変わります。本記事ではCAとRAの役割の違い、各モデルの特徴、キャリアパスについて解説します。

キャリアアドバイザー（CA）とリクルーティングアドバイザー（RA）の違い

人材紹介ビジネスではCAとRAの対応顧客が異なります。CAは求職者、RAは企業をサポートする専門職です。

CA（求職者担当）の役割
RA（企業担当）の役割

CA（求職者担当）の役割

キャリアアドバイザーは求職者に寄り添い、キャリアの実現を支援します。キャリア棚卸しから求人紹介、書類添削、面接対策、条件交渉まで転職活動全体をサポート。高いヒアリング力と共感力が不可欠で、潜在的なニーズを引き出し適性を見出すコンサルティング能力も重要です。

RA（企業担当）の役割

リクルーティングアドバイザーは企業の採用パートナーとして採用戦略を立案・実行します。新規企業開拓に営業力が求められ、企業のビジネスモデルや業界動向を理解し採用課題を解決する提案が必要です。

両面型と分業型の違い

人材紹介会社は一人が両方担当する「両面型」と、CAとRAが分担する「分業型」があります。

両面型（一人が両方担当）のメリット・デメリット
分業型（CA・RAで役割分担）のメリット・デメリット

両面型（一人が両方担当）のメリット・デメリット

両面型のメリットは双方のニーズを把握でき高精度のマッチングが可能な点です。案件全体を理解しスピーディーに判断でき、インセンティブを一人で獲得。成果次第で年収400万〜1,000万円以上、トップなら1,500万円超も実現可能です。営業からクロージングまで幅広いスキル習得ができます。

デメリットは業務量が多く長時間労働になりやすい点、ワークライフバランスが課題になること、未経験者には習得が難しい点です。

分業型（CA・RAで役割分担）のメリット・デメリット

分業型のメリットは担当領域に集中でき専門性が高まる点です。ワークライフバランスが保ちやすく、未経験者でも段階的にスキルを習得できます。年収は基本給中心で350万〜800万円程度と安定しており安心してスタートできます。

デメリットは全体像把握が難しく連携不足でミスマッチが起きるリスク、インセンティブ分配により両面型ほど高額にならない点です。

年収への影響

両面型と分業型では報酬体系が異なります。

両面型の年収体系
分業型の年収体系

両面型の年収体系

両面型は成果報酬の割合が高くインセンティブをフルに受け取れます。年収400万〜1,000万円以上、トップなら1,500万円超も珍しくありません。成果次第で大きく稼げる反面、実績不足で収入が伸び悩むリスクがあり、自己管理能力と営業力に自信がある方に向いています。詳しくは「【関連記事】：キャリアアドバイザーの年収を徹底分析」をご覧ください。

分業型の年収体系

分業型は基本給の割合が高く安定した収入が得られます。インセンティブはCAとRAで分配され、年収350万〜800万円程度が一般的。未経験からも安心してスタートでき、チーム全体の成果が評価される仕組みがあります。

必要なスキルの違い

CAとRAは求められるスキルセットが異なります。

CAに必要なスキル
RAに必要なスキル

CAに必要なスキル

CAには傾聴力と共感力が不可欠です。求職者の本音を引き出す能力が求められ、強みや適性を見極め最適なキャリアパスを提案するコンサルティング力が必要。人の成長支援にやりがいを感じる方に向いています。キャリアアドバイザーに必要なスキルについては、「【関連記事】：キャリアアドバイザーに向いている人の特徴12選」で詳しく解説しています。

RAに必要なスキル

RAには営業力と交渉力が求められます。新規企業開拓から既存クライアント関係構築まで幅広い営業活動が必要で、企業のビジネスモデルや業界動向を理解する分析力、採用戦略立案と説得力も求められます。

キャリアパスと将来性

両面型でスタートすれば営業からコンサルティングまで幅広い経験を積でき、独立や起業に有利です。分業型でCAとしてスタートした場合は、キャリアコンサルタントとして専門性を深め、企業の人事部門への転身も可能。RAの経験者は採用担当者や人事マネージャーとして活躍する道があります。CAとRAの両方を経験することでマネージャーや事業責任者へのキャリアアップも実現でき、人材業界は需要が高く長期的に安定したキャリアを築ける分野です。

キャリアアドバイザーのキャリア形成について、より詳しく知りたい方は「【関連記事】：キャリアアドバイザーのキャリアパス」をご参照ください。

なお、人材業界への転職を検討中の方は、キャリアアドバイザーと人事との違いについても理解すると役に立ちます。「【関連記事】：キャリアアドバイザーと人事の違い」も合わせてご覧いただき、転職先の選択肢を広げることをお勧めします。また、未経験からの転職を考えている方は「【関連記事】：未経験からキャリアアドバイザーになるには」で具体的なステップを確認できます。