警備員の仕事内容完全ガイド|4つの業務区分と職場環境

警備員の仕事は「警備業法」によって4つの業務区分に分類されており、それぞれ仕事内容や職場環境、必要なスキルが大きく異なります。この記事では、警備職への就職・転職を検討している未経験者の方に向けて、各業務区分の具体的な内容と選び方を分かりやすく解説します。
警備員の4つの業務区分とは
警備業法では、警備業務を4つに分類しています。
1号警備(施設警備)はビルや商業施設などの建物内警備で、求人数が最も多く未経験者向けです。
2号警備(交通誘導・雑踏警備)は工事現場やイベント会場での誘導整理が主で、屋外業務です。
3号警備(運搬警備)は現金や貴重品の輸送を担う特殊な業務です。
4号警備(身辺警護)は要人警護のボディーガード業務で、最も専門性が高い区分です。
自分の適性に合った業務区分を選ぶことが重要です。
1号警備(施設警備)の仕事内容
1号警備は建物や施設の安全を守る業務で、警備員の求人の中で最も多い区分です。未経験者が警備職に就く際の入り口として選ばれることが多く、オフィスビル、商業施設、病院、学校など様々な職場があります。
主な業務内容と職場
1号警備の職場はビル、商業施設、病院、学校、マンションなど多様です。主な業務は巡回業務(不審者・設備異常・火災兆候の発見)、受付・出入管理(来訪者対応、入館証発行)、監視業務(防犯カメラ監視)、緊急時対応(火災や不審者対応)です。より詳細な1号警備の実務については、「【関連記事】:施設警備の仕事内容と年収|未経験からの始め方」を参照してください。
勤務形態と必要なスキル
24時間体制施設では日勤(8:00-17:00)と夜勤(17:00-翌8:00)のシフト制が一般的です。必要なスキルは、コミュニケーション能力、体力、観察力、判断力です。施設警備業務検定(1級・2級)を取得するとキャリアアップにつながります。警備員の実際の勤務パターンについては、「【関連記事】:警備員の1日のスケジュール|施設警備と交通誘導を比較」で詳しく解説しています。
1号警備のメリット・デメリット
メリット:天候に左右されない、求人が多い。デメリット:夜勤での生活リズム調整、足腰の負担。
2号警備(交通誘導・雑踏警備)の仕事内容
2号警備は工事現場やイベント会場での誘導整理が主で、屋外業務中心です。体を動かす仕事を希望する方に適しています。
主な業務内容と職場
交通誘導警備は道路工事現場、建設現場、駐車場などで車両・歩行者を安全に誘導する業務です。雑踏警備はコンサート会場やスポーツイベントなど大規模イベントで人の流れを整理し、高度な状況判断力が必要です。交通誘導警備の詳しい内容については、「【関連記事】:交通誘導警備の仕事|道路工事現場の1日と資格」で詳しく説明しています。
勤務形態と必要なスキル
日勤が中心で、朝8時から夕方17時までの勤務が一般的です。体力が最も重要で、炎天下や寒冷地での屋外業務は相当な体力が必要です。コミュニケーション能力と状況判断力も重視されます。交通誘導警備業務検定(1級・2級)を取得すると責任ある現場を任されるようになります。
2号警備のメリット・デメリット
メリット:求人数が多い、日勤中心で規則正しい生活が可能。デメリット:天候の影響、足腰の負担。
3号警備(運搬警備)の仕事内容
3号警備は現金や貴重品の輸送を担う特殊な警備業務で、責任の重い仕事です。
主な業務内容と職場
現金輸送は銀行や企業から現金を回収し金融機関へ輸送する業務で、2名以上のチームで行います。ATM管理業務はコンビニや商業施設のATM現金補充・回収・機器メンテナンスです。貴重品輸送では美術品や重要書類などを安全に輸送し、すべての業務で厳格なセキュリティ手順に従った作業が必須です。3号警備は1号・2号警備よりも給与水準が高いため、年収面での詳細については「【関連記事】:警備員の年収を徹底分析|平均給与・業務別・年齢別」も参考にしてください。
勤務形態と必要な資格・スキル
日勤が中心で、スケジュールは比較的決まっていますが、早朝や夜間業務がある場合もあります。普通自動車運転免許が必須で、大型車は大型免許が必要です。チームワークと正確性・責任感が最も重要です。貴重品運搬警備業務検定を取得すると責任ある立場を任されます。
4号警備(身辺警護)の仕事内容
4号警備はボディーガードやSPと呼ばれる身辺警護業務で、最も高度な専門性が求められます。
主な業務内容と職場
要人警護は政治家や企業経営者などの身辺を警護し、移動ルート確認や周囲警戒を行います。企業役員の警護では日常的な移動から海外出張まで幅広い場面を担当します。イベント時のVIP警護ではコンサートやスポーツイベントで著名人を警護します。常に潜在的な危険を事前に察知する必要があります。ボディーガード業務の詳細については、「【関連記事】:身辺警護(ボディガード)の仕事|高年収4号警備」を参照してください。
高い専門性と必要な資格・スキル
最も高度な訓練と経験が必要で、多くは警察・自衛隊出身者です。身辺警護業務検定(1級・2級)と実戦的訓練が必須です。武道・格闘技の経験(柔道、剣道など)、高度な状況判断力、危機管理能力、語学力が求められます。給与水準は最も高いですが、責任も大きいです。
自分に合った警備業務の選び方
4つの業務区分を理解したところで、自分に合った警備業務の選び方を解説します。
業務区分別の特徴比較
1号警備は体力的負担が少なく天候に左右されず、求人が多く年齢制限が緩やかです。給与は平均的ですが、夜勤手当で増やせます。
2号警備は日勤中心で生活リズムを保ちやすく、求人数が非常に多い反面、体力が必要で天候の影響を受けます。
3号警備は運転免許が必須で、給与水準が高く、日勤中心で規則正しい生活が可能ですが、責任は重いです。
4号警備は給与が最も高い反面、警察・自衛隊経歴や武道経験がほぼ必須で、未経験からのスタートは困難です。各業務の給与比較については、「【関連記事】:警備員の年収を徹底分析|平均給与・業務別・年齢別」を参照してください。
未経験から始める場合の推奨ステップ
1号警備または2号警備からのスタートをおすすめします。屋内勤務で体力に自信がない方は1号警備、体を動かしたい方は2号警備が適しています。
新任教育で基本を習得し、実務経験を積みながら各業務の検定2級取得を目指しましょう。資格と現場経験で3号警備へのキャリアアップが可能です。4号警備を目指す場合は、1号・2号での経験後に専門的訓練が必要です。警備職が自分に向いているかどうかを判断したい方は、「【関連記事】:警備員に向いている人・向いていない人|適性診断」も参考にしてください。
まとめ:警備員の仕事内容を理解して最適な選択を
警備員の仕事は警備業法によって4つの業務区分に分類され、それぞれ業務内容と必要なスキルが大きく異なります。自分の適性に合った区分を選ぶことが重要です。
未経験から警備職を始める場合は、1号警備または2号警備からのスタートをおすすめします。実務経験を積み資格を取得することで、3号警備や4号警備へのキャリアアップも可能です。この記事で紹介した4つの業務区分の特徴を理解し、自分に最適な警備業務を選択してください。
警備職の基礎知識
仕事内容と勤務形態
- 施設警備の仕事内容と年収|未経験からの始め方
- 交通誘導警備の仕事|道路工事現場の 1 日と資格
- 身辺警護(ボディガード)の仕事|高年収 4 号警備
- 警備員の 1 日のスケジュール|施設警備と交通誘導を比較
- 警備員の勤務形態を解説| 24 時間交代制・夜勤の実態
給与・待遇
資格・スキル
- 警備業務検定とは| 6 種類の資格と取得方法を完全解説
- 施設警備 2 級資格の取得方法|未経験から合格する対策
- 交通誘導警備 2 級の資格|実技試験の内容と合格のコツ
- 警備員指導教育責任者になるには|必須資格を徹底解説
- 警備業務管理者の資格と役割|営業所責任者の条件
転職ガイド
- 未経験から警備員になる完全ガイド|採用条件・研修制度
- 警備員の志望動機の書き方|未経験者向け例文とポイント
- 警備員の面接対策|よく聞かれる質問と回答例を完全網羅
- 警備会社の選び方|大手と中小・ホワイト企業の見分け方
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