事務職の年収|年代・職種・男女別の完全分析

事務職への転職を検討中の方、あるいは現在の年収が妥当なのか知りたい方にとって、信頼できる年収データは欠かせません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、事務職の平均年収は343万円〜489万円と幅広く分布しており、年代や職種、雇用形態で大きく異なるのが実態です。
本記事では統計データに基づいて事務職の年収を年代別・職種別・男女別に詳しく分析し、自分の年収の妥当性を判断し、キャリア戦略を立てるための材料を提供します。
事務職の平均年収データ【最新統計】
– [正社員とパート・派遣の年収比較](#正社員とパート派遣の年収比較)
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、事務職全体の平均年収は約380万円です。ただしこれは正社員・派遣社員・パート社員を含めた平均値で、雇用形態や企業規模による差が大きいのが実態です。
正社員に限定すると平均年収は約410万円〜450万円で、月収は25万円〜28万円が中央値。これにボーナス(年間2〜3ヶ月分)が加算される形です。
年収分布を見ると、最多が300万円〜350万円ゾーン(約30%)。次いで350万円〜400万円が25%、400万円〜450万円が20%で、500万円超は15%程度です。
正社員とパート・派遣の年収比較
雇用形態で大きな年収差が生じます。正社員の410万円に対し、派遣社員は約280万円、パート・アルバイトは約180万円と、100万円以上の開きがあります。
派遣社員は時給1,400円〜1,600円が相場で、フルタイム(月160時間)でも年収280万円〜310万円が上限。ボーナスがないため、正社員との差は100万円超になります。ただし経理事務や貿易事務など専門性が高い職種は時給2,000円以上となり、年収350万円程度も可能です。
パート・アルバイトは時給1,000円〜1,200円で、週4日・1日6時間勤務なら年収150万円〜180万円。扶養控除内で働く主婦が中心のため、労働時間を調整しているケースが多いのが特徴です。
年代別の年収推移と特徴
– [20代事務職の年収(新人〜若手期)](#20代事務職の年収新人若手期) – [30代事務職の年収(中堅期)](#30代事務職の年収中堅期) – [40代・50代事務職の年収(ベテラン期)](#40代50代事務職の年収ベテラン期)
事務職の年収は年齢とともに上昇しますが、他職種と比べると上昇幅は緩やかです。20代から50代までの年代別特徴を見ていきましょう。
20代事務職の年収(新人〜若手期)
20代前半(22歳〜25歳)の平均年収は280万円〜320万円。初任給は月給18万円〜20万円が相場で、年収270万円〜300万円からのスタートです。
20代後半(26歳〜29歳)は平均年収が320万円〜360万円に上昇します。3年〜5年の経験で月給が2万円〜3万円程度アップし、ボーナスも増額されるためです。ただしこの年代の昇給は年3,000円〜5,000円程度と控えめです。
20代で年収400万円を超えるには、経理事務や人事事務への職種転換、または大手企業への転職が必要。中小企業の一般事務と大手企業の専門事務では100万円以上の年収差が生じることも珍しくありません。(【関連記事】:20代で事務職に転職|未経験から成功する秘訣と体験談)
30代事務職の年収(中堅期)
30代前半(30歳〜34歳)は360万円〜400万円、30代後半(35歳〜39歳)は380万円〜420万円。この年代は主任やリーダーなどの役職で年収が大きく変わります。
役職なしなら30代後半でも年収380万円〜400万円で頭打ちになることが多いです。一方、主任職で420万円〜450万円、課長補佐なら450万円〜500万円に到達します。
30代は事務職としてのキャリアの分岐点です。経理や人事のスペシャリストを目指すか、管理職ルートに進むかで、40代以降の年収が大きく変わります。資格取得や業務範囲の拡大が重要な時期です。(【関連記事】:30代で事務職に転職|未経験でも成功する現実的な戦略)
40代・50代事務職の年収(ベテラン期)
40代の平均年収は400万円〜450万円、50代は420万円〜480万円。ただしこの年代は年収格差が極めて大きく、役職の有無で200万円以上の差が生じます。
管理職(課長以上)に昇進すれば、40代は500万円〜600万円、50代は550万円〜650万円が期待できます。部門長クラスなら700万円超も珍しくありません。
一般職のままなら年収は400万円前後で停滞します。年功序列昇給も限定的で、50代後半は年収が下がる企業も多いです。この年代で年収を維持・向上させるには、専門資格や豊富な業務経験を活かした転職も選択肢となります。(【関連記事】:40代・50代で事務職に転職|未経験でも可能性はある?)
職種別の年収ランキング
– [一般事務の年収と業務内容](#一般事務の年収と業務内容) – [営業事務の年収と業務内容](#営業事務の年収と業務内容) – [経理事務の年収と業務内容](#経理事務の年収と業務内容)
事務職は職種によって年収が大きく異なります。専門性が高い職種ほど年収水準も高くなる傾向です。
一般事務の年収と業務内容
一般事務の平均年収は320万円〜380万円で、事務職の中では最も年収水準が低い職種。ただし求人数が最も多く、未経験からでも就業しやすいメリットがあります。
業務は書類作成・整理、データ入力、電話対応、来客対応などオフィスワークの基本業務が中心。特別な資格や専門知識を不要とするため、新卒や未経験者の入り口として機能しています。
年収アップなら、同じ企業内で経理事務や人事事務に異動することで50万円〜100万円のアップが見込めます。一般事務で基本スキルを身につけた後、専門性の高い職種へステップアップする戦略が有効です。
営業事務の年収と業務内容
営業事務の平均年収は350万円〜420万円で、一般事務より20万円〜40万円高い水準。営業部門のサポート業務という専門性が評価されます。
具体的には受発注処理、見積書・請求書作成、顧客データ管理、営業スケジュール調整などを担当。営業チームの一員として売上に貢献し、業績連動インセンティブが支給される企業も多いです。
高年収を実現するには業界選びが重要。不動産業界や金融業界なら年収450万円〜500万円も狙えます。英語力があれば貿易事務や海外営業事務として年収500万円超も可能。営業数値への理解力と正確な事務処理能力が求められます。
経理事務の年収と業務内容
経理事務の平均年収は380万円〜480万円で、事務職の中では最も年収水準が高い職種。専門知識と資格が必要とされるため、人材の希少性が年収に反映されています。
業務は仕訳入力、月次決算、年次決算補助、支払・入金管理、税務申告書類作成などです。簿記2級以上の資格が求められることが多く、税理士補助や財務分析まで担当できると年収500万円以上も視野に入ります。
キャリアを積めば40代で年収500万円〜600万円、経理マネージャーや財務担当者なら年収700万円超も可能。ただし日商簿記1級や税理士科目合格など継続的な学習と資格取得が必要です。専門性を高めることで、事務職の中では最も高い年収水準を実現できます。(【関連記事】:事務職に役立つ資格|おすすめ7選とMOS・簿記・ITパスポート比較)
男女別の年収格差とその要因
– [データで見る男女の年収差](#データで見る男女の年収差) – [年収格差が生まれる3つの理由](#年収格差が生まれる3つの理由)
事務職は女性比率が高い職種ですが、男女間の年収格差は依然として存在します。その実態と構造的要因を見ていきましょう。
データで見る男女の年収差
厚生労働省の統計によると、事務職の平均年収は男性が約450万円、女性が約340万円で、約110万円(約24%)の格差があります。これは全職種平均の約22%とほぼ同水準です。
年代別では20代は男性360万円・女性320万円の40万円差。30代は男性420万円・女性350万円で70万円、40代は男性500万円・女性380万円で120万円と、年齢を重ねるほど格差が拡大します。
ただし同一企業内で同じ職種・同じ勤続年数なら、男女の基本給に大きな差はありません。格差は役職、勤続年数、雇用形態の違いが主な要因です。
年収格差が生まれる3つの理由
第一は管理職比率の違いです。事務職の管理職(課長以上)の女性割合は約15%に過ぎず、男性の35%と大きな差があります。管理職で年収100万円以上アップするため、昇進格差が年収差に直結しています。
第二は勤続年数の差です。女性は結婚・出産で退職するケースが多く、平均勤続年数は男性12年に対し女性8年です。年功序列制度では勤続年数の差がそのまま年収差になります。
第三は雇用形態の違いです。正社員比率は男性85%に対し女性65%で、派遣やパート勤務の女性が多いのが実態です。育児との両立のため短時間勤務や非正規雇用を選択する女性が多く、これが平均年収を押し下げています。ただし近年は男女雇用機会均等法や女性活躍推進法により、同一労働同一賃金の原則が広がり、格差は縮小傾向です。
業界別・企業規模別の年収比較
– [年収が高い業界トップ5](#年収が高い業界トップ5) – [企業規模による年収の違い](#企業規模による年収の違い)
同じ事務職でも業界や企業規模で年収は大きく変わります。業界選びと企業規模は年収を左右する重要な要素です。
年収が高い業界トップ5
第1位は金融業界で、事務職の平均年収は約480万円。銀行、証券会社、保険会社などは福利厚生が充実し、40代で年収600万円以上も珍しくありません。
第2位は情報通信業界で平均年収約450万円。IT企業やWebサービス企業は事務職でも年収水準が高く、企業によっては株式報酬制度も設けています。
第3位は製造業(メーカー)で平均年収約430万円。大手自動車メーカーや電機メーカーなら事務職でも年収500万円超が期待できます。第4位は商社・卸売業(約410万円)、第5位は不動産業(約400万円)です。
一方年収が低い業界は飲食サービス業(約310万円)、小売業(約320万円)、医療・福祉(約330万円)など。同じ事務職でも業界選びで100万円以上の差が生じるため、転職時の業界研究は重要です。
企業規模による年収の違い
企業規模による年収差も顕著です。従業員数1,000人以上の大企業は事務職の平均年収約450万円ですが、100人未満の中小企業は約330万円と、120万円の差があります。
大企業は基本給が高いうえ、ボーナスが年間4〜5ヶ月分、住宅手当・家族手当などの福利厚生が充実していることが年収を押し上げます。退職金制度や企業年金も整備されており、長期的な収入面でも有利です。
中小企業は基本給が大企業の8割程度で、ボーナスも年間1〜2ヶ月分と少額。ただし業績好調な企業や専門性が高い職種なら、大企業並みの年収も可能です。企業規模だけでなく業績や成長性も含めて検討することが重要です。
事務職で年収を上げる5つの方法
– [資格取得で専門性を高める](#資格取得で専門性を高める) – [職種転換で年収の高い事務職へ](#職種転換で年収の高い事務職へ) – [業界・企業規模の変更を検討する](#業界企業規模の変更を検討する)
事務職の年収を上げるには戦略的なアプローチが必要です。実現可能な3つの方法を紹介します。
資格取得で専門性を高める
最も確実な方法は資格取得による専門性の向上です。日商簿記2級を取得すれば一般事務から経理事務への職種転換が可能になり、年収が50万円〜80万円アップします。簿記1級や税理士科目合格なら年収500万円以上も視野に入ります。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)Expertレベルは事務職の基礎力を証明する資格として評価されます。社会保険労務士なら人事事務や労務管理の専門職として年収600万円以上も可能です。
TOEIC700点以上の英語力があれば貿易事務や外資系企業の事務職として年収450万円〜550万円が期待できます。資格取得には時間と費用がかかりますが年収への影響は大きく、投資対効果の高い方法です。詳しい資格学習戦略については、(【関連記事】:事務職に役立つ資格|おすすめ7選とMOS・簿記・ITパスポート比較)も参考にしてください。
職種転換で年収の高い事務職へ
同じ事務職でも職種を変えることで年収アップが可能です。一般事務から営業事務へ転換すれば年収30万円〜50万円、経理事務へなら50万円〜100万円のアップが見込めます。
人事事務や法務事務も専門性が高く評価される職種です。人事事務では給与計算、社会保険手続き、採用業務を担当し年収400万円〜500万円が相場。法務事務では契約書管理、訴訟対応補助などで年収450万円〜550万円が期待できます。
職種転換は社内異動と転職の2つの方法があります。社内異動なら研修を受けられることが多くリスクが低いのがメリット。転職なら前職経験と新職種への意欲をアピールすることで年収アップを交渉できます。(【関連記事】:事務職でキャリアアップ|昇進・年収アップの実践ガイド)
業界・企業規模の変更を検討する
年収水準の高い業界や大企業への転職も有効です。小売業から金融業界へ転職すれば同じ事務職でも年収が100万円以上アップすることがあります。
中小企業から大企業への転職は基本給上昇だけでなくボーナスや福利厚生の充実で、実質的な年収が150万円以上増えるケースもあります。ただし大企業への転職は競争率が高いため、資格やスキルを磨いておくことが重要です。
また成長業界への転職もチャンス。IT業界やDX推進企業では事務職でもデジタルスキルを持つ人材への需要が高く、年収400万円〜500万円の求人が増えています。業界の成長性と自分のスキルを掛け合わせることで年収アップの可能性が広がります。(【関連記事】:AI時代の事務職|将来性と生き残るキャリア戦略)
まとめ:事務職の年収を正しく理解してキャリアを築く
事務職の平均年収は343万円〜489万円と幅広く、年代・職種・雇用形態・業界・企業規模で大きく異なります。20代は280万円からスタートし40代・50代は400万円〜480万円に上昇しますが、一般事務のまま一般職で過ごすと年収は頭打ちになります。
職種別では経理事務が380万円〜480万円と最も高く、次いで営業事務、一般事務の順。業界別では金融業界、IT業界、製造業が高年収で、企業規模では大企業が中小企業より120万円程度高い水準です。
年収アップは資格取得による専門性の向上、専門事務への職種転換、高年収業界・大企業への転職が有効。特に簿記資格やTOEICなどの資格取得は投資対効果が高い方法です。
自分の現在の年収が適正かを判断し、今後のキャリア戦略を立てる材料として、この記事のデータを活用してください。事務職でも戦略的にキャリアを築くことで年収500万円以上を実現することは十分に可能です。
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