不動産営業の1日の流れ|内勤・外勤別のリアルなスケジュールを公開

不動産営業への転職を考えているけれど、実際の1日がどんな流れなのか気になりますよね。不動産営業には大きく分けて内勤(カウンターセールス)と外勤(訪問営業)の2つのタイプがあり、それぞれ働き方が大きく異なります。
この記事では、賃貸仲介や来店型営業を担当する内勤と、売買仲介や法人営業を担当する外勤、それぞれの1日のスケジュールを時系列で詳しく解説します。残業時間や休憩の取り方など、リアルな働き方の実態も紹介しますので、自分にどちらの働き方が合っているか判断する参考にしてください。なお、不動産営業の具体的な仕事内容については「【関連記事】:不動産営業の仕事内容とは|販売・賃貸・売買仲介の違いと1日の流れ」も参考になります。
不動産営業の1日の流れ【内勤(カウンターセールス)編】
内勤の不動産営業は、主に店舗で来店されたお客様に対応するカウンターセールス型の営業スタイルです。賃貸仲介や新築マンションのモデルルーム販売などが代表的で、基本的には店舗を拠点に業務を行います。ここでは、賃貸仲介営業を例に、開店から閉店まで1日の流れを見ていきましょう。
- 9:00-10:00 出社・朝礼・店舗準備
- 10:00-13:00 来店対応・物件案内
- 13:00-14:00 昼休憩(交代制)
- 14:00-18:00 契約業務・事務作業
- 18:00-20:00 来店ピークタイム対応
- 20:00-21:00 事務処理・翌日準備
9:00-10:00 出社・朝礼・店舗準備
出社後、まず店舗の開店準備を行います。清掃や看板の設置、物件資料の整理などを済ませたら、朝礼で当日の予約状況や新着物件情報を共有します。前日の引継ぎ事項を確認し、物件データベースの更新をチェックして、来店されるお客様にスムーズに対応できる体制を整えます。メールやLINEでの問い合わせにも返信し、10時の開店に備えます。
10:00-13:00 来店対応・物件案内
開店とともに、来店されたお客様への対応がスタートします。予約のお客様はもちろん、飛び込みで来店される方も多い時間帯です。お客様の希望条件をヒアリングし、物件検索システムで最適な物件を提案します。気に入った物件があれば、すぐに内見へご案内。通常、午前中は1〜2組のお客様対応を行いながら、合間に電話やメールでの問い合わせにも対応します。内見は1件あたり30分程度で、移動時間を含めると1組のお客様に1時間半〜2時間程度かかります。
13:00-14:00 昼休憩(交代制)
店舗は営業を続けるため、スタッフが交代で休憩を取ります。来店が少ないタイミングを見計らって30分〜1時間程度休憩し、近くのコンビニや飲食店で食事をとります。ただし、お客様の来店状況によっては休憩を中断することもあるため、完全に業務から離れられるわけではありません。スマホで物件情報を確認したり、お客様からの連絡に対応したりすることもあります。
14:00-18:00 契約業務・事務作業
午後は申込みを受けた物件の審査手続きや契約書の準備を行います。入居審査に必要な書類をお客様から受け取り、管理会社や保証会社に提出。審査が通れば契約日の調整を行います。また、来店の予約対応や物件オーナーへの報告、物件情報の更新作業なども並行して進めます。この時間帯も飛び込みの来店があれば優先的に対応するため、デスクワークと接客を柔軟に切り替える必要があります。
18:00-20:00 来店ピークタイム対応
仕事帰りのお客様が多く来店される、1日で最も忙しい時間帯です。平日は特にこの時間帯に来店が集中し、複数のお客様を同時に対応することも珍しくありません。内見の予約が入っていれば案内に出かけ、戻ったらまた次のお客様に対応するというペースの早い時間帯です。店舗によっては20時や21時まで営業しているため、閉店まで気を抜けません。
20:00-21:00 事務処理・翌日準備
閉店後は、当日の対応記録を顧客管理システムに入力し、日報を作成します。また、翌日の予約確認や、追客が必要なお客様へのフォロー連絡も行います。契約関連の書類整理や、物件オーナーへの報告メールなど、日中にできなかった事務作業を片付けます。繁忙期には22時近くまで残業することもありますが、通常は21時頃には退社できることが多いです。内勤営業の場合、「【関連記事】:賃貸仲介と売買仲介の違いを徹底比較|仕事内容・年収・難易度の全て」で詳しく説明しているように、賃貸仲介ならではの業務パターンがあります。
不動産営業の1日の流れ【外勤(訪問営業)編】
外勤の不動産営業は、積極的にお客様を訪問して提案を行う営業スタイルです。売買仲介や投資用不動産、法人向けの事業用物件営業などが該当します。内勤と比べて自分でスケジュールを組み立てる裁量が大きく、外出が多いのが特徴です。ここでは、売買仲介営業を例に1日の流れを見ていきましょう。
- 8:30-9:30 出社・朝礼・営業準備
- 9:30-12:00 午前の訪問営業
- 12:00-13:00 昼休憩・移動時間
- 13:00-17:00 午後の訪問営業
- 17:00-18:00 帰社・事務処理
- 18:00-19:00 商談・契約業務
8:30-9:30 出社・朝礼・営業準備
内勤より30分早く出社するのが一般的です。朝礼で営業目標の進捗や新着物件情報を共有したら、当日のアポイント内容を確認します。訪問先ごとに提案資料やパンフレット、タブレット端末などを準備し、効率的な訪問ルートを計画。新規開拓リストのチェックや、既存顧客へのフォロー電話も午前中のアポイント前に済ませます。準備が整ったら9時半頃には営業車で外出します。
9:30-12:00 午前の訪問営業
事前にアポイントを取った顧客を訪問します。住宅購入を検討している個人のお客様であれば、ご自宅や喫茶店で面談し、希望条件のヒアリングや物件提案を行います。気に入っていただけた物件があれば、その場で現地見学の日程調整をします。法人営業であれば、企業のオフィスを訪問し、事業用物件や投資物件の提案を行います。午前中は通常2〜3件の訪問をこなし、合間に新規開拓の飛び込み営業を行うこともあります。
12:00-13:00 昼休憩・移動時間
外出先の近くで昼食をとります。営業車の中でコンビニ弁当を食べたり、近くのファミレスで食事をしながら午後の訪問ルートを確認したりします。この時間に顧客からの電話やメールに対応し、次の訪問先への移動も行います。内勤のように決まった場所で休憩できないため、効率的に時間を使う必要があります。
13:00-17:00 午後の訪問営業
午後も引き続き顧客訪問を行います。新規顧客へのアプローチに加えて、既に物件を案内した顧客のフォロー訪問も重要な業務です。また、物件の現地調査や周辺環境のチェックも行います。売主からの依頼があれば、売却物件の査定のために現地を訪問し、物件の状態や立地条件を確認します。午後も2〜3件の訪問が標準的で、移動時間を含めると17時頃まで外出していることが多いです。
17:00-18:00 帰社・事務処理
帰社後は、1日の訪問記録を顧客管理システムに入力します。商談内容や顧客の反応、次回アクションなどを詳細に記録し、チーム内で情報共有します。また、見積書や提案書の作成、物件資料の準備なども行います。翌日以降のアポイント調整や、新規顧客へのアプローチリスト作成など、営業活動の準備もこの時間に行います。
18:00-19:00 商談・契約業務
帰社後の時間帯に、お客様が来社されて商談を行うこともあります。物件の契約手続きや重要事項説明、ローンの相談対応などを行います。契約が決まった案件については、銀行や司法書士との調整も必要です。また、明日の訪問準備を完了させ、営業日報を提出して退社します。繁忙期や契約が立て込んでいる時期は20時頃まで残業することもありますが、通常は19時前後には帰宅できます。外勤営業については「【関連記事】:未経験から不動産営業に転職する完全ガイド|成功のポイントと注意点」で、転職前に知っておくべき情報をまとめています。
不動産営業のスケジュールで知っておくべきポイント
内勤・外勤それぞれの1日の流れを見てきましたが、ここからは不動産営業全体に共通する勤務時間や働き方の実態について解説します。転職を考える際に必ず確認しておきたいポイントをまとめました。
実際の残業時間と働き方改革の影響
不動産営業の平均残業時間は月20〜40時間程度が一般的です。ただし、繁忙期の1〜3月は月50時間を超えることもあります。近年は働き方改革の影響で、多くの企業が残業時間の削減に取り組んでいます。ノー残業デーの設定や、20時以降の残業禁止などのルールを設けている会社も増えています。ただし、顧客対応が優先される業界のため、急な残業が発生することは避けられません。ワークライフバランスを重視する企業を選ぶことが大切です。詳しくは「【関連記事】:不動産営業の残業時間と休日の実態|ワークライフバランスは取れる?」で、より詳細な勤務実態を紹介しています。
休日の取り方とシフト制の実態
不動産営業の多くは週休2日制ですが、水曜日と日曜日、または火曜日と水曜日など、平日を含むシフト制が一般的です。土日は顧客の来店や内見が多いため、基本的に出勤となります。ただし、最近は働き方の多様化により、完全週休2日制や土日休みのポジションも増えています。代休はしっかり取得できる会社が多いですが、繁忙期は休日出勤が続くこともあるため、入社前に休暇制度を確認することをおすすめします。
繁忙期・閑散期のスケジュールの違い
不動産業界には明確な繁忙期と閑散期があります。1月〜3月は転勤や進学に伴う引っ越しシーズンで、最も忙しい時期です。この時期は連日22時頃まで残業することも珍しくなく、休日出勤も増えます。一方、7月〜8月の夏季は閑散期で、比較的ゆとりを持って働けます。定時退社できる日も多く、有給休暇も取りやすい時期です。9月〜10月の秋も転勤シーズンでやや忙しくなりますが、春ほどではありません。
効率的な時間管理のコツ
不動産営業で効率的に働くには、タスクの優先順位付けが重要です。契約に直結する顧客対応を最優先し、事務作業は隙間時間に処理します。また、顧客管理システムを活用して、フォローが必要な顧客を見逃さないようにしましょう。外勤の場合は、訪問ルートを事前に計画し、移動時間のロスを最小限に抑えることが大切です。さらに、テンプレートを活用して提案書作成の時間を短縮したり、チーム内で情報共有して重複作業を避けたりする工夫も効果的です。転職前に「【関連記事】:不動産営業に向いている人の8つの特徴|適性診断と成功する人の共通点」で自分の適性を確認し、自分に合った働き方を選ぶこともおすすめします。
まとめ:不動産営業の1日を理解して自分に合った働き方を見つけよう
不動産営業の1日は、内勤と外勤で大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、自分の性格や希望するキャリアに合った働き方を選ぶことが、長く活躍するための第一歩です。ここでは、どちらのタイプが自分に向いているか判断するポイントと、転職前に確認すべき条件をまとめます。
内勤・外勤それぞれに向いている人の特徴
内勤が向いているのは、お客様との対面コミュニケーションが得意で、じっくり話を聞きながら提案できる人です。店舗での接客が中心なので、安定した環境で働きたい方に適しています。一方、外勤が向いているのは、主体的に行動し、自分でスケジュールを組み立てるのが好きな人です。積極的な営業活動が求められるため、チャレンジ精神が強く、外出が苦にならない方に向いています。また、大きな案件を扱いたい、高収入を目指したいという方は外勤の方が可能性が広がります。
転職前に確認すべき勤務条件
不動産営業への転職を決める前に、必ず以下の点を確認しましょう。まず、勤務時間と残業の実態です。求人票に記載されている勤務時間だけでなく、面接で実際の平均退社時刻や繁忙期の働き方を質問することが大切です。次に、休日制度とシフトの組み方を確認します。完全週休2日制なのか、シフト制なのか、代休は取得しやすいかなどを聞いておきましょう。また、給与体系も重要です。固定給と歩合給のバランス、インセンティブの仕組みを理解し、安定収入が見込めるか判断してください。これらの条件をしっかり確認することで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
🚀 未経験転職
📋 仕事内容・業務理解
💰 年収・待遇
📊 仕事の実態・課題
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✅ 適性・自己判断
📚 資格・スキル
📝 転職活動準備
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