インフラエンジニアの1日の流れを徹底解説|運用・構築・設計の働き方とスケジュール

インフラエンジニアの1日の流れは、担当する業務内容によって大きく異なります。システムの運用・保守を担当するのか、サーバーやネットワークの構築を担当するのか、あるいはインフラの設計を担当するのかによって、仕事の進め方や働き方は大きく変わってきます。
この記事では、インフラエンジニアの1日のスケジュールを「運用・保守担当」「構築担当」「設計担当」の3つに分けて詳しく解説します。それぞれの業務内容や働き方の特徴を理解することで、自分に合ったキャリアパスを見つける参考にしてください。
インフラエンジニアの1日のスケジュール【運用・保守担当編】
運用・保守を担当するインフラエンジニアは、既存のシステムやサーバーを安定稼働させることが主な仕事です。システム監視、障害対応、定期メンテナンスなど、ITインフラの「守り」を担う重要な役割を果たします。夜勤シフトや24時間365日の監視体制が求められることも多く、勤務形態が多様なのが特徴です。
– [9:00 出社・メールチェック・申し送り確認](#900-出社メールチェック申し送り確認) – [10:00 定常監視・バックアップ確認](#1000-定常監視バックアップ確認) – [12:00 昼休憩](#1200-昼休憩) – [13:00 障害対応・インシデント管理](#1300-障害対応インシデント管理) – [15:00 定期メンテナンス作業](#1500-定期メンテナンス作業) – [17:00 報告書作成・引き継ぎ準備](#1700-報告書作成引き継ぎ準備) – [18:00 退勤(夜勤シフトの場合は継続)](#1800-退勤夜勤シフトの場合は継続)
9:00 出社・メールチェック・申し送り確認
出社後、まず前日からの申し送り事項をチェックします。夜勤担当者からの引き継ぎメールや、深夜に発生したアラート、実施された作業内容などを確認し、システムの現状を把握します。メールチェックでは、顧客からの問い合わせや社内からの作業依頼も確認し、当日の優先タスクを整理します。運用チームでは朝のミーティングを行い、当日の作業予定や注意事項を共有することが一般的です。
10:00 定常監視・バックアップ確認
システム監視ツールを使って、サーバーやネットワーク機器の状態を確認します。CPU使用率、メモリ使用率、ディスク容量、ネットワークトラフィックなどのリソース状況をチェックし、異常がないかを監視します。また、前日夜間に実行されたバックアップジョブの成否を確認し、失敗している場合は原因を調査して再実行を行います。ログファイルも定期的にチェックし、エラーメッセージや警告が出ていないかを確認します。
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12:00 昼休憩
昼休憩は交代制で取ることが多く、システム監視が途切れないよう配慮します。緊急の障害発生に備えて、休憩中でも連絡が取れる体制を整えておくことが重要です。
13:00 障害対応・インシデント管理
システム障害やアラートが発生した場合は、迅速に原因を特定して対応します。ログ解析、サーバーの再起動、設定変更など、状況に応じた対処を行います。自分で解決できない場合は、上位エンジニアや担当ベンダーにエスカレーションします。障害対応後は、インシデントレポートを作成し、発生原因、対処内容、再発防止策を記録します。この記録は後の改善活動や、同様の障害が発生した際の対応マニュアルとして活用されます。
15:00 定期メンテナンス作業
定期メンテナンス作業として、OSのセキュリティパッチ適用、ログローテーション、ディスク容量の確認と不要ファイルの削除などを行います。これらの作業は計画的に実施し、システムへの影響を最小限に抑えるため、事前に顧客への通知や承認取得を行います。また、監視ツールの設定変更や、新しい監視項目の追加なども、この時間帯に実施します。
17:00 報告書作成・引き継ぎ準備
当日実施した作業内容を日報にまとめ、障害対応の記録や気づいた点を報告書に記載します。夜勤担当者への申し送り事項がある場合は、詳細に引き継ぎメールを作成します。未解決の問題や、翌日に持ち越す作業がある場合は、その内容と現状を明確に記録しておきます。チームメンバーとの情報共有も重要で、共有フォルダやチャットツールで情報を共有します。
18:00 退勤(夜勤シフトの場合は継続)
日勤の場合は、引き継ぎを完了して退勤します。夜勤シフトの場合は、日勤者からの引き継ぎを受けて、夜間のシステム監視業務を継続します。夜勤では、バッチ処理の監視やバックアップジョブの確認が中心となり、緊急の障害発生に備えて待機します。夜勤明けは、朝の日勤者への引き継ぎを行った後に退勤します。
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インフラエンジニアの1日のスケジュール【構築担当編】
サーバーやネットワークの構築を担当するインフラエンジニアは、プロジェクトベースで動くことが多く、設計書に基づいてシステムを実際に構築する役割を担います。新規システムの立ち上げや既存システムのリプレイス、拡張作業などが主な業務です。
– [9:00 出社・朝会・タスク確認](#900-出社朝会タスク確認) – [10:00 構築作業(サーバー設定・ネットワーク設定)](#1000-構築作業サーバー設定ネットワーク設定) – [12:00 昼休憩](#1200-昼休憩-1) – [13:00 テスト・動作確認](#1300-テスト動作確認) – [15:00 ドキュメント作成・パラメータシート更新](#1500-ドキュメント作成パラメータシート更新) – [17:00 進捗報告・チーム共有](#1700-進捗報告チーム共有)
9:00 出社・朝会・タスク確認
出社後、チームで朝会(スタンドアップミーティング)を行い、各メンバーの進捗状況や当日のタスクを共有します。プロジェクトの全体スケジュールを確認し、自分の担当作業の優先順位を決定します。設計担当者や顧客からの指示事項があれば確認し、不明点があればその場で質問して解消します。構築作業に必要な機材や設定情報が揃っているかも確認します。
10:00 構築作業(サーバー設定・ネットワーク設定)
設計書やパラメータシートに基づいて、実際の構築作業を行います。サーバー構築であれば、OSのインストール、ミドルウェアの導入、アプリケーションの配置、セキュリティ設定などを実施します。ネットワーク構築であれば、ルーターやスイッチの設定、VLAN構成、ファイアウォールルールの設定などを行います。作業中は設計書との整合性を常に確認し、設定値の入力ミスがないよう慎重に進めます。また、作業手順書に沿って進めることで、作業の抜け漏れを防ぎます。
12:00 昼休憩
昼休憩では、午前中の作業の進捗を振り返り、午後の作業計画を考えます。構築作業は予定通り進まないこともあるため、スケジュールの調整が必要か判断します。
13:00 テスト・動作確認
構築したシステムが正常に動作するか、テストケースに基づいて動作確認を行います。サーバー間の疎通確認、アプリケーションの起動確認、データベース接続テストなど、設計書で定義された要件を満たしているかを検証します。不具合が見つかった場合は原因を調査し、設定を修正して再テストを実施します。テスト結果はエビデンスとして記録し、報告書にまとめます。
15:00 ドキュメント作成・パラメータシート更新
構築した内容を正確にドキュメント化します。設定したパラメータ、実施した手順、テスト結果などを記録し、後から誰が見ても理解できる形式でまとめます。パラメータシートには、サーバーのIPアドレス、ホスト名、インストールしたソフトウェアのバージョンなどを詳細に記載します。このドキュメントは、運用フェーズでの障害対応やメンテナンス作業に活用されるため、正確性が求められます。
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17:00 進捗報告・チーム共有
夕会で当日の作業結果を報告し、明日以降のタスクを確認します。遅延が発生している場合は原因を説明し、リカバリープランを提示します。また、作業中に発生した問題や気づいた点をチームで共有し、他のメンバーが同じ問題に遭遇しないよう情報を展開します。プロジェクトマネージャーへの定期報告も行い、全体の進捗状況を把握してもらいます。
インフラエンジニアの1日のスケジュール【設計担当編】
設計を担当するインフラエンジニアは、顧客の要件を整理し、最適なシステム構成を提案する役割を担います。技術的な知識だけでなく、ビジネス要件の理解やコミュニケーション能力も求められる、上級エンジニアのポジションです。
– [9:00 出社・メールチェック・スケジュール確認](#900-出社メールチェックスケジュール確認) – [10:00 顧客との要件定義ミーティング](#1000-顧客との要件定義ミーティング) – [12:00 昼休憩](#1200-昼休憩-2) – [13:00 設計書作成・アーキテクチャ検討](#1300-設計書作成アーキテクチャ検討) – [15:00 チーム内レビュー・技術相談](#1500-チーム内レビュー技術相談) – [17:00 見積もり作成・提案資料作成](#1700-見積もり作成提案資料作成)
9:00 出社・メールチェック・スケジュール確認
出社後、顧客からの問い合わせメールや、社内からの技術相談メールをチェックします。当日のスケジュールを確認し、顧客との打ち合わせや社内会議の準備を行います。設計担当者は会議が多いため、移動時間や資料準備の時間も考慮してスケジュールを組みます。
10:00 顧客との要件定義ミーティング
顧客との打ち合わせで、システムの要件をヒアリングします。業務内容、利用するアプリケーション、想定されるアクセス数、セキュリティ要件、予算などを詳しく聞き取ります。顧客の要望を整理し、技術的に実現可能かを検討しながら、最適なインフラ構成を提案します。この段階で要件が曖昧な部分は明確にしておくことで、後工程での手戻りを防ぎます。場合によっては、複数の提案パターンを用意し、それぞれのメリット・デメリットを説明します。
12:00 昼休憩
昼休憩では、午前中のミーティング内容を整理し、午後の設計作業に必要な情報を確認します。必要に応じて、技術資料やベンダー情報を調べることもあります。
13:00 設計書作成・アーキテクチャ検討
ヒアリングした要件に基づいて、システム構成図や設計書を作成します。サーバーの台数や性能、ネットワーク構成、冗長化の方法、バックアップ方式などを検討し、図や表を使って分かりやすくまとめます。クラウド環境を利用する場合は、AWSやAzureのサービス選定も行います。また、セキュリティ設計やディザスタリカバリ計画も含め、包括的なインフラアーキテクチャを構築します。設計時には、拡張性や運用性も考慮し、将来的な成長にも対応できる柔軟な設計を心がけます。
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15:00 チーム内レビュー・技術相談
作成した設計書をチーム内でレビューし、他のエンジニアからフィードバックをもらいます。設計の妥当性、コストの適正性、運用の現実性などを多角的に検証します。また、構築担当のメンバーから技術的な質問があれば回答し、設計意図を説明します。若手エンジニアの技術相談に乗ることも重要な役割で、チーム全体の技術力向上に貢献します。
17:00 見積もり作成・提案資料作成
設計した内容に基づいて、コスト見積もりを作成します。サーバーやネットワーク機器の費用、ソフトウェアライセンス費用、構築作業の工数、運用保守費用などを積算し、顧客に提示する見積書を作成します。また、顧客向けの提案資料をまとめ、設計の特徴やメリットを分かりやすく説明するプレゼンテーション資料を準備します。提案資料では、技術的な詳細だけでなく、ビジネス上の価値も伝えることが重要です。
インフラエンジニアの働き方の特徴
インフラエンジニアの働き方には、他のIT職種とは異なる特徴があります。勤務形態の多様性、残業時間、オンコール対応など、実際の働き方を理解しておくことが、転職やキャリア選択の際に重要です。
– [勤務形態の多様性(常駐・リモート・夜勤)](#勤務形態の多様性常駐リモート夜勤) – [残業時間とワークライフバランス](#残業時間とワークライフバランス) – [オンコール対応と緊急対応](#オンコール対応と緊急対応)
勤務形態の多様性(常駐・リモート・夜勤)
インフラエンジニアの勤務形態は、担当する業務や企業によって大きく異なります。顧客先に常駐して作業する客先常駐型、自社オフィスで勤務する自社勤務型、在宅で作業するリモートワーク型などがあります。運用・保守担当の場合は、24時間365日の監視体制が必要なため、夜勤シフトや交代勤務が組まれることも多いです。一方、設計担当や構築担当の場合は、日中の勤務が中心となります。近年はクラウド環境の普及により、リモートワークが可能な企業も増えていますが、セキュリティ上の理由から客先常駐が必須の案件もあります。
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残業時間とワークライフバランス
残業時間は担当する業務内容やプロジェクトの状況によって変動します。運用・保守担当の場合は、シフト制で勤務時間が決まっているため、比較的残業は少ない傾向にあります。ただし、大規模な障害が発生した場合は、復旧作業のために長時間対応が必要になることもあります。構築担当の場合は、プロジェクトの納期が近づくと残業が増える傾向があり、月末や年度末は繁忙期となります。設計担当は顧客対応や会議が多く、日中の作業時間が取れないため、設計書作成などの作業が夕方以降になることもあります。
オンコール対応と緊急対応
インフラエンジニアは、システムの安定稼働を維持する責任があるため、オンコール当番制度を設けている企業が多くあります。オンコール当番の日は、勤務時間外や休日でも、緊急の障害が発生した際には連絡を受けて対応する必要があります。深夜や早朝に呼び出されることもあるため、精神的な負担が大きい側面もあります。ただし、オンコール手当が支給される企業も多く、経済的な補償はあります。また、チームで当番をローテーションするため、常に待機が必要なわけではありません。
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まとめ: インフラエンジニアの1日は業務内容で大きく変わる
インフラエンジニアの1日は、運用・保守、構築、設計のどの業務を担当するかによって、働き方が大きく異なります。
運用・保守担当は、システム監視や障害対応が中心で、夜勤シフトがある一方で残業は比較的少なめです。構築担当は、プロジェクトベースで動き、技術的なスキルを磨きながら手を動かす時間が多いのが特徴です。設計担当は、顧客との打ち合わせや要件定義が多く、技術力に加えてコミュニケーション能力も求められます。
自分に合った働き方を見つけるためには、それぞれの業務内容や特徴を理解し、自分のキャリアプランと照らし合わせることが重要です。未経験からインフラエンジニアを目指す場合は、まず運用・保守からスタートし、経験を積んでから構築や設計にステップアップするキャリアパスが一般的です。
インフラエンジニアのキャリア全般について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
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