警備業務検定とは|6種類の資格と取得方法を完全解説

警備業務検定は、警備員のキャリアアップに欠かせない国家資格です。都道府県公安委員会が実施する検定で、施設警備、交通誘導、雑踏警備など6種類の専門分野があります。資格を取得すると月5,000円~20,000円の資格手当が支給され、昇進や転職にも有利になります。
この記事では、警備業務検定の全体像から各種類の詳細、受験方法、取得メリットまで解説します。警備員としてのキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
警備業務検定とは
警備業務検定は、警備業法に基づく公的な資格制度です。ここでは、検定の概要と1級・2級の違いについて解説します。
– [警備業務検定の概要](#警備業務検定の概要) – [1級と2級の違い](#1級と2級の違い)
警備業務検定の概要
警備業務検定は、都道府県公安委員会が実施する国家資格で、警備員の専門的知識と技能を公的に証明します。警備業務を正式に認定する資格として、キャリアアップに必須です。
検定は6つの種類があります。施設警備、交通誘導、雑踏警備、貴重品運搬、核燃料物質等危険物運搬、空港保安です。それぞれの業務分野に特化した知識が求められ、資格を取得することで専門性の高い業務を担当でき、キャリアの選択肢が大きく広がります。
1級と2級の違い
警備業務検定は各種類とも1級と2級に分かれており、受験資格と難易度が異なります。
2級は実務経験1年以上で受験でき、合格率は50~70%程度です。しっかり準備すれば合格は十分可能な難易度といえます。一方、1級は2級合格後にさらに1年以上の実務経験が必要で、合格率は30~50%程度と低くなります。
給与面では、2級で月5,000~10,000円、1級で月10,000~20,000円の資格手当が一般的です。年収では6万円~24万円の差が生まれます。1級取得時は、資格手当のアップに加えて管理職への道も開けます。
6種類の警備業務検定
警備業務検定は6つの種類に分類されています。各検定の特徴と対象業務について解説します。
– [1号警備業務(施設警備・雑踏警備)](#1号警備業務施設警備雑踏警備) – [2号警備業務(交通誘導警備)](#2号警備業務交通誘導警備) – [3号・4号警備業務(貴重品運搬・身辺警護)](#3号4号警備業務貴重品運搬身辺警護)
1号警備業務(施設警備・雑踏警備)
施設警備業務検定は、オフィスビル、商業施設、工場などの警備を専門とします。巡回、監視、鍵の管理、火災や不審者への対応など、施設の安全を守る幅広い知識と技能が求められます。受験者が多く、警備員のキャリアアップの第一歩として選ばれることが多い資格です。詳細については「施設警備2級資格の取得方法|未経験から合格する対策」をご参照ください。
雑踏警備業務検定は、イベント会場、祭り、コンサート、花火大会での警備を専門とします。群衆の整理、事故防止、緊急時の誘導など、大勢の人々の安全を守る高度なスキルが必要です。大規模イベントの増加に伴い、需要が高まっています。
2号警備業務(交通誘導警備)
交通誘導警備業務検定は、道路工事や建設現場での交通誘導を専門とします。警備業務検定の中で最も受験者が多い資格です。
道路交通法の知識、誘導技術、危険予知能力など、交通の安全を守る専門的なスキルが問われます。実技試験では、手旗や誘導灯を使った合図、車両への声かけ、安全確認など、現場で即戦力となる技能が評価されます。工事現場での需要が高く、資格取得は就職・転職に有利です。詳細は「交通誘導警備2級の資格|実技試験の内容と合格のコツ」をご覧ください。
3号・4号警備業務(貴重品運搬・身辺警護)
貴重品運搬警備業務検定は、現金輸送や貴重品の護送を専門とします。銀行やATMへの現金輸送など、高額な財産を守る責任の重い業務で、防犯知識、護身術、緊急時対応力など高度な専門性が求められます。
核燃料物質等危険物運搬警備業務検定は、核燃料や危険物の輸送を警備する専門資格です。原子力施設や化学工場での需要があり、受験者は少ないながら、需要の高い資格です。
空港保安警備業務検定は、空港ターミナルの保安検査場での警備を専門とします。テロ対策、不審物の発見、保安検査の補助など、航空保安に関わる高度な知識と技能が必要です。国際化が進む中、空港での警備需要は高まっています。
施設警備業務検定
施設警備業務検定の2級と1級について、試験内容と受験資格を解説します。
– [2級の試験内容と受験資格](#2級の試験内容と受験資格) – [1級の試験内容と受験資格](#1級の試験内容と受験資格)
2級の試験内容と受験資格
施設警備業務検定2級の受験資格は、警備業務の実務経験1年以上です。警備会社に所属して1年以上働いていれば受験できます。
試験は学科試験と実技試験で構成されます。学科試験前には15時間の事前講習を受講し、警備業法、施設の巡回方法、火災や事故への対応、不審者対策などを学びます。学科試験は選択式で、講習内容をしっかり復習すれば合格できる難易度です。
実技試験では、巡回の手順、鍵の管理方法、異常発見時の報告、火災発見時の初期対応などが評価されます。合格率は60~70%程度と比較的高く、取得しやすい資格といえます。
1級の試験内容と受験資格
施設警備業務検定1級の受験資格は、2級合格後にさらに1年以上の実務経験が必要です。試験は学科試験と実技試験で構成され、2級よりも高度な内容になります。
事前講習は19時間で、警備計画の立案、リスク管理、緊急時の指揮命令系統、法的責任など、管理職レベルの知識を学びます。実技試験では、複数の異常事態への対応、部下への指示出し、施設管理者への報告など、現場責任者としての判断力が評価されます。合格率は40~50%程度で、十分な準備が必要です。1級取得で施設警備の責任者として認められ、キャリアアップへの可能性が大きく広がります。
交通誘導警備業務検定
交通誘導警備業務検定は、警備業務検定の中で最も受験者が多い人気資格です。2級と1級の試験内容と受験資格を解説します。
– [2級の試験内容と受験資格](#2級の試験内容と受験資格-1) – [1級の試験内容と受験資格](#1級の試験内容と受験資格-1)
2級の試験内容と受験資格
交通誘導警備業務検定2級の受験資格は、警備業務の実務経験1年以上です。交通誘導に限らず、警備業務全般の経験があれば受験できます。
試験は学科試験と実技試験で構成されます。事前講習は15時間で、道路交通法、誘導の基本動作、危険予知、事故防止、緊急時対応を学びます。学科試験では交通法律知識が問われ、実技試験では手旗や誘導灯を使った合図、車両への声かけ、歩行者の安全確保が評価されます。合格率は50~60%程度で、実技の練習をしっかり行えば合格できます。
1級の試験内容と受験資格
交通誘導警備業務検定1級の受験資格は、2級合格後にさらに1年以上の実務経験が必要です。事前講習は19時間で、複雑な交差点での誘導計画、複数の誘導員の指示、工事責任者との連携など、管理者としての知識を学びます。
実技試験では、複数車線道路での誘導、歩行者と車両が混在する状況での判断、部下への指示など、現場責任者としての能力が評価されます。合格率は30~40%程度と低く、難易度の高い資格です。取得すると交通誘導の現場責任者として認められ、給与アップや昇進の可能性が広がります。
雑踏警備業務検定
雑踏警備業務検定は、大規模イベントや祭りなどでの警備を専門とする資格です。仕事内容と試験の詳細を解説します。
– [雑踏警備の仕事内容](#雑踏警備の仕事内容) – [試験内容と受験資格](#試験内容と受験資格)
雑踏警備の仕事内容
雑踏警備の仕事は、イベント会場、祭り、コンサート、花火大会での安全確保です。群衆の整理、入退場の誘導、事故防止、緊急時の避難誘導などを行います。特に、将棋倒しや群衆雪崩などの重大事故を防ぐため、人の流れを適切にコントロールする高度な判断力が求められます。大規模イベントの増加に伴い、需要が高まっています。
試験内容と受験資格
雑踏警備業務検定2級の受験資格は、警備業務の実務経験1年以上です。事前講習15時間を受講し、学科試験と実技試験に合格する必要があります。学科試験では、群衆心理、事故事例、法律知識が問われ、実技試験では人の流れの整理、緊急時の誘導、無線連絡など実際の業務を想定した動作が評価されます。
1級の受験資格は、2級合格後にさらに1年以上の実務経験が必要です。事前講習は19時間で、大規模イベントの警備計画立案、リスク評価、複数警備員への指示、主催者や消防との連携など、現場責任者としての知識と技能が求められます。
その他の警備業務検定
より専門性の高い3つの警備業務検定について解説します。
– [貴重品運搬警備業務検定](#貴重品運搬警備業務検定) – [核燃料物質等危険物運搬警備業務検定](#核燃料物質等危険物運搬警備業務検定) – [空港保安警備業務検定](#空港保安警備業務検定)
貴重品運搬警備業務検定
貴重品運搬警備業務検定は、現金輸送車などでの貴重品運搬を専門とする資格です。銀行やATMへの現金輸送、貴重品の護送など、高額な財産を守る責任の重い業務を担当します。防犯知識、護身術、緊急時対応力、法律知識など高度な専門性が求められ、取得すると給与面で大きく優遇されます。
核燃料物質等危険物運搬警備業務検定
核燃料物質等危険物運搬警備業務検定は、核燃料や危険物の輸送を警備する専門資格です。原子力施設や化学工場での需要があり、高度な専門知識と厳格な安全管理が求められます。受験者は少ないですが、資格保有者は貴重な人材として評価されます。
空港保安警備業務検定
空港保安警備業務検定は、空港ターミナルの保安検査場での警備を専門とする資格です。テロ対策、不審物の発見、保安検査の補助など、航空保安に関わる高度な知識と技能が必要です。国際化が進む中、空港での警備需要は高まっており、専門性の高い資格として注目されています。
警備業務検定の受験方法
警備業務検定を受験する手順と試験の詳細について解説します。
– [受験申し込みから試験まで](#受験申し込みから試験まで) – [学科試験と実技試験](#学科試験と実技試験)
受験申し込みから試験まで
警備業務検定の受験申し込みは、各都道府県の公安委員会に対して行います。通常、勤務先の警備会社を通じて申し込みし、会社が受験資格を証明する書類を提出します。
申し込み後、事前講習の受講が必須です。2級は15時間、1級は19時間の講習を受け、学科試験の範囲を体系的に学び、実技試験の動作を練習します。講習費用は2万円~4万円程度が一般的です。
試験日程は都道府県によって異なりますが、年に1~2回実施されます。受験料は1万円~2万円程度で、学科試験と実技試験を同じ日または連続した日程で受験します。合格発表は試験から1~2か月後に行われ、合格者には検定合格証明書が交付されます。
学科試験と実技試験
学科試験は選択式の筆記試験です。警備業法、専門知識、安全管理、緊急時対応、関連法規が出題範囲で、合格基準は概ね70%以上の正解率です。
実技試験は、実際の警備業務を想定した動作を実演する試験です。施設警備なら巡回や鍵の管理、交通誘導なら誘導動作、雑踏警備なら群衆整理など、各検定に応じた課題が出されます。正確な動作、適切な判断、明確な声かけなどが評価されます。
合格後、検定合格証明書は勤務先への提出や転職時の証明に使用でき、更新制度はなく、一度取得すれば永続的に有効です。
資格取得のメリットとキャリアアップ
警備業務検定を取得すると、給与面とキャリア全体に大きな影響があります。
– [給与アップと資格手当](#給与アップと資格手当) – [キャリアアップへの影響](#キャリアアップへの影響)
給与アップと資格手当
警備業務検定を取得する最も直接的なメリットは、資格手当による給与アップです。2級で月5,000円~10,000円、1級で月10,000円~20,000円の資格手当が支給されるのが一般的で、年収では6万円~24万円の増加になります。詳細については「警備員の年収を徹底分析|平均給与・業務別・年齢別」もご参照ください。
複数の種類の検定を取得すると、それぞれに資格手当が支給される会社もあります。例えば、施設警備業務検定2級と交通誘導警備業務検定2級の両方を取得すれば、合計で月10,000円~20,000円の手当となり、年収が大きく向上します。資格の取得は確実な収入アップの方法として有効です。
キャリアアップへの影響
警備業務検定の取得は、給与だけでなくキャリア全体に大きな影響を与えます。管理職への昇進の条件として1級資格の取得を求める警備会社が多く、現場責任者や班長などの役職に就くには専門資格が必須です。
また、転職市場での評価が大きく向上し、専門性と経験を客観的に証明でき、好条件での採用が期待できます。詳しくは「警備員のキャリアパス完全ガイド|一般警備員から管理職」をご確認ください。さらに、警備業法では警備業を営むために「検定合格者」の配置が義務付けられているケースもあり、資格を持っていれば独立開業のハードルが下がります。警備業務検定は、警備員としての長期的なキャリア形成に欠かせない資格です。
まとめ:警備業務検定でキャリアアップを実現しよう
警備業務検定は、警備員としてのキャリアアップに欠かせない国家資格です。以下のポイントを押さえて、資格取得を進めましょう。
– 施設警備、交通誘導、雑踏警備、貴重品運搬、核燃料物質等危険物運搬、空港保安の6種類から選択 – 実務経験1年以上で受験できる2級から始め、月5,000円~10,000円の資格手当を獲得 – 1級取得で月10,000円~20,000円の手当と管理職への道が開かれる – 事前講習を受講し、学科試験と実技試験に合格すると検定合格証明書が交付 – 給与アップ、昇進、転職、独立開業など、キャリア全体に大きな影響あり – 自分の業務に合った検定を選び、計画的に資格取得を進める
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