警備業務管理者の資格と役割|営業所責任者の条件

警備業界でキャリアの頂点を目指すなら、警備業務管理者資格の取得は必要不可欠です。この国家資格は営業所に必ず配置が義務付けられた要職であり、取得後は給与アップ、昇進、独立開業が可能になります。本記事では、資格の定義から受験資格、役割、取得方法、メリットまで、キャリアの最上位を目指すために必要な全情報を解説します。警備業界でのキャリア構築全般については「【関連記事】:警備員のキャリアパス完全ガイド|一般警備員から管理職」も合わせてご参照ください。
警備業務管理者とは
– [警備業務管理者の法的要件](#警備業務管理者の法的要件) – [一般警備業務管理者と機械警備業務管理者の違い](#一般警備業務管理者と機械警備業務管理者の違い)
警備業務管理者は、警備業法で定められた国家資格であり、営業所ごとに必ず配置しなければならない責任者です。営業所運営において、警備員の指導監督と業務管理を行う重要なポジションです。
資格には2種類あります。一般的な施設警備や交通誘導を管理する「一般警備業務管理者」と、警報システムを使った機械警備を専門に管理する「機械警備業務管理者」です。営業所の業務内容に応じて適切な資格を配置する必要があります。
警備業務管理者の法的要件
警備業法第22条で、警備会社は営業所ごとに警備業務管理者を配置することが義務付けられています。具体的には、警備員30名に対して最低1名の警備業務管理者が必要です。
この基準を満たさなければ、公安委員会から営業停止命令や認可取消などの厳しい行政処分を受けることになります。そのため、警備会社にとって有資格者の確保は経営の最重要課題なのです。
一般警備業務管理者と機械警備業務管理者の違い
一般警備業務管理者は、施設警備(1号業務)、交通誘導警備・雑踏警備(2号業務)、運搬警備(3号業務)、身辺警備(4号業務)といった通常の警備業務を管理できます。
一方、機械警備業務管理者は、警報機器やセンサーを用いた機械警備に特化した資格です。機械警備部門を持つ営業所では、この資格保有者の配置が必須となります。実際、多くの警備会社は両方の業務を扱うため、両資格の保有者は非常に重宝されます。
警備業務管理者の役割と職務内容
– [営業所の管理監督業務](#営業所の管理監督業務) – [教育・指導業務](#教育・指導業務) – [行政対応と報告業務](#行政対応と報告業務)
警備業務管理者は営業所責任者として、運営全般を管理する立場です。単なる肩書きではなく、実務上の大きな権限と責任を持つ職務です。
営業所の管理監督業務
警備業務管理者の中核的な業務は、警備員の配置管理と業務計画の策定です。勤務シフトの作成、現場への人員配置、警備計画書の作成・更新などを行います。
さらに、実際の警備業務が適切に行われているか監視し、法令遵守と契約内容の順守を確保する責任を負っています。トラブルが発生すれば、速やかに対応・是正する権限と義務があります。
教育・指導業務
営業所の全警備員を対象とした教育計画を立案し、実施するのも重要な職務です。新入社員向けの初期教育と、既存社員向けの継続教育の両方を管理します。
警備業法では新入社員に20時間、既存社員に年10時間以上の教育が義務付けられています。これらの法定教育の実施管理、記録保管、内容改善は、警備業務管理者の重要な責務です。
行政対応と報告業務
公安委員会への報告手続きも担当します。警備員の名簿管理、教育実績の記録保管、事故・苦情報告書の作成などが主な業務です。
公安委員会の立入検査時には、必要書類を準備して検査に対応します。警備業法遵守の証拠を示す責任ある立場です。
警備業務管理者の受験資格
– [一般警備業務管理者試験の受験資格](#一般警備業務管理者試験の受験資格) – [機械警備業務管理者試験の受験資格](#機械警備業務管理者試験の受験資格) – [受験資格の特例と免除制度](#受験資格の特例と免除制度)
警備業務管理者試験は国家試験であり、誰でも受験できるわけではありません。警備業での実務経験を積み重ねた人材に限定されています。
一般警備業務管理者試験の受験資格
基本的には、警備業務の実務経験が通算3年以上必要です。つまり、警備員として実際に現場で3年以上働いていることが条件となります。
ただし優遇措置があります。警備業務検定1級に合格していれば、実務経験は1年以上で受験可能です。指導教育責任者の資格を持っている場合も、実務経験要件が短縮されることがあります。
機械警備業務管理者試験の受験資格
機械警備業務管理者試験も同様に、機械警備業務の実務経験が3年以上必要です。機械警備とは、警報機器やセンサーを用いた警備サービスを指します。
こちらも機械警備業務検定1級の合格者なら、実務経験1年以上で受験資格を満たします。機械警備は専門分野なので、その経験者が特に優遇される仕組みです。
受験資格の特例と免除制度
警察官や自衛官として5年以上勤務した経験がある場合、実務経験要件が免除または短縮されます。大学や専門学校で法律や警察学を学んだ者も、実務経験期間の短縮対象になる場合があります。具体的な条件は都道府県の公安委員会に確認してください。
警備業務管理者試験の内容と難易度
– [試験科目と出題範囲](#試験科目と出題範囲) – [合格基準と合格率](#合格基準と合格率) – [試験対策と勉強方法](#試験対策と勉強方法)
警備業務管理者試験は、警備業法などの法令と実務的な応用力の両方が問われる国家試験です。合格率は30~40%程度で、しっかりした対策が必要です。
試験科目と出題範囲
試験は法令科目と実務科目に分かれています。警備業法、憲法、刑法、刑事訴訟法、労働基準法などが出題されます。
特に警備業法が中心です。警備会社の義務、警備員研修、欠格要件、営業所設置基準など、多岐にわたるテーマから出題されます。暗記だけでなく、現場の具体的なシーンを想定した応用問題も含まれるため、実務知識が必要です。
合格基準と合格率
合格には、全科目の合計点が60%以上である必要があります。加えて、各科目でも最低限の得点率をクリアする必要があります。つまり、得意科目で高得点を稼いでも、苦手科目で落とすと不合格になってしまいます。
近年、一般警備業務管理者は約35%、機械警備業務管理者は約40%程度の合格率です。警備業務検定1級より難しく、無対策での合格は難しいのが現状です。
試験対策と勉強方法
勉強の第一歩は、警備業法の条文をしっかり理解することです。過去問を何度も解いて傾向をつかみ、頻出項目と罰則規定を集中学習しましょう。
警備業協会の公式テキストを活用しながら、自分の実務経験と照らし合わせて勉強すると、理解が進みます。勉強期間の目安は3~6ヶ月。焦らず計画的に進めることが成功の鍵です。また、「【関連記事】:警備業務検定とは|6種類の資格と取得方法を完全解説」で基礎知識を身につけることで、試験対策がより効果的になります。
警備業務管理者資格の取得方法
– [試験の申込方法と日程](#試験の申込方法と日程) – [合格後の手続きと資格証](#合格後の手続きと資格証)
警備業務管理者資格を取得するには、公安委員会主催の国家試験に合格し、手続きを完了する必要があります。試験は年1回のみです。
試験の申込方法と日程
試験は例年秋(10月~11月)に実施されます。申込期間は試験の2~3ヶ月前が目安であり、お住まいの地域の公安委員会で受け付けています。
受験料は一般・機械ともに約10,000円程度です。申込時に提出する実務経験証明書(勤務先からの在籍証明書など)は事前に用意しておきましょう。試験会場は住所地か勤務地の都道府県が原則です。
合格後の手続きと資格証
合格発表から約1ヶ月で、公安委員会から合格証が送られてきます。この証書が資格保有の公式な証拠になり、警備業務管理者として配置される際に必要です。
資格に有効期限はありませんが、配置後は定期講習の受講義務が生じる場合があります。資格証は大切に保管し、転職や開業時には提示を求められるので、紛失しないようにしましょう。
警備業務管理者になるメリット
– [給与・待遇面でのメリット](#給与・待遇面でのメリット) – [経営層への道](#経営層への道) – [独立・開業の可能性](#独立・開業の可能性)
警備業務管理者資格は、給与、キャリア、職務権限で大きなメリットをもたらします。長期的なキャリア構築の道を開く最上位資格です。
給与・待遇面でのメリット
営業所責任者に配置されると、基本給のほか資格手当と役職手当が支給されます。一般警備員が年300~400万円に対し、警備業務管理者は年400~600万円程度が見込めます。
大手警備会社では月2~5万円の資格手当を支給し、管理職待遇となるため賞与評価も高くなります。確実な年収アップが期待できる資格です。詳しくは「【関連記事】:警備員で年収1000万円は可能?|高収入を実現する方法」で、給与体系の最適化方法を確認できます。
経営層への道
警備業務管理者は会社の幹部候補として見なされます。支店長、本部長といった上位職へのキャリアパスが広がります。営業所の運営経験は、会社経営全体を理解する上で極めて重要な実績になるからです。
複数営業所の統括責任者や、本社の業務管理部門への配置も考えられます。警備業界で上を目指すなら、この資格は必須と言えるでしょう。「【関連記事】:警備員のキャリアパス完全ガイド|一般警備員から管理職」も参考になります。
独立・開業の可能性
警備会社設立時には、営業所ごとに警備業務管理者の配置が法律で定められています。だから、独立開業を目指すなら、この資格は欠かせません。
自分で警備会社を立ち上げる際、この資格があれば小さく始めることができます。さらに、現場での実務経験と人脈は、独立後の営業展開と人材採用で大きな武器になります。
警備業務管理者に関するよくある質問
– [資格取得に関する質問](#資格取得に関する質問) – [業務に関する質問](#業務に関する質問) – [キャリアに関する質問](#キャリアに関する質問)
よくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
資格取得に関する質問
Q: 一般警備業務管理者と機械警備業務管理者の両方を取得すべきですか?
両資格を持つと幅広い領域で活躍できます。大手では両資格保有者を優遇します。ただし、まずは自分の経験分野に合った資格から取得し、キャリア発展に合わせて第二の資格を目指すのが現実的です。
業務に関する質問
Q: 実務経験がない状態で資格だけ取得することは可能ですか?
不可能です。受験には実務経験3年以上(検定1級合格者は1年以上)が必須です。この要件があるからこそ資格が信頼され、価値を持つのです。
キャリアに関する質問
Q: 警備業務管理者資格は転職で評価されますか?
はい、警備業界での転職では高く評価されます。営業所責任者候補として優先対象になります。法律で配置が義務付けられているため、転職市場での価値は非常に高いのです。詳しくは「【関連記事】:警備会社の選び方|大手と中小・ホワイト企業の見分け方」で、企業選択時のポイントを確認できます。
まとめ: 警備業務管理者資格でキャリアの頂点を目指す
警備業務管理者資格取得により、キャリアが大きく変わります。この資格の重要性を改めて確認しましょう:
– 警備業界の最上位資格であり、営業所責任者として法的に必須の要職 – 一般警備業務管理者と機械警備業務管理者の2種類があり、業務内容に応じて必須資格が異なる – 実務経験3年以上が基本要件(検定1級合格者は1年以上で受験可) – 警備業法を中心とした国家試験であり、合格率は30〜40%程度 – 取得後は年収100〜200万円のアップが見込める – 支店長や本部長といった管理職への昇進が実現する – 警備会社の独立開業に不可欠な資格である
警備業界でキャリアの最上位を目指すなら、警備業務管理者資格は必須です。実務経験を積みながら受験資格を満たし、計画的に資格取得を目指してください。この資格取得があなたのキャリアの大きな転機になります。
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