介護職の夜勤を徹底解説|2交代・3交代制の違いと手当相場

介護職の夜勤は、施設で暮らす利用者の夜間の安全と快適な生活を支える重要な役割です。「夜勤って何時から何時まで?」「夜勤手当はいくらもらえるの?」「体力的にきついって本当?」—介護職への転職を考えている方や、これから夜勤を始めようとしている方は、こうした疑問や不安を持つのは当然です。
この記事では、介護職の夜勤について、2交代制と3交代制の違いから夜勤手当の実態、具体的な業務内容、夜勤専従という働き方、そして健康管理のコツまで、現場で役立つ情報を網羅的に解説します。夜勤勤務を正しく理解し、自分に合った働き方を選択するための参考にしてください。
介護職の夜勤とは
介護職の夜勤とは、夜間帯に介護施設で利用者のケアを行う勤務形態のことです。労働基準法では、午後10時から翌朝5時までの時間帯を「深夜」と定義しており、この時間帯に勤務する場合、通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金(深夜手当)が支払われます。
特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、グループホームなどの入所系施設では、24時間体制で利用者の生活を支える必要があります。夜間に利用者が安心して眠れるよう、定期的な巡回、ナースコール対応、排泄介助、体位変換などを行い、安全と健康を守ることが夜勤スタッフの大切な役割です。
一人ひとりの責任が大きい分、夜勤手当で効率的に収入を増やせますし、日中の時間を自分のために使えるという利点もあります。自分のライフスタイルに合った働き方を選べることは、長く仕事を続ける上で大切なポイントです。
2交代制と3交代制の違い
介護施設の夜勤には、大きく分けて2交代制と3交代制の2つのシフト体系があります。どちらの制度が採用されているかによって、勤務時間、休憩時間、給与、体力的な負担などが大きく異なります。以下では、それぞれの特徴を詳しく解説します。
– [2交代制(16時間勤務)](#2交代制16時間勤務) – [3交代制(8時間勤務)](#3交代制8時間勤務) – [どちらが働きやすい?比較表](#どちらが働きやすい比較表)
2交代制(16時間勤務)
2交代制は、日勤と夜勤の2つのシフトで24時間体制を実現する勤務体系です。夜勤は一般的に16:00~翌10:00(または17:00~翌9:00)の16時間勤務で、その間に2~3時間の仮眠時間が設けられています。実際の勤務時間は13~14時間程度です。
メリットとしては、夜勤回数が月4~5回と少なく、夜勤明けは連休が取りやすい点が挙げられます。1回の夜勤手当が5,000~10,000円程度と高めなため、効率的に収入を増やせるのも大きな利点です。
デメリットは、16時間の長時間勤務による体力的な負担です。特に業務が立て込む時間帯では仮眠が十分に取れないこともあります。体力に自信があり、まとまった休みを取りたい方に向いている勤務形態です。
3交代制(8時間勤務)
3交代制は、日勤・準夜勤・深夜勤の3つのシフトで24時間体制をカバーする勤務体系です。深夜勤は一般的に0:00~8:00(または1:00~9:00)の8時間勤務で、通常の日勤と同じ勤務時間となります。休憩時間は1時間程度で、仮眠時間は基本的に設けられていません。
メリットは、1回の勤務時間が短いため体力的な負担が少なく、生活リズムを比較的整えやすい点です。介護未経験の方や体力に不安がある方でも無理なく対応できます。シフト組み合わせにより、日中の時間を有効活用しやすいのも利点です。
デメリットとしては、夜勤の頻度が月8~10回程度と多くなることや、1回あたりの夜勤手当が2,000~5,000円程度と2交代制より少ない傾向があります。短時間勤務で無理なく働きたい方、生活リズムを大きく変えたくない方に適した勤務形態です。
どちらが働きやすい?比較表
2交代制と3交代制のどちらが自分に合っているかを判断するために、主要な項目を比較してみましょう。
項目 2交代制 3交代制 勤務時間 16時間(16:00~翌10:00など) 8時間(0:00~8:00など) 仮眠時間 2~3時間あり なし(休憩1時間程度) 月間夜勤回数 4~5回 8~10回 1回の夜勤手当 5,000~10,000円 2,000~5,000円 体力的負担 大きい(長時間勤務) 比較的少ない 生活リズム 乱れやすい 整えやすい 向いている人 体力に自信がある、まとまった休みが欲しい 未経験者、体力に不安がある
どちらの制度が採用されているかは施設によって異なります。求人を探すときは、シフト体系を必ず確認しておきましょう。面接時には、実際の勤務スケジュールや仮眠・休憩の実情について詳しく聞いておくことも大切です。
夜勤手当の相場と収入
夜勤勤務を検討する上で、多くの方が気になるのが夜勤手当と収入です。以下では、介護職の夜勤手当の実態と、具体的な収入シミュレーションを紹介します。
– [夜勤手当の平均額6,335円](#夜勤手当の平均額6335円) – [月4回夜勤の収入シミュレーション](#月4回夜勤の収入シミュレーション)
関連記事として、「「【関連記事】:介護職の年収・給料を徹底分析|資格別・施設別・地域別の相場」」もご参照ください。
夜勤手当の平均額6,335円
厚生労働省の「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員の夜勤手当(1回あたり)の平均額は6,335円です。ただし、この金額は施設形態や地域、勤務時間によって大きく異なります。
施設形態別では以下のような相場があります:
– 特別養護老人ホーム(特養):平均6,500~7,000円 – 介護老人保健施設(老健):5,500~6,500円 – グループホーム:5,000~6,000円程度
また、2交代制(16時間勤務)の方が3交代制(8時間勤務)よりも手当額が高く設定される傾向があります。
地域差も大きいのが特徴です。東京都や神奈川県などの首都圏では7,000~10,000円、地方では4,000~6,000円程度と、2倍近い差が生じることもあります。求人を探すときは、勤務地や施設形態による手当額の違いを必ず比較検討しましょう。
月4回夜勤の収入シミュレーション
基本給22万円の介護職員が月4回夜勤を行った場合を例に、具体的な収入を計算してみましょう。
2交代制の場合 – 基本給:220,000円 – 夜勤手当(7,000円×4回):28,000円 – 深夜割増手当:約15,000円 – 月収合計:約263,000円(年収約316万円)
3交代制の場合 – 基本給:220,000円 – 夜勤手当(4,000円×8回):32,000円 – 深夜割増手当:約12,000円 – 月収合計:約264,000円(年収約317万円)
月4回程度の夜勤であれば、基本給にプラスして月3万円程度の夜勤手当が見込めます。さらに夜勤専従として月12回程度勤務すれば、月収30~35万円、年収360~420万円程度も可能です。効率的に収入を増やしたい方にとって、夜勤勤務は魅力的な選択肢といえるでしょう。
夜勤の具体的な業務内容
夜勤では日勤とは異なる業務が中心となります。以下では、夜勤の流れと特有の業務内容を詳しく解説します。
– [夜勤の1日の流れ](#夜勤の1日の流れ) – [夜勤特有の業務](#夜勤特有の業務) – [仮眠時間と休憩](#仮眠時間と休憩)
日勤との業務の違いについては、「【関連記事】:介護職の1日を徹底解説|朝から夜までのリアルなスケジュール」も参考になります。
夜勤の1日の流れ
2交代制(16:00~翌10:00)を例に、夜勤の典型的な1日の流れを紹介します。
16:00~17:00:申し送り・夕食準備 日勤スタッフから利用者の状態や注意事項を引き継ぎます。その後、夕食の配膳準備を行います。
17:00~19:00:夕食介助・服薬介助 利用者の食事介助を行い、服薬を確認。食後の口腔ケアも丁寧に実施します。
19:00~21:00:就寝準備・巡回 利用者を居室に誘導し、着替え介助、就寝前のトイレ介助を行い、消灯準備を整えます。
21:00~翌6:00:定期巡回・見守り 1~2時間おきに各居室を巡回し、利用者の安全を確認。ナースコール対応、排泄介助、体位変換などを行いながら、深夜2:00~5:00頃に2~3時間の仮眠を取ります。(ただし業務状況により仮眠が短くなることもあります)
6:00~8:00:起床介助・朝食準備 起床時刻に合わせて声かけ、着替え介助、洗面・整容を支援。朝食の配膳準備も行います。
8:00~10:00:朝食介助・申し送り 朝食介助と服薬確認、口腔ケアを行い、日勤スタッフへ申し送りして業務終了です。
夜勤特有の業務
夜勤では、日勤とは異なる以下のような業務が中心となります。
定期巡回 1~2時間ごとに各居室を巡回し、利用者の呼吸状態、体位、室温などを確認します。異常の早期発見は、夜勤スタッフの重要な役割です。
ナースコール対応 利用者からのナースコールに素早く対応します。トイレ介助、水分補給、不安を和らげるなど、さまざまな要望に応えることが求められます。
排泄介助・体位変換 定期的なおむつ交換やトイレ介助に加え、褥瘡(床ずれ)予防のため2~3時間ごとに体位変換を実施します。
緊急時対応 転倒や急な体調不良、発熱など、緊急事態が起きたときは看護師への連絡体制を理解しておく必要があります。夜間は少人数で対応するため、冷静な判断力が欠かせません。
仮眠時間と休憩
2交代制では、労働基準法に基づき、16時間勤務の中で2~3時間の仮眠時間が設けられています。一般的に深夜2:00~5:00頃に交代で仮眠を取りますが、ナースコールや緊急対応があれば中断されることもあります。
仮眠室の環境は施設によって異なります。個室が用意されている施設もあれば、簡易ベッドのみの場合もあります。遮光カーテンやアイマスク、耳栓などを用意しておくと、短時間でも質の高い休息が取りやすくなります。
3交代制では8時間勤務のため仮眠時間がなく、代わりに1時間程度の休憩時間が設けられています。この時間を使って軽食を摂ったりリフレッシュすることが大切です。仮眠や休憩の実態は施設ごとに異なるため、入職前に確認しておきましょう。
夜勤専従という働き方
介護職の中には、夜勤のみを専門に行う「夜勤専従」という働き方があります。ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方として注目されていますが、メリットとデメリットの両面を理解しておくことが重要です。
– [夜勤専従のメリット](#夜勤専従のメリット) – [夜勤専従のデメリット](#夜勤専従のデメリット)
夜勤専従のメリット
日中の時間を自由に使える 夜勤明けは日中が自由時間になります。子育てや親の介護、趣味、資格勉強など、自分の時間を思う存分使えるます。銀行や役所、病院の受診など、昼間に必要な用事も簡単に済ませられるのは大きな利点です。
夜勤手当で高収入 月12~15回程度夜勤すれば、夜勤手当だけで8~15万円の収入が見込めるます。基本給と合わせると月収30~35万円、年収360~420万円程度も現実的です。効率的に収入を増やしたい方に魅力的な働き方です。
人間関係がシンプル 夜勤は少人数体制なので、関わるスタッフも限られます。複雑な人間関係が苦手な方や、落ち着いた環境で働きたい方にとってはストレスが少なくなります。
ダブルワークが可能 日中の時間で別の仕事や副業ができます。収入源を増やしたい方や、起業準備中の方にも適した働き方です。
夜勤専従のデメリット
生活リズムの乱れ 夜間勤務が続くと、昼夜逆転の生活になりやすく、体内時計が乱れます。慣れるまでは睡眠の質が低下し、体調を崩しやすくなります。
健康リスク 通常と異なる生活リズムのため、睡眠不足や疲労の蓄積、免疫力の低下といったリスクがあります。長期的には生活習慣病のリスクも高まると指摘されています。
社会的孤立感 日中に睡眠を取るため、家族や友人との時間がズレてしまいます。社会との接点が減り、孤独を感じることもあります。
家族との時間調整 小さな子どもがいる家庭では、親が日中に寝ている間の子どもの活動に対応しにくくなります。十分な休息を取るには、家族の理解と協力が欠かせません。
夜勤専従を選ぶ場合は、これらのメリット・デメリットをよく理解し、自分のライフスタイルや体質に合っているか慎重に検討しましょう。
夜勤を乗り切るための体調管理
夜勤勤務を続けていくためには、適切な体調管理が欠かせません。以下では、夜勤前後のケア方法と、夜勤に向かない人の特徴について解説します。
– [勤務前・勤務中・勤務後のケア](#勤務前勤務中勤務後のケア) – [夜勤に向かない人・注意が必要な人](#夜勤に向かない人注意が必要な人)
勤務前・勤務中・勤務後のケア
勤務前のケア 夜勤前には2~3時間の仮眠を取ることが大切です。午後2:00~5:00頃に睡眠すると、夜間の集中力が保ちやすくなります。勤務前は軽めの食事にして、胃腸に負担をかけないようにします。カフェインドリンクは勤務開始の30分~1時間前に摂取すると、覚醒効果が高まります。
勤務中のケア 定期的な水分補給が不可欠です。脱水は集中力低下や体調不良につながります。空腹感がある場合は、おにぎりやバナナ、ヨーグルトなど消化しやすい軽食を食べましょう。深夜の仮眠時間には、たとえ短時間でも横になることで疲労回復が進みます。
勤務後のケア 夜勤明けはすぐに寝るのではなく、軽い朝食を摂ってから入浴し、リラックスしてから睡眠に入ると質の高い休息が得られます。寝室を遮光カーテンで暗くし、耳栓で騒音を遮断すると、日中でも深く眠りやすくなります。夜勤明けの睡眠は4~6時間程度を目安に、夕方からは通常の生活リズムに戻すことを心がけましょう。
夜勤に向かない人・注意が必要な人
夜勤勤務は体への負担が大きいため、以下のような方は特に注意が必要です。
持病がある人 糖尿病、高血圧、心臓病などの持病がある方は、生活リズムの乱れが症状悪化につながる可能性があります。主治医に相談して、夜勤が可能かを確認してください。
睡眠障害のある人 不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害がある方は、夜勤でさらに睡眠の質が低下し、健康リスクが高まります。まずは治療を優先するか、日勤のみで働くことを検討しましょう。
妊娠中・授乳中の方 妊娠中や授乳中の女性は、体への負担を考慮して夜勤が免除される場合が多くあります。必要に応じて母子健康管理指導事項連絡カードを使って、勤務調整を申し出られます。
高齢の方 50代後半以降は体力や回復力が低下し、夜勤の負担を感じやすくなります。無理をせず、体調に合わせて夜勤回数を調整することが大切です。
夜勤勤務を始める前には、自分の体質や生活環境をよく理解した上で、医師や職場の上司に相談することをお勧めします。
まとめ:夜勤を理解して働き方を選ぼう
この記事では、介護職の夜勤について、2交代制と3交代制の違い、夜勤手当の相場、具体的な業務内容、夜勤専従の働き方、そして体調管理のコツまで、実務的な情報をお伝えしました。
夜勤勤務を検討する際には、以下のポイントを参考にしてください:
– シフト体系の選択:体力に自信がある・まとまった休みが欲しい方は2交代制、未経験者・体力に不安がある方は3交代制が向いています – 給与条件の確認:夜勤手当、深夜割増手当、月間夜勤回数を複数施設で比較検討する – 体調管理:勤務前後の睡眠、食事、運動のバランスを整え、自分の体の変化に注意する – 生活スタイルとの適合性:夜勤専従を選ぶ場合は、生活リズムの乱れや健康リスクをよく理解してから判断する
介護職の夜勤は、利用者の安全と生活の質を守る、やりがいのある仕事です。この記事の情報をもとに、あなたに合った働き方を見つけていただきたいと思います。転職をお考えの方は、介護専門の転職エージェントに相談すると、夜勤条件や職場環境についてより詳しい情報が得られます。
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