介護職の正社員とパート|給料・働き方を徹底比較

介護職として働く際、正社員とパートのどちらを選ぶべきか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。給料や働き方、将来のキャリアなど、雇用形態によって大きく異なるポイントがあります。
この記事では、介護職における正社員とパートの違いを、給料・勤務時間・仕事内容・メリット/デメリットの観点から詳しく比較します。さらに、ライフスタイル別におすすめの雇用形態も紹介するので、あなたに最適な働き方を見つけるための参考にしてください。
介護職における正社員とパートの基本的な違い
– [雇用契約の違いと法的な位置づけ](#雇用契約の違いと法的な位置づけ) – [社会保険・福利厚生の違い](#社会保険福利厚生の違い)
正社員とパートでは、雇用契約の内容や社会保険の適用範囲が根本的に異なります。また、法的な保護や福利厚生にも大きな違いがあります。
雇用契約の違いと法的な位置づけ
正社員は「無期雇用契約」で、雇用期間の定めなく働けます。一方、パートは「有期雇用契約」が一般的で、3ヶ月・6ヶ月・1年ごとの更新となります。
2013年の労働契約法改正によって「無期転換ルール」が導入され、有期契約が5年を超えて更新された場合、労働者の申し込みで無期契約に転換できるようになりました。長期のパート職員は以前より雇用が安定しやすくなっています。また、パートタイム・有期雇用労働法により、同じ業務を行う正社員とパートに不合理な待遇差をつけることは禁止されています。
社会保険・福利厚生の違い
正社員は健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険のすべてに加入します。パートの社会保険加入は勤務時間によって異なり、週20時間以上かつ月収8.8万円以上の条件を満たすと、正社員と同様に健康保険・厚生年金に加入します。これにより年金受給額は増えますが、手取り収入は減少するため、扶養範囲内で働きたい場合は年収106万円または130万円の調整が必要です。
福利厚生では、正社員に住宅手当・家族手当・退職金制度などが適用されるのに対し、パートはこれらの対象外となる施設がほとんどです。ただし資格手当や交通費は雇用形態に関わらず支給される場合もあります。
給料・待遇の徹底比較
– [基本給与の違い(時給 vs 月給)](#基本給与の違い時給-vs-月給) – [賞与・手当の有無と金額](#賞与手当の有無と金額) – [年収シミュレーション比較](#年収シミュレーション比較)
給料は雇用形態を選ぶ上で最も重要な判断材料です。時給・月給の違いから、賞与・手当、年収シミュレーションまで具体的な数値を交えて比較します。
基本給与の違い(時給 vs 月給)
パートの時給は地域や資格によって異なり、無資格で1,000円〜1,200円、介護福祉士資格保有者で1,300円〜1,600円が相場です。都市部では1,500円を超える求人も見られます。
正社員の月給は基本給18万円〜22万円程度で、夜勤手当(1回5,000円〜8,000円×月4〜5回)や資格手当(5,000円〜20,000円)が加算されると総支給額は22万円〜28万円程度になります。経験年数や役職が上がれば30万円以上の月給も期待でき、時給換算すると正社員は1,300円〜1,600円程度となります。時給ではパートと大きく変わりませんが、賞与や各種手当の有無が大きな年収差を生みます。
賞与・手当の有無と金額
正社員には年2回のボーナスが支給されるのが一般的で、基本給の2〜3ヶ月分、年間50万円〜80万円程度が相場です。一方、パートにはボーナスが支給されないケースがほとんどで、一部の施設では寸志として数万円程度が支給される程度です。
手当についても大きな差があります。正社員には住宅手当(月1万円〜3万円)や家族手当(配偶者1万円、子1人5,000円など)が支給される一方、パートは交通費と資格手当のみというケースが多いです。この賞与と手当の違いが、年収で大きな差を生む要因となります。
年収シミュレーション比較
パート(無資格・時給1,100円・週5日×6時間勤務)の場合、月収は約14.5万円、年収は約174万円です。扶養範囲内(年収130万円以内)で働く場合は月収約10.8万円、週5日×4.5時間勤務となります。
介護福祉士資格を持つパート(時給1,400円・週5日×8時間勤務)では月収約24.6万円、年収は約295万円となり、社会保険料控除後の手取りは約235万円です。
正社員(基本給20万円+夜勤手当3万円+資格手当1万円+各種手当1万円)の場合、月収25万円、年収300万円に賞与60万円を加えて年収約360万円となります。社会保険料・税金控除後の手取りは約280万円です。
フルタイムパートと正社員では月収にさほど差はありませんが、賞与の有無で年収は60万円〜100万円の差が生じます。長期的なキャリアを考えると、この差はさらに拡大します。より詳しい給与分析については「【関連記事】:介護職の年収・給料を徹底分析|資格別・施設別・地域別の相場」を参考にしてください。
勤務時間・シフトの違い
– [正社員の勤務体系と特徴](#正社員の勤務体系と特徴) – [パートの勤務体系と特徴](#パートの勤務体系と特徴)
勤務時間とシフトの柔軟性は、ワークライフバランスに直結する重要な要素です。正社員とパートでは、働き方の自由度が大きく異なります。
正社員の勤務体系と特徴
正社員はフルタイム勤務(週40時間・1日8時間)が求められ、介護施設では早番(7:00〜16:00)・日勤(9:00〜18:00)・遅番(11:00〜20:00)・夜勤(16:00〜翌9:00)のローテーションシフトが一般的です。
夜勤は月4〜5回程度で16時間の長時間勤務となり、人手不足時には月10〜30時間の残業が発生することも珍しくありません。シフトは施設側が作成するため希望が通らないこともあり、土日祝日の出勤も交代制で発生します。夜勤については「【関連記事】:介護職の夜勤を徹底解説|2交代・3交代制の違いと手当相場」で詳しく解説しているので、参考にしてください。施設の運営を支える立場として、柔軟な対応が求められます。
パートの勤務体系と特徴
パートは勤務時間を選べるのが大きな特徴で、週2日〜5日、1日3時間〜8時間など、希望に応じた勤務が可能です。時間帯の固定(早番のみなど)や子どもの送迎に合わせた9:00〜15:00勤務なども相談しやすいです。
扶養範囲内で働く場合は年収106万円または130万円の壁を超えないよう勤務時間を調整でき、夜勤専従パート(夜勤のみ)で効率的に稼ぐことも可能です。基本的に残業がなく、シフトの融通が利きやすいため、家庭の事情に合わせて働けることがパートの最大のメリットです。
仕事内容と責任範囲の違い
– [正社員に求められる役割](#正社員に求められる役割) – [パートに任される業務範囲](#パートに任される業務範囲)
雇用形態によって任される仕事内容と責任の重さが異なります。キャリアアップを目指すか、決められた業務に専念するか、選択の参考にしてください。
正社員に求められる役割
正社員は食事介助・入浴介助・排泄介助などの直接介護業務に加え、ユニットリーダーやフロアリーダーとしてチームをまとめる役割を担います。新人教育・シフト調整・家族対応なども重要な業務です。
さらに介護計画の作成・カンファレンス参加・委員会活動(感染症対策、事故防止など)といったマネジメント業務も求められ、夜勤時には施設全体の責任者として緊急時の対応も任されます。正社員は介護業務だけでなく施設運営に関わる幅広い役割を担う分、責任も重くなります。主任・施設長などの管理職へのキャリアパスも開かれています。
パートに任される業務範囲
パートは主に直接介護業務(食事・入浴・排泄・移乗介助)と日常生活支援(見守り・話し相手・レクリエーション)を担当し、介護記録の作成や申し送りも行いますが、基本的には日勤帯の業務に限定されます。
リーダー業務や委員会活動、夜勤対応は基本的に求められず、正社員の指示のもとで業務を行います。責任範囲が限定的なため、精神的負担は正社員より軽いです。ただしベテランパートには新人指導や軽度のリーダー業務を任されることもあり、施設によっては正社員並みの役割を期待される場合もあります。
正社員のメリット・デメリット
– [正社員のメリット5つ](#正社員のメリット5つ) – [正社員のデメリット5つ](#正社員のデメリット5つ)
正社員として働くことには、安定性とキャリア形成の面で大きなメリットがある一方、責任の重さや拘束時間の長さといったデメリットも存在します。
正社員のメリット5つ
1. 雇用の安定性 無期雇用契約で長期的に安心して働け、契約更新の不安がなく、ライフプラン立案がしやすいです。
2. 収入の安定と高さ 月給制により毎月一定の収入が保証され、賞与が年2回支給されるため、年収360万円以上も可能です。
3. キャリアアップの機会 リーダー・主任・施設長へのキャリアパス、さらに介護支援専門員(ケアマネジャー)への道も開かれています。介護職のキャリアアップについては「【関連記事】:介護職のキャリアアップ|ケアマネ・施設長への道を徹底解説」で詳しく説明しているので参考にしてください。
4. 充実した福利厚生 社会保険完備に加え、住宅手当・家族手当・退職金制度など長期的な生活設計に有利です。
5. 社会的信用 住宅ローンやクレジットカード審査が通りやすく、社会的信用が高まります。
正社員のデメリット5つ
1. 拘束時間の長さ フルタイム勤務に加え、残業や夜勤があり自由時間が限られます。
2. 責任の重さ リーダー業務や夜勤時の施設全体の責任など、精神的プレッシャーが大きいです。
3. シフトの柔軟性の低さ 施設の都合が優先されるため、希望休が取りにくく、土日祝日も勤務が発生します。
4. 転勤の可能性 複数施設を運営する法人では転勤を命じられることがあります。
5. 副業制限 多くの施設では副業が禁止されており、収入源を増やしにくいです。
パートのメリット・デメリット
– [パートのメリット5つ](#パートのメリット5つ) – [パートのデメリット5つ](#パートのデメリット5つ)
パートは時間的柔軟性と家庭との両立がしやすい一方、収入面やキャリア形成では正社員に比べて制約があります。
パートのメリット5つ
1. 時間の自由度 勤務日数・時間帯を選べるため、子育て・介護・趣味との両立がしやすいです。
2. 家庭との両立 学校行事や家族の予定に合わせてシフト調整でき、ワークライフバランスを保ちやすいです。
3. 副業・掛け持ち可能 複数の施設で働いたり、他の仕事と掛け持ちしたりすることが比較的自由です。
4. 責任の軽さ リーダー業務や夜勤がなく、決められた業務に専念できるため、精神的負担が少ないです。
5. 気軽に始められる 契約のハードルが低く、介護未経験でもスタートしやすく、合わなければ退職もしやすいです。
パートのデメリット5つ
1. 収入の不安定さ 時給制のため休んだ分収入が減り、シフト削減のリスクもあります。
2. 賞与がない ボーナスが支給されないため、年収では正社員と大きな差がつきます。
3. キャリア形成が困難 管理職への昇進の道が限られており、長期的なキャリアアップが難しいです。
4. 雇用の不安定さ 有期契約のため契約更新されないリスクがあり、経営悪化時は雇用調整の対象になりやすいです。
5. 福利厚生の制限 住宅手当・家族手当・退職金などが適用されず、長期的な生活保障が弱いです。
ライフスタイル別おすすめ雇用形態
– [正社員がおすすめな人](#正社員がおすすめな人) – [パートがおすすめな人](#パートがおすすめな人) – [雇用形態の切り替えタイミング](#雇用形態の切り替えタイミング)
ライフステージや目標に応じて、最適な雇用形態は異なります。状況別におすすめの働き方を紹介します。
正社員がおすすめな人
キャリア志向が強い方 リーダーや施設長、ケアマネジャーなど介護業界でキャリアアップしたい方には正社員が最適です。キャリアパスの詳細は「【関連記事】:介護職のキャリアアップ|ケアマネ・施設長への道を徹底解説」で確認できます。
安定した収入を重視する方 住宅ローンの予定や家族を養う必要がある場合、毎月安定した収入と賞与が必要な方は正社員が向いています。
単身者・独身の方 時間的制約が少なく、夜勤や残業に柔軟に対応できる方は、正社員として経験を積むのがおすすめです。
長期的に介護業界で働きたい方 退職金制度や厚生年金など、長期的な生活保障を重視する方は正社員を選ぶべきです。
パートがおすすめな人
子育て中の方 子どもの送迎や学校行事に合わせた勤務、短時間での家庭両立を希望する方はパートが最適です。
扶養範囲内で働きたい方 配偶者の扶養に入りながら、年収106万円または130万円以内に抑えたい方はパート勤務が適しています。
家族の介護をしている方 親の介護など家庭の事情で時間的制約がある方は、柔軟にシフト調整できるパートがおすすめです。
副業・ダブルワークを希望する方 他の仕事と掛け持ちしたい、複数の施設で経験を積みたい方はパートが向いています。
介護の仕事を試したい方 介護未経験で気軽にスタートしたい方は、パートから始めるのがよいでしょう。
雇用形態の切り替えタイミング
パートから正社員へ 子どもが小学校高学年以上になり時間的余裕ができた時、介護福祉士資格を取得してキャリアアップしたい時、経済的に安定収入が必要になった時が切り替えのタイミングです。多くの施設ではパートから正社員への登用制度があります。介護資格の取得方法については「【関連記事】:介護資格の取り方|初任者研修から介護福祉士までのロードマップ」で詳しく説明しています。
正社員からパートへ 出産・育児で時短勤務が必要になった時、親の介護が必要になった時、体力的に夜勤が厳しくなった時は、パートへの転換を検討しましょう。同じ施設で雇用形態を変更できる場合が多いです。
ライフステージの変化に応じて、雇用形態を柔軟に見直すことが、長く介護の仕事を続ける秘訣です。
まとめ: 自分に合った雇用形態を選ぶために
– 正社員は雇用の安定性・収入の高さ・キャリアアップの機会に優れているが、拘束時間が長く責任も重い – パートは時間的柔軟性が高く家庭との両立がしやすいが、収入面や雇用の安定性では正社員に劣る – 雇用形態の選択は、ライフステージ・経済状況・キャリア目標によって異なる – 「今の自分に何が必要か」を明確にし、自分の価値観に基づいた選択をすることが重要 – 雇用形態は固定ではなく、ライフステージの変化に応じて柔軟に切り替えることが可能 – 働きながら自分に合った働き方を見つけていくことが大切
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