カスタマーサポートの年収を徹底分析｜平均378万円の内訳と年収アップのコツ

公開日: 2025年11月29日更新日: 2025年11月30日

著者: MeTimeキャリア編集部

カスタマーサポート職への転職や、現在の給料に不満を感じている方にとって、年収水準は重要な判断材料です。カスタマーサポートの平均年収は378万円とされていますが、雇用形態や勤務地、企業規模によって大きく異なります。

この記事では、カスタマーサポートの年収について、データに基づいた詳細な分析を行います。月給と賞与の内訳から、正社員・派遣・アルバイトなどの雇用形態別の給料差、地域別・企業規模別の年収差まで、転職時に知っておくべき情報を網羅的に解説します。さらに、年収アップを実現するための具体的な方法もご紹介します。転職を検討している方は、「カスタマーサポートへ未経験から転職する方法」も合わせてご覧ください。

カスタマーサポートの平均年収は378万円

カスタマーサポートの平均年収は、各種調査データによると約378万円となっています。これは、正社員として働くカスタマーサポート職の平均値であり、月給換算では約31.5万円、賞与を含めた年間の総支給額となります。

月給と賞与の内訳
全職種と比較した年収水準

この数値は、求人情報サイトや転職エージェントが公表しているデータを基にしており、企業規模や業界、地域によって幅があります。実際には、年収300万円から500万円程度のレンジで分布しており、経験年数やスキル、担当する業務の専門性によって大きく変動します。

カスタマーサポートの年収は、他の事務職やサービス職と比較して平均的な水準にあります。ただし、IT企業やSaaS企業のテクニカルサポートなど、専門知識が求められるポジションでは、より高い年収を得られる傾向にあります。また、リーダーやスーパーバイザー(SV)などの役職に就くことで、年収400万円以上を目指すことも可能です。

月給と賞与の内訳

カスタマーサポートの平均年収378万円の内訳を見ると、月給が約26万円、賞与が年間2回で合計約66万円というのが一般的な構成です。月給には基本給のほか、各種手当(交通費、残業手当、勤務手当など)が含まれます。

賞与の支給回数と金額は企業によって異なりますが、夏季と冬季の年2回支給が標準的です。賞与額は基本給の1〜2ヶ月分が目安となり、業績や個人の評価によって変動します。正社員の場合、賞与がない企業はまれですが、契約社員や派遣社員では賞与が支給されないケースも多いため、雇用形態による年収差が大きくなる要因となっています。

全職種と比較した年収水準

国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均年収は約461万円です。カスタマーサポートの平均年収378万円は、全職種平均と比較すると約80万円低い水準となります。

ただし、事務職やサービス職など、カスタマーサポートと類似する職種で比較すると、ほぼ同等かやや高い水準にあります。一般事務職の平均年収が約330万円、コールセンターオペレーターが約320万円であることを考えると、カスタマーサポートは比較的安定した年収を得られる職種と言えます。また、未経験から始められる職種としては、キャリアアップによる年収増加の可能性が高い点も魅力です。

雇用形態別の年収・時給データ

カスタマーサポートの給料は、雇用形態によって大きく異なります。正社員、契約社員、派遣社員、アルバイトそれぞれの給料体系には明確な違いがあり、年収に換算すると100万円以上の差が生じることもあります。ここでは、雇用形態別の具体的な年収・時給データを詳しく解説します。

正社員の年収レンジ
契約社員・派遣社員の時給と年収換算
アルバイト・パートの時給相場

正社員の年収レンジ

正社員のカスタマーサポートの年収は、300万円から500万円程度が一般的なレンジです。未経験入社の場合は年収280万円から320万円でスタートし、経験を積むことで徐々に昇給していきます。

正社員のメリットは、安定した月給に加えて賞与が支給される点です。また、昇給制度が整っている企業が多く、年1回の定期昇給で年間5,000円から1万円程度の基本給アップが見込めます。さらに、リーダーやSVなどの役職に昇進することで、年収400万円以上を目指すことも可能です。福利厚生も充実しており、社会保険完備、退職金制度、各種手当などが付与されるため、時給換算では派遣社員と同等でも、総合的な待遇では正社員が有利となるケースが多くあります。

契約社員・派遣社員の時給と年収換算

契約社員や派遣社員のカスタマーサポートの時給は、1,300円から1,800円が相場です。都市部や専門知識が求められる業界では、時給2,000円以上の求人も存在します。

時給1,500円で週5日、1日8時間勤務(月160時間)の場合、月収は24万円となり、年収換算では約288万円です。ただし、多くの契約社員・派遣社員には賞与が支給されないため、正社員と比較すると年収ベースでは低くなる傾向があります。一方で、時給が高めに設定されているケースも多く、短期間で効率的に稼ぎたい方や、ライフスタイルに合わせて働きたい方には適しています。また、派遣社員の場合、派遣会社の福利厚生サービスを利用できる点もメリットです。

アルバイト・パートの時給相場

アルバイト・パートのカスタマーサポートの時給は、1,000円から1,400円が一般的な相場です。地域や企業規模、勤務時間帯によって時給は変動し、深夜帯や土日祝日には割増賃金が適用されます。

未経験者でも時給1,100円程度からスタートでき、経験を積むことで時給1,300円以上を目指すことも可能です。週3日、1日5時間勤務(月60時間)の場合、時給1,200円なら月収は約7.2万円となります。アルバイト・パートの魅力は、勤務時間や曜日の柔軟性が高い点です。学生や主婦(主夫)、副業として働きたい方に適しており、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

地域別・企業規模別の年収差

カスタマーサポートの年収は、勤務地や企業規模によっても大きく変わります。東京や大阪などの大都市圏と地方都市では、同じ業務内容でも年収に50万円以上の差が生じることもあります。また、大企業と中小企業でも、福利厚生を含めた総合的な待遇に違いがあります。ここでは、地域別・企業規模別の年収差について詳しく見ていきます。

首都圏と地方の年収差
企業規模による給料の違い

首都圏と地方の年収差

東京や神奈川などの首都圏でカスタマーサポートとして働く場合、平均年収は約400万円から420万円となります。一方、地方都市では平均年収が約330万円から360万円程度となり、首都圏と比較して50万円から100万円程度低くなる傾向があります。

この差は、物価や生活費の違いを反映したものです。首都圏では家賃や交通費が高いため、企業側も地域手当を上乗せして給料を設定しています。ただし、リモートワークの普及により、地方在住でも首都圏の企業で働けるケースが増えており、地方に住みながら首都圏水準の年収を得られる機会も広がっています。転職を検討する際は、勤務地だけでなく、リモートワークの可否や地域手当の有無も確認することが重要です。

企業規模による給料の違い

企業規模によっても、カスタマーサポートの年収には違いがあります。従業員数1,000名以上の大企業では、平均年収が約420万円から450万円となり、充実した福利厚生や退職金制度が整っています。

中小企業やベンチャー企業では、平均年収が約320万円から380万円程度となりますが、昇進のスピードが速く、早期にリーダーやSVになれる可能性があります。また、SaaS企業やIT企業のカスタマーサポートでは、企業規模に関わらず年収が高い傾向にあり、テクニカルサポートやカスタマーサクセスへのキャリアパスも明確です。企業選びの際は、年収だけでなく、キャリアアップの機会や成長性も含めて総合的に判断することをおすすめします。カスタマーサポートのキャリアパスについてさらに詳しく知りたい方は、「カスタマーサポートのキャリアパスを解説」をご覧ください。

年齢・経験年数別の年収推移

カスタマーサポートの年収は、年齢や経験年数に応じて段階的に上昇していきます。未経験からスタートした場合でも、スキルアップとキャリアアップにより、年収400万円以上を目指すことが可能です。ここでは、年齢・経験年数別の年収推移を詳しく解説します。

20代(未経験〜3年目)の年収
30代(中堅)の年収
40代以降(ベテラン・管理職)の年収

20代(未経験〜3年目)の年収

20代でカスタマーサポートとして働く場合、未経験入社の初年度は年収280万円から350万円程度でスタートします。新卒採用や第二新卒の場合、年収300万円前後が一般的です。

経験を積んで3年目になると、年収は320万円から380万円程度まで上昇します。この時期は、業務の基礎を習得し、後輩の指導やチームリーダー候補として期待される段階です。昇給のペースは企業によって異なりますが、年間5,000円から1万円程度の定期昇給が一般的です。また、優秀な成績を収めれば、早期にリーダー職に抜擢され、年収380万円以上を得られるケースもあります。

30代(中堅)の年収

30代のカスタマーサポートは、チームリーダーやスーパーバイザー(SV)として活躍する年代です。年収は350万円から450万円程度となり、管理職手当や役職手当が加算されることで、20代と比較して大幅な年収アップが期待できます。

この年代では、メンバーのマネジメントや業務改善、新人教育などの責任ある業務を担当します。さらに、カスタマーサクセスやプロダクトマネージャーなど、より専門性の高い職種へのキャリアチェンジで、年収500万円以上を目指すことも可能です。スキルアップと実績次第で、キャリアの幅が大きく広がる重要な時期と言えます。

40代以降(ベテラン・管理職)の年収

40代以降は、マネージャーやカスタマーサポート部門の責任者として活躍する年代です。年収は450万円から600万円程度となり、企業規模や業界によってはそれ以上の年収を得ることも可能です。

この年代では、部門全体の戦略立案や予算管理、経営層との連携など、高度なマネジメント業務を担当します。また、長年の経験を活かして、エスカレーション対応やクライアント折衝など、難易度の高い業務を専門的に担当する道もあります。ただし、カスタマーサポート職として年収600万円以上を目指すには、管理職ポジションに就くか、専門性の高い分野でのスペシャリストとして評価される必要があります。

カスタマーサポートで年収を上げる5つの方法

カスタマーサポートとして年収を上げるには、スキルアップやキャリアアップ、転職など、複数の選択肢があります。現在の職場で評価を高める方法から、より高年収の企業へ転職する戦略まで、実践的な年収アップの方法を解説します。

スキルアップで評価を高める
リーダー・SVへのキャリアアップ
カスタマーサクセスへのキャリアチェンジ
高年収企業への転職

スキルアップで評価を高める

カスタマーサポートとして年収を上げる最も基本的な方法は、スキルアップによって社内評価を高めることです。製品知識の深化、コミュニケーション能力の向上、データ分析スキルの習得などが重要です。

特に、顧客対応の質を数値化して改善できる人材は高く評価されます。顧客満足度(CSAT)や初回解決率(FCR)などのKPIを意識し、継続的に改善することで、昇給や賞与アップにつながります。また、CRMツールやチャットボットなどのITツールを使いこなせるスキルも、年収アップに有利です。資格取得(ITパスポート、MOS、カスタマーサービススペシャリストなど)も、スキルの証明として評価されやすくなります。

リーダー・SVへのキャリアアップ

チームリーダーやスーパーバイザー(SV)への昇進は、年収を大きく上げる効果的な方法です。リーダー職になることで、役職手当が加算され、年収が50万円から100万円程度アップするケースが一般的です。

リーダー・SVに求められるのは、メンバーのマネジメント能力、業務改善の提案力、トラブル対応のスキルなどです。日頃から後輩の指導や業務改善の提案を積極的に行い、マネジメント能力をアピールすることが重要です。また、SV職はストレスの多いポジションでもあるため、メンタル管理やコミュニケーション能力も求められます。昇進のチャンスがあれば、積極的に手を挙げることをおすすめします。カスタマーサポートのSV職になる方法について詳しく知りたい方は、「カスタマーサポートのSV（スーパーバイザー）になる方法」をご覧ください。

カスタマーサクセスへのキャリアチェンジ

カスタマーサポートからカスタマーサクセス(CS)へのキャリアチェンジは、年収を100万円以上アップさせる可能性がある選択肢です。カスタマーサクセスは、顧客の成功を支援し、継続率や売上向上に貢献する職種で、カスタマーサポートよりも年収水準が高い傾向にあります。

カスタマーサクセスへの転向には、顧客折衝の経験、データ分析スキル、プロダクト知識の深さが求められます。カスタマーサポートで培った顧客対応力は大きな武器となるため、データドリブンな思考やビジネススキルを身につけることで、スムーズにキャリアチェンジできます。特にSaaS企業では、カスタマーサポートからカスタマーサクセスへの社内異動の機会も多く、年収アップを目指しやすい環境です。カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いについて詳しく知りたい方は、「カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い」をご覧ください。

高年収企業への転職

より高い年収を得るために、IT企業やSaaS企業など、高年収を提示している企業への転職も有効な選択肢です。特に、外資系企業やメガベンチャーのカスタマーサポートは、年収400万円から500万円以上のポジションも多く存在します。

転職を成功させるには、これまでの実績を数値化してアピールすることが重要です。顧客満足度の向上率、問い合わせ対応件数、業務改善による効率化の成果などを具体的に示すことで、採用担当者に評価されやすくなります。転職エージェントを活用し、非公開求人や高年収ポジションの情報を得ることも、年収アップには欠かせません。カスタマーサポートに未経験から転職する方法について詳しく知りたい方は、「カスタマーサポートへ未経験から転職する方法」をご覧ください。

年収以外に確認すべき待遇のポイント

転職や就職を検討する際、年収だけで判断するのは危険です。各種手当や福利厚生、勤務時間、休日制度など、総合的な待遇を確認することで、長く働ける職場かどうかを見極めることができます。ここでは、年収以外にチェックすべき重要なポイントを解説します。

各種手当と福利厚生
勤務時間と休日制度

各種手当と福利厚生

カスタマーサポートの求人を比較する際は、基本給だけでなく、各種手当の有無を確認しましょう。交通費全額支給、残業手当、在宅勤務手当、資格手当などは、実質的な収入に大きく影響します。

福利厚生では、社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)は最低限の条件です。それに加えて、退職金制度、住宅手当、家族手当、育児支援制度などがあれば、長期的に見て収入面でのメリットが大きくなります。また、研修制度や資格取得支援制度が充実している企業は、スキルアップの機会が多く、将来的な年収アップにもつながります。

勤務時間と休日制度

カスタマーサポートの勤務時間は、企業によって大きく異なります。シフト制の場合、早番・遅番・夜勤などがあり、深夜帯や休日出勤には割増賃金が適用されます。

年間休日数も重要なチェックポイントです。年間休日120日以上が標準的ですが、企業によっては100日前後の場合もあります。また、有給休暇の取得率や、完全週休2日制かどうかも確認しましょう。リモートワークやフレックスタイム制度の有無も、ワークライフバランスを重視する方には重要な要素です。年収が高くても、実労働時間が長ければ時給換算では低くなる可能性があるため、総合的に判断することが大切です。カスタマーサポートのリモートワーク事情について詳しく知りたい方は、「カスタマーサポートのリモートワークは可能？」をご覧ください。

まとめ:自分に合った年収水準の仕事を見つけよう

カスタマーサポートの平均年収は378万円ですが、雇用形態、勤務地、企業規模、経験年数によって大きく異なります。正社員であれば300万円から500万円のレンジで、派遣社員やアルバイトは時給制で働くことになります。

年収アップを目指すには、スキルアップによる社内評価の向上、リーダー・SVへの昇進、カスタマーサクセスへのキャリアチェンジ、高年収企業への転職など、複数の選択肢があります。自分のキャリアプランに合った方法を選び、計画的にステップアップしていくことが重要です。

転職を検討する際は、年収だけでなく、福利厚生や勤務時間、休日制度なども総合的に判断しましょう。自分のライフスタイルや価値観に合った職場を選ぶことで、長く働き続けられ、結果として安定した収入とキャリアを築くことができます。カスタマーサポートは、未経験から始められる上に、キャリアアップの道筋が明確な職種です。この記事の情報を参考に、自分に合った年収水準の仕事を見つけてください。