ホテルスタッフの1日の流れを職種別に紹介|早番・中番・遅番の実態

ホテルスタッフの仕事内容と役割分担
ホテルの運営には、多くの異なる職種のスタッフが携わっており、それぞれが重要な役割を果たしています。ホテルスタッフの業務は、宿泊されるゲストに最高の滞在体験を提供することを目的として、細かく分業されています。フロントデスクでの接客業務、客室を清潔に保つハウスキーピング業務、そしてゲストの多様な要望に応えるコンシェルジュ業務など、各部門が連携しながらホテル全体のサービス品質を維持しています。
ホテルスタッフは、24時間365日営業という特性上、早番・中番・遅番という3つのシフト制で勤務するのが一般的です。それぞれのシフトには特有の業務内容があり、スタッフは交代制でホテルの運営を支えています。ここでは、主要な3つの職種について、その特徴的な業務と1日の流れを詳しく紹介します。
– [フロント業務の特徴](#フロント業務の特徴) – [ハウスキーピング業務の特徴](#ハウスキーピング業務の特徴)
フロント業務の特徴
フロントスタッフはホテルの顔となる存在で、ゲストとの最初の接点からチェックアウトまで、直接的な接客を担当します。予約管理システム(PMS)の操作、チェックインやチェックアウトの手続き、電話・メールでの問い合わせ対応、館内施設の案内など、ホテル業務の中核を担っています。また、宿泊料金の精算、外貨両替、タクシーの手配といった付帯業務も多岐にわたります。コミュニケーション能力と正確な事務処理能力の両方が求められる職種です。「【関連記事】:ホテルスタッフの仕事内容を職種別に解説」では、フロント業務の詳しい内容と他の職種との違いについて説明しています。
ハウスキーピング業務の特徴
ハウスキーピングスタッフは客室の清掃・整備を専門とする職種です。ゲストが快適に過ごせる環境づくりに責任を持ち、タイムリーな清掃と緻密な作業品質が求められます。ベッドメイキング、バスルームの清掃、アメニティの補充、タオルやリネン類の交換など、客室内のすべての要素をチェックして整える仕事です。チェックアウト後の客室を迅速にターンオーバー(次のゲスト受入可能な状態に仕上げること)させることが重要な業務となっています。体力的な負担は大きいものの、清潔で美しい客室を作り上げる達成感があります。「【関連記事】:ホテルの客室清掃・ハウスキーピングの仕事内容」では、ハウスキーピング業務の詳しい内容と未経験者向けの情報を紹介しています。
フロントスタッフの1日のスケジュール
フロントスタッフは、ホテルの営業時間を通じて、さまざまなシフトで対応しています。職位や経験年数によってシフトパターンは異なりますが、一般的な3つのシフト形態を紹介します。フロント業務は、ゲストとの直接的なコミュニケーションが中心となるため、各シフトでゲストの動きに合わせた業務内容が組まれています。
– [早番のタイムスケジュール(6時~14時)](#早番のタイムスケジュール6時14時) – [中番のタイムスケジュール(10時~18時)](#中番のタイムスケジュール10時18時) – [遅番のタイムスケジュール(14時~22時)](#遅番のタイムスケジュール14時22時)
早番のタイムスケジュール(6時~14時)
早番スタッフは、ホテルの朝の立ち上がりを担う重要な役割を持っています。6時に出勤し、前日の遅番スタッフからの引き継ぎ事項を確認します。まず、予約管理システム(PMS)の動作確認と当日のチェックアウト予定、チェックイン予定を把握します。7時頃からは朝食会場へ向かうゲストへの案内や、早朝チェックアウトの対応が始まります。
10時から12時にかけてがチェックアウトのピークタイムとなり、精算業務や荷物預かりの対応が集中します。この時間帯は迅速かつ正確な対応が求められ、次のゲストを待たせないよう効率的な業務処理が必要です。12時頃には昼食の休憩を取り、13時頃から中番スタッフへの詳細な引き継ぎを行い、14時に退勤となります。早番は朝型の生活リズムに合う方に適したシフトです。「【関連記事】:ホテルスタッフの勤務時間とシフトの実態」で、シフト制勤務についてさらに詳しく解説しています。
中番のタイムスケジュール(10時~18時)
中番スタッフは、ホテルの日中業務の中心を担います。10時に出勤後、早番スタッフから引き継ぎを受け、午前中の残りのチェックアウト対応を継続します。12時から14時は比較的落ち着いた時間帯となり、予約の確認作業、問い合わせメールへの返信、翌日の準備業務などを行います。
15時からはチェックインが本格的に始まり、18時頃までが最も忙しい時間帯となります。ゲストの受付、客室の説明、館内施設の案内、周辺観光情報の提供など、丁寧な接客が求められます。外国人ゲストが多いホテルでは、語学力を活かせる場面も多くあります。17時頃から遅番スタッフへの引き継ぎを始め、当日の注意事項や特別対応が必要なゲストの情報を共有し、18時に退勤します。中番は生活リズムを保ちやすく、プライベートの時間も確保しやすいシフトです。
遅番のタイムスケジュール(14時~22時)
遅番スタッフは、午後から夜間にかけてのホテル運営を支えます。14時に出勤し、中番スタッフから引き継ぎを受けた後、15時から18時のチェックインラッシュに対応します。夕方から夜にかけては、レストランの予約変更、タクシー手配、周辺情報の問い合わせなど、多様なリクエストに応えます。
19時以降は比較的落ち着きますが、遅い時間帯のチェックインや、緊急の対応が必要な場合もあります。21時頃からは翌日の準備として、予約状況の最終確認、客室の割り振り調整、深夜帯への引き継ぎ事項のまとめを行います。22時に退勤となりますが、大規模ホテルでは深夜帯のナイトスタッフへ業務を引き継ぎます。遅番は夜型の生活リズムに合う方や、午前中に用事を済ませたい方に向いています。
ハウスキーピングスタッフの1日のスケジュール
ハウスキーピングチームは、3つのシフトに分かれて客室の清掃・管理を行っています。客室清掃は、ゲストの満足度を左右する重要な業務であり、チェックアウト後の限られた時間内に質の高い清掃を完了させる必要があります。各シフトの役割と具体的な業務内容を説明します。
– [早番のタイムスケジュール(6時~14時)](#早番のタイムスケジュール6時14時-1) – [中番のタイムスケジュール(10時~18時)](#中番のタイムスケジュール10時18時-1) – [遅番のタイムスケジュール(14時~22時)](#遅番のタイムスケジュール14時22時-1)
早番のタイムスケジュール(6時~14時)
早番のハウスキーピングスタッフは、朝の客室ターンオーバー業務の中心を担います。6時に出勤すると、まずスタッフルームで清掃用具、洗剤、リネン類、アメニティグッズなどの備品を準備します。その後、フロントから当日のチェックアウト予定と客室の状況リストを受け取り、優先的に清掃すべき部屋を確認します。
7時から11時にかけては、チェックアウト済みの客室を次々と清掃していきます。1部屋あたり30分から45分程度で、ベッドメイキング、バスルームの清掃と消毒、床の掃除機がけ、家具の拭き掃除、アメニティの補充、タオル類の交換などを完了させます。特に午前中は多くのゲストがチェックアウトするため、効率的な作業が求められます。清掃完了後は客室の状態を写真で記録し、品質管理のチェックを受けます。
11時から12時は昼食休憩を取り、12時から14時までは追加で割り当てられた客室の清掃や、共用スペース(廊下、エレベーターホール、ロビーのトイレなど)の清掃を行います。14時の退勤前には、使用した清掃用具の片付けと、中番スタッフへの引き継ぎを行います。「【関連記事】:ホテルスタッフに向いている人の特徴10選」では、ハウスキーピング職に適した適性について詳しく紹介しています。
中番のタイムスケジュール(10時~18時)
中番のハウスキーピングスタッフは、日中の清掃業務と突発的な対応を担当します。10時に出勤後、早番スタッフから引き継ぎを受け、未完了の客室清掃リストを確認します。午前中の残り時間は、チェックアウト済み客室の清掃を継続します。
12時から13時は昼食休憩を取り、13時から16時にかけては、連泊ゲストの客室清掃(ベッドメイキング、バスルーム清掃、タオル交換、ゴミ回収など)や、ゲストからの追加アメニティのリクエスト対応を行います。また、定期的な深掃除が必要な客室や、特別清掃が必要な箇所(カーペットのシミ取り、窓ガラスの清掃など)にも対応します。
16時から18時は、翌日のチェックイン用の最終確認作業や、リネン・アメニティの在庫確認と補充を行います。また、遅番スタッフへの引き継ぎ事項をまとめ、18時に退勤します。中番は早番と遅番の橋渡しとなる重要な役割を果たしています。
遅番のタイムスケジュール(14時~22時)
遅番のハウスキーピングスタッフは、午後から夜間にかけての清掃と、翌日への準備業務を担当します。14時に出勤し、中番スタッフから引き継ぎを受けた後、まず当日中に完了すべき客室清掃リストを確認します。14時から17時にかけては、遅めのチェックアウト客室の清掃や、連泊客室の夕方清掃(タオル交換、ベッドの整え直し、ゴミの回収など)を行います。
17時から18時は夕食休憩を取り、18時から21時にかけては、共用スペースの深掃除やメンテナンス作業を行います。具体的には、廊下のカーペット清掃、エレベーター内の清掃、ロビーや待合室の整理整頓、自動販売機コーナーの清掃などです。また、翌日の早番スタッフが使用する清掃用具の点検と補充、リネン室の整理なども重要な業務です。
21時から22時は、翌日のチェックイン予定客室の最終確認と、深夜帯や早番への引き継ぎ事項をまとめます。遅番は日中の清掃業務が少ない分、じっくりと深掃除や準備作業に時間を割ける点が特徴です。
コンシェルジュスタッフの1日のスケジュール
コンシェルジュはゲストサービスの専門職として、高度な情報提供とサポートを行っています。フロント業務とは異なり、チェックイン・チェックアウトの事務処理ではなく、ゲストの要望に応える付加価値サービスに特化しています。レストランやエンターテイメントの予約、観光プランの提案、交通手段の手配、特別なリクエストへの対応など、ゲストの滞在をより充実させるためのサポートを提供します。
– [早番・中番・遅番の主な業務](#早番中番遅番の主な業務) – [シフト間の業務引き継ぎ](#シフト間の業務引き継ぎ)
早番・中番・遅番の主な業務
コンシェルジュも他の職種と同様に3つのシフトで対応していますが、シフトごとにゲストからの要望内容が異なります。早番(6時~14時)では、朝の観光プランの相談や、当日の予約確認、ビジネスセンターの利用案内などが中心です。特に朝食後の時間帯は、観光に出かけるゲストからの交通手段や観光地についての問い合わせが集中します。
中番(10時~18時)は、最も多様な要望が寄せられる時間帯です。レストランやスパの予約、観光ツアーの手配、ショッピングエリアの案内、劇場やコンサートのチケット手配など、幅広いリクエストに対応します。また、チェックイン時のゲストへのウェルカム対応や、ホテル周辺の情報提供も重要な業務です。
遅番(14時~22時)は、夕食レストランの予約変更や追加予約、夜間のエンターテイメント情報の提供、翌日の早朝出発に向けた交通手段の手配などが主な業務となります。夜間はゲストがホテルに戻ってくる時間帯でもあり、当日の観光の感想を聞きながら翌日のプランを提案することも多くあります。
シフト間の業務引き継ぎ
コンシェルジュ業務において、シフト間の引き継ぎは極めて重要です。ゲストの要望は時間をまたいで対応が必要な場合が多く、次のシフトのスタッフが適切に対応できるよう、詳細な情報共有が求められます。
引き継ぎ事項には、予約待ちのレストラン情報、手配中の交通手段、特別なリクエストの進捗状況、VIPゲストの情報、未解決のトラブルや問い合わせなどが含まれます。多くのホテルでは、コンシェルジュ専用の引き継ぎノートやシステムを使用し、各ゲストごとの対応履歴を時系列で記録しています。
また、シフト交代の15分から30分前には、対面での引き継ぎミーティングを行い、文字では伝わりにくいニュアンスや、ゲストの反応、特に注意すべき点などを口頭で共有します。この綿密な引き継ぎにより、24時間を通じて一貫した質の高いゲストサービスが提供できるのです。コンシェルジュは、チームワークとコミュニケーション能力が特に求められる職種と言えます。「【関連記事】:ホテルスタッフのキャリアパス」では、ホテル業界でのキャリア発展について詳しく解説しています。
ホテルスタッフの休憩時間と福利厚生
ホテルスタッフは、法定労働時間に基づいた適切な休憩時間が保障されています。8時間勤務のシフトでは、通常1時間の休憩時間が設けられ、昼食や夕食をゆっくり取ることができます。休憩時間は業務の状況に応じて柔軟に調整され、スタッフ同士で協力しながら交代で休憩を取る体制が整っています。「【関連記事】:ホテルスタッフの勤務時間とシフトの実態」では、シフト制勤務の詳しい内容や休日の取得方法についてさらに詳しく解説しています。
多くのホテルでは、従業員専用の食堂やスタッフラウンジが用意されており、休憩時間には温かい食事を取ることができます。大規模ホテルでは、従業員食堂で無料または格安で食事が提供されることも多く、栄養バランスの取れた食事でスタッフの健康管理をサポートしています。また、ロッカールームや休憩室では、リラックスしてリフレッシュできる環境が整えられています。
福利厚生面では、社会保険完備はもちろん、ホテル施設の割引利用(レストラン、スパ、宿泊など)、グループホテルの優待宿泊、制服の貸与と洗濯サービス、交通費支給などが一般的です。また、キャリアアップを支援する研修制度や資格取得支援制度を設けているホテルも多く、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っています。シフト制勤務のため、平日に休日を取得でき、混雑を避けてプライベートの時間を楽しめるというメリットもあります。
まとめ:ホテルスタッフの1日を理解する
ホテルスタッフの1日は、職種やシフトによって大きく異なります。フロントスタッフはゲストとの直接的なコミュニケーションを通じてホテルの顔として活躍し、ハウスキーピングスタッフは快適な客室環境を作り上げ、コンシェルジュスタッフはゲストの特別な要望に応える付加価値サービスを提供します。各部門が連携し、24時間体制で質の高いサービスを提供することで、ホテル全体の運営が成り立っています。「【関連記事】:未経験からホテルスタッフへの転職完全ガイド」では、ホテル業界へのキャリアチェンジについて詳しく解説しており、この記事で紹介した職種や勤務形態を参考にしながら、自分に合ったホテルキャリアを検討できます。
早番・中番・遅番というシフト制は、スタッフの生活リズムや個人的な事情に合わせて選択できるため、多様な働き方が可能です。早番は朝型の方に、中番は標準的な生活リズムを保ちたい方に、遅番は夜型の方や午前中に用事を済ませたい方に適しています。また、休憩時間や福利厚生も充実しており、長く働き続けられる環境が整っています。
これからホテルでの就職を考えている方は、自分の適性や希望する働き方を考慮して、職種とシフトを選択することが重要です。ホテル業界は、人と接することが好きで、チームワークを大切にできる方にとって、大きなやりがいと成長機会を提供してくれる業界です。この記事で紹介した具体的なスケジュールを参考に、自分に合ったホテルキャリアを見つけてください。
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