システムエンジニアが学ぶべきプログラミング言語|おすすめ言語

システムエンジニア(SE)のキャリアにおいて、プログラミング言語の習得は必須のスキルとなっています。従来のSEは設計書作成や要件定義が中心でしたが、現代では実装スキルを持つSEの需要が急速に高まっています。
本記事では、未経験からSEを目指す方、さらなるスキルアップを目指す現役SEの方に向けて、学ぶべきプログラミング言語とその選び方を徹底解説します。Java、Python、JavaScriptなど主要言語の特徴や用途、習得にかかる時間、市場需要まで網羅的にお伝えします。
自分のキャリア目標に合った言語を選び、計画的に学習を進めることで、年収アップや希望する分野への転職を実現できます。まずは、なぜSEにとってプログラミング言語学習が重要なのかを見ていきましょう。
なぜシステムエンジニアがプログラミング言語学習が重要か
IT業界では、従来の「設計だけできるSE」から「設計も実装もできるSE」への変化が進んでいます。このセクションでは、プログラミング言語を学ぶことがSEのキャリアに与える影響と、市場における需要の変化について解説します。
SE業務の多様化とプログラミング需要の高まり
現代のSE業務は要件定義や設計だけではなく、実装やテスト、運用保守まで幅広くカバーするようになっています。特に小規模プロジェクトやアジャイル開発では、SEが直接コーディングを担当するケースが増えています。
クラウド化やマイクロサービスアーキテクチャの普及により、インフラとアプリケーションの境界が曖昧になり、両方のスキルを持つフルスタックエンジニアの需要が高まっています。また、AI・機械学習やデータ分析の分野では、プログラミングスキルなしでは業務が成立しません。
企業側も、設計だけでなく実装までできるSEを求めています。求人サイトの統計によると、SE職の募集要項の約70%がなんらかのプログラミング言語スキルを必須または優遇条件としています。プログラミングスキルを持たないSEは、今後のキャリアで選択肢が狭まる可能性があります。
言語習得が年収・キャリアに与える影響
プログラミング言語を習得したSEは、習得していないSEと比較して年収が平均50万円〜100万円高い傾向があります。特にPythonやGo、AWSやGCPなどのクラウド関連スキルを持つSEは、年収600万円以上の求人が豊富です。
キャリアの選択肢も大きく広がります。基幹系システム、Web系開発、AI・データ分析、クラウド・インフラなど、習得した言語に応じて多様な分野に挑戦できます。特定の言語に精通することで、専門性の高いスペシャリストとして市場価値を高めることも可能です。
また、プログラミングスキルを持つことで、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)にキャリアアップする際にも、技術的な裏付けのある判断ができるようになります。現場の実装難易度を理解しているマネージャーは、開発チームからの信頼も厚く、プロジェクトを成功に導きやすくなります。
システムエンジニア向けプログラミング言語選択のポイント
プログラミング言語を選ぶ際には、自分が目指すSEの専門分野とキャリアステージに合わせた選択が重要です。このセクションでは、領域別の言語選択と、自分のレベルに応じた学習順序について解説します。
Web系、基幹系、AI系の領域別選択
SE業務は大きく分けて「Web系」「基幹系」「AI・データ分析系」「インフラ・クラウド系」の4つの領域があり、それぞれ求められる言語が異なります。
Web系開発では、JavaScript(フロントエンド)、TypeScript、Python、Ruby、PHPなどが主流です。モダンなWebアプリケーション開発では、ReactやVueなどのフレームワークを使いこなすスキルも求められます。スタートアップや自社サービス開発企業では、Web系言語のニーズが高い傾向があります。
基幹系システム開発では、Java、C#、COBOLが圧倒的なシェアを占めています。特にJavaは金融機関や官公庁の大規模システムで広く使われており、安定した需要があります。C#はマイクロソフト系の企業システムで採用されることが多く、Windows環境との親和性が高いです。
AI・データ分析系では、Pythonが事実上の標準言語となっています。機械学習ライブラリ(scikit-learn、TensorFlow、PyTorch)が充実しており、統計解析やデータ可視化も容易です。R言語も統計分野で使われますが、汎用性ではPythonが優位です。
インフラ・クラウド系では、Go、Python、Rustが注目されています。コンテナ技術(Docker、Kubernetes)やマイクロサービス開発ではGoが、自動化スクリプトやDevOps業務ではPythonが好まれます。
難易度とキャリアステージの関係
プログラミング言語には習得難易度があり、自分のキャリアステージに応じて適切な言語を選ぶことが挫折を防ぐポイントです。
未経験・初心者SEには、Pythonが最もおすすめです。文法がシンプルで読みやすく、学習教材も豊富です。Web開発からデータ分析まで幅広く使えるため、最初の1言語として最適です。次にJavaScriptを学ぶと、Web系の仕事の幅が広がります。
経験1〜3年のSEは、専門分野に応じて2つ目の言語を習得する段階です。基幹系ならJava、Web系ならTypeScript、インフラ系ならGoなど、業務で使う機会が多い言語を選びましょう。複数の言語を扱えることで、プロジェクトのアサイン幅が広がります。
経験3年以上のSEは、より専門性の高い言語やニッチな言語に挑戦できます。Rustのようなシステムプログラミング言語や、Kotlinのようなモダン言語を習得することで、技術的な差別化が図れます。
システムエンジニア向けおすすめプログラミング言語一覧
ここからは、システムエンジニアが学ぶべき主要なプログラミング言語を、用途別に詳しく解説します。各言語の特徴、主な使用領域、習得難易度、市場需要を理解して、自分のキャリアプランに合った言語を選びましょう。
Java|基幹系・大規模エンタープライズシステムの必須言語
Javaは、エンタープライズシステム開発において最も広く使われているプログラミング言語です。金融機関、官公庁、大手企業の基幹系システムの大半がJavaで構築されており、安定した需要があります。
Javaの主な特徴は、オブジェクト指向プログラミングの徹底、プラットフォーム非依存性(Write Once, Run Anywhere)、豊富なフレームワーク(Spring、Spring Boot、Hibernate)です。これらの特性により、大規模で複雑なシステムの保守性と拡張性を確保できます。
使用領域は、基幹系システム、Webアプリケーション、Androidアプリ開発、金融系システムなどです。特に銀行系システムや証券会社のトレーディングシステムでは、Javaが圧倒的シェアを持ちます。大手SIerではJavaスキルが必須条件となることが多く、新卒研修でもJavaを採用する企業が多数です。
習得難易度は中〜高レベルです。オブジェクト指向の概念、型システム、例外処理など、初心者には理解に時間がかかる要素が多いです。しかし、体系的に学べば確実にスキルアップできる言語です。学習期間の目安は、基礎習得に3〜6ヶ月、実務レベルに到達するまで6〜12ヶ月程度です。
市場需要は非常に高く、求人数も豊富です。転職サイトでJavaスキルを持つSEの求人は常に上位にランクインしており、年収500万円〜800万円の案件が中心です。経験豊富なJavaエンジニアは年収1000万円以上も目指せます。安定性と将来性の両方を求めるSEにとって、Javaは最有力候補の言語です。
Python|AI・データ分析から自動化まで最も需要が高い言語
Pythonは、初心者にも学びやすく、かつAI・機械学習、データサイエンス、自動化スクリプトなど幅広い分野で活用できる万能言語です。近年のAIブームにより需要が急増しており、未経験者が最初に学ぶ言語として最もおすすめです。
Pythonの主な特徴は、シンプルで読みやすい文法、豊富なライブラリとフレームワーク、マルチパラダイム対応です。インデントでブロックを表現する独特の構文により、コードの可読性が高く、チーム開発でも保守しやすい特性があります。NumPy、Pandas、Matplotlib(データ分析)、Django、Flask(Web開発)など、目的別のライブラリが充実しています。
使用領域は極めて広範囲です。AI・機械学習、データ分析・統計処理、Web開発(バックエンド)、業務自動化スクリプト、科学技術計算など、ほぼすべての分野で利用されています。GoogleやMetaなど大手IT企業でも標準言語として採用されており、スタートアップから大企業まで幅広く使われています。
習得難易度は低〜中レベルで、プログラミング初心者にとって最も学びやすい言語の一つです。文法がシンプルで直感的なため、他の言語に挫折した人でもPythonなら習得できることが多いです。基礎習得に2〜3ヶ月、実務レベルに到達するまで4〜6ヶ月が目安です。
市場需要は急速に拡大しており、特にAI・データサイエンス分野では圧倒的な需要があります。Pythonエンジニアの平均年収は550万円〜700万円、AI・機械学習エンジニアになると700万円〜1000万円以上も狙えます。未経験からSEを目指す場合、Pythonを学ぶことで転職市場での選択肢が大きく広がります。
JavaScript|Webシステム開発で必須のフロントエンド言語
JavaScriptは、Webブラウザ上で動作する唯一のプログラミング言語であり、Webシステム開発において絶対に欠かせない存在です。フロントエンド開発だけでなく、Node.jsによりバックエンド開発も可能になり、フルスタック開発の基盤言語となっています。
JavaScriptの主な特徴は、ブラウザネイティブ対応、非同期処理の強力なサポート、豊富なフレームワーク(React、Vue.js、Angular)です。ES6以降のモダンJavaScriptでは、アロー関数、分割代入、プロミスなど、開発効率を高める機能が多数追加されています。
使用領域は、Webフロントエンド開発、Node.jsによるバックエンド開発、SPA(シングルページアプリケーション)、モバイルアプリ開発(React Native)などです。現代のWebサービスのほぼすべてがJavaScriptを使用しており、Web系SEには必須のスキルです。
習得難易度は中レベルです。基本文法は比較的簡単ですが、非同期処理、プロトタイプベースのオブジェクト指向、クロージャなど、独特の概念を理解するには時間がかかります。また、ReactやVueなどのフレームワーク習得も必要です。学習期間の目安は、基礎習得に3〜4ヶ月、フレームワークを含めた実務レベルまで6〜9ヶ月です。
市場需要は非常に高く、Web系企業では必須スキルとして扱われます。JavaScriptができるSEの求人は豊富で、フロントエンドエンジニアの年収は450万円〜650万円、フルスタックエンジニアになると600万円〜800万円が相場です。Web系キャリアを目指すなら、JavaScriptは避けて通れません。
C#|マイクロソフト生態系での標準言語
C#は、マイクロソフトが開発したオブジェクト指向言語で、Windows環境での開発や.NETフレームワークを使ったエンタープライズアプリケーション開発で広く使われています。Javaに似た文法を持ちながら、より現代的な機能を備えています。
C#の主な特徴は、.NETフレームワークとの強力な統合、型安全性、LINQによるデータ操作、async/awaitによる非同期処理のシンプルな実装です。Visual Studioという強力な統合開発環境(IDE)のサポートにより、開発効率が高いのも魅力です。
使用領域は、Windowsデスクトップアプリケーション、ASP.NETによるWebアプリケーション、Unityによるゲーム開発、業務システムなどです。特に日本企業の社内システムではWindows環境が多く、C#の需要が安定しています。
習得難易度は中レベルです。Javaと似た構文のため、Java経験者は比較的スムーズに習得できます。オブジェクト指向の理解が必要ですが、Visual Studioのサポートにより学習しやすい環境が整っています。学習期間の目安は、基礎習得に3〜5ヶ月、実務レベルまで6〜9ヶ月です。
市場需要は、特にエンタープライズ系で安定しています。C#エンジニアの年収は500万円〜750万円が中心で、大手企業やSIerで重宝されます。マイクロソフト系の案件が多い企業では、C#スキルが強みになります。
Go|クラウド・インフラストラクチャエンジニアの新定番
Go(Golang)は、Googleが開発した比較的新しいプログラミング言語で、クラウド・コンテナ技術、マイクロサービスアーキテクチャで急速に普及しています。シンプルさと高いパフォーマンスを両立した、モダンな言語です。
Goの主な特徴は、シンプルな文法、高速なコンパイルと実行速度、並行処理(goroutine)の簡潔な実装、標準ライブラリの充実です。DockerやKubernetesなど、クラウドネイティブ技術の多くがGoで開発されており、インフラエンジニアにとって必須のスキルになりつつあります。
使用領域は、クラウドインフラツール、マイクロサービス開発、APIサーバー、DevOpsツール、コンテナ技術などです。AWS、Google Cloud、Azureなどのクラウド環境での開発に最適化されています。
習得難易度は低〜中レベルです。文法がシンプルで学習コストが低く、Pythonの次に学ぶ言語として適しています。ただし、並行処理の概念を理解するには少し時間がかかります。学習期間の目安は、基礎習得に2〜4ヶ月、実務レベルまで5〜8ヶ月です。
市場需要は急成長中で、特にクラウド・インフラエンジニア市場で需要が高まっています。Goエンジニアの年収は600万円〜900万円と高水準で、今後さらに需要が伸びると予測されています。
TypeScript|JavaScript開発の品質向上に不可欠
TypeScriptは、JavaScriptに静的型付けを追加した言語で、大規模なWebアプリケーション開発において標準的に使われるようになっています。マイクロソフトが開発し、JavaScriptのスーパーセットとして機能します。
TypeScriptの主な特徴は、静的型チェックによるバグの早期発見、IDEサポートの強化、大規模開発での保守性向上です。JavaScriptのコードはすべてTypeScriptとして実行できるため、段階的な移行が可能です。
使用領域は、大規模Webアプリケーション、React/Vue/Angularを使ったフロントエンド開発、Node.jsバックエンド開発などです。GoogleやAirbnbなど、大手IT企業でも積極的に採用されています。
習得難易度は中レベルです。JavaScript知識があれば比較的スムーズに習得できますが、型システムの理解が必要です。学習期間の目安は、JavaScript経験者で1〜3ヶ月、未経験者で4〜6ヶ月です。
市場需要は拡大中で、モダンなWeb開発ではほぼ必須のスキルになっています。TypeScriptができるフロントエンドエンジニアの年収は500万円〜750万円が相場です。
その他の有力言語|Rust、R、Kotlinなど
上記以外にも、特定分野で強みを持つプログラミング言語があります。
Rustは、安全性とパフォーマンスを両立したシステムプログラミング言語で、メモリ安全性が保証されています。組み込みシステム、ブロックチェーン、ゲームエンジンなどで採用が増えています。習得難易度は高いですが、需要は今後伸びると予測されます。
R言語は、統計解析とデータ可視化に特化した言語です。学術研究やバイオインフォマティクス分野で広く使われています。Pythonと比較すると汎用性は劣りますが、統計専門家には根強い人気があります。
Kotlinは、Javaとの互換性を持つモダンなJVM言語で、Android開発の公式言語として採用されています。簡潔な文法とnull安全性が特徴で、Javaからの移行が進んでいます。
Swiftは、Apple製品向けアプリ開発の標準言語で、iOS/macOSアプリエンジニアには必須です。モバイルアプリ市場での需要は安定しています。
これらの言語は、専門分野に特化したキャリアを目指すSEにとって、習得する価値があります。
システムエンジニア向けプログラミング言語学習ロードマップ
プログラミング言語を効率的に習得するには、適切な学習順序と計画が重要です。このセクションでは、未経験者向けと経験者向けの2つのロードマップを提示し、着実にスキルアップできる道筋を示します。
未経験・初心者向けのおすすめ学習順序
プログラミング未経験からSEを目指す場合、最初に選ぶ言語が重要です。挫折しにくく、かつ実務で活かせる言語を選ぶことが成功の鍵です。
ステップ1: Python(学習期間3〜4ヶ月) 最初に学ぶ言語として、Pythonを強くおすすめします。文法がシンプルで理解しやすく、エラーメッセージも比較的わかりやすいため、プログラミングの基礎概念(変数、条件分岐、ループ、関数)を無理なく習得できます。オンライン教材や書籍も豊富で、独学しやすい環境が整っています。
ステップ2: HTML/CSS + JavaScript(学習期間2〜3ヶ月) Pythonで基礎を固めた後、Web開発の基本であるHTML/CSSとJavaScriptを学びます。目に見える成果物(Webページ)を作れるため、モチベーション維持にも効果的です。JavaScriptを通じて非同期処理やイベント駆動プログラミングの概念を学べます。
ステップ3: 専門分野に応じた言語選択(学習期間4〜6ヶ月) 目指す分野が決まったら、その分野の主要言語を習得します。基幹系SEを目指すならJava、AI・データ分析ならPythonを深掘り、Web系ならReactやVueなどのフレームワーク、インフラ系ならGoを学ぶと良いでしょう。
この順序で学ぶことで、約9〜12ヶ月で実務レベルのプログラミングスキルを身につけられます。各段階で小さなプロジェクトやポートフォリオを作成することで、実践力も養えます。
経験者向けの専門分野別学習パス
すでにSEとして働いている方や、1つの言語をある程度習得している方は、専門性を高める方向で学習を進めると市場価値が上がります。
基幹系SE向けパス Java → Spring Boot → マイクロサービスアーキテクチャ → Kotlin(モダン化)という流れがおすすめです。既存のJavaシステムの保守・運用経験を活かしつつ、最新技術にもキャッチアップできます。また、AWSやGCPなどのクラウド知識と組み合わせることで、クラウド移行プロジェクトでの需要が高まります。
Web系SE向けパス JavaScript → TypeScript → React/Vue → Node.js → フルスタック開発という順序で学習すると、フロントエンドからバックエンドまで一貫して開発できるフルスタックエンジニアになれます。さらにNext.jsやNuxt.jsなどのフレームワークを習得すると、モダンなWebアプリケーション開発の最前線で活躍できます。
AI・データ分析SE向けパス Python → NumPy/Pandas → 機械学習(scikit-learn) → ディープラーニング(TensorFlow/PyTorch) → MLOps(モデルの運用)という流れで学習します。統計学の基礎知識も並行して学ぶと、より深い分析が可能になります。
インフラ・クラウドSE向けパス Python(自動化スクリプト) → Go(クラウドネイティブ開発) → Terraform/Ansible(IaCツール) → Kubernetes(コンテナオーケストレーション)の順序で学習すると、DevOpsエンジニアやSREとして高い市場価値を持てます。
プログラミング言語習得にかかる時間と現実的な目標設定
プログラミング言語の習得には、一定の学習時間と実践経験が必要です。このセクションでは、現実的な習得期間の目安と、効率的な学習方法について解説します。
言語別の習得期間の目安
プログラミング言語の習得期間は、学習時間の確保状況と目指すレベルによって異なります。ここでは、1日2時間程度の学習を前提とした習得期間の目安を示します。
Python: 基礎習得まで2〜3ヶ月、実務レベルまで4〜6ヶ月です。文法がシンプルなため、他の言語と比較して短期間で習得できます。ただし、Django/FlaskなどのWebフレームワークや、機械学習ライブラリを使いこなすには、さらに3〜6ヶ月の学習が必要です。
Java: 基礎習得まで3〜6ヶ月、実務レベルまで6〜12ヶ月です。オブジェクト指向の理解に時間がかかるため、他の言語より習得期間が長くなります。Spring BootなどのフレームワークやMavenなどのビルドツールまで含めると、実務で使えるレベルになるまで1年程度は見ておくべきです。
JavaScript: 基礎習得まで3〜4ヶ月、React/Vueなどのフレームワークを含めた実務レベルまで6〜9ヶ月です。基本文法は比較的簡単ですが、非同期処理やクロージャなどの概念理解に時間がかかります。
Go: 基礎習得まで2〜4ヶ月、実務レベルまで5〜8ヶ月です。文法がシンプルで学習コストが低いため、2つ目の言語として学ぶ場合は比較的短期間で習得できます。
TypeScript: JavaScript経験者なら1〜3ヶ月、未経験者は4〜6ヶ月が目安です。JavaScriptの知識があれば、型システムの理解に集中できるため、習得は比較的スムーズです。
重要なのは、「習得した」の定義です。基本文法を理解しただけでは実務では通用しません。実際のプロジェクトで使えるレベルになるには、フレームワーク習得、実践的なコード作成、エラー対処経験などが必要です。
効果的な学習方法と実践重視の重要性
プログラミング言語を効率的に習得するには、インプットとアウトプットのバランスが重要です。書籍やオンライン教材で学ぶだけでなく、実際にコードを書く実践が不可欠です。
プロジェクトベース学習が最も効果的です。To Doリスト、簡単なWebアプリ、データ分析プロジェクトなど、小さな成果物を作りながら学ぶことで、知識が定着しやすくなります。Githubに成果物を公開すれば、ポートフォリオとしても活用できます。
写経と改造も有効な学習方法です。既存のコードを書き写し(写経)、その後に自分なりの機能を追加(改造)することで、コードの構造を理解しながら応用力を養えます。オープンソースプロジェクトのコードを読むことも、実践的なコーディング技術を学ぶ良い機会です。
エラーとの向き合い方も重要です。初学者はエラーメッセージに戸惑いがちですが、エラーを読み解き、解決する過程こそが最大の学習機会です。Stack OverflowやQiitaなどのコミュニティを活用し、同じエラーに遭遇した人の解決策を学ぶことも効果的です。
継続的な学習習慣を作ることが成功の鍵です。1日2時間でも、毎日続けることで着実にスキルが積み上がります。プログラミングスクールや学習コミュニティに参加することで、モチベーション維持と学習ペースの管理がしやすくなります。
市場需要が高いプログラミング言語の動向・予測
IT業界のトレンドは常に変化しており、プログラミング言語の需要も時代とともに変わります。このセクションでは、現在の市場需要と今後の動向を分析し、戦略的な言語選択のヒントを提供します。
現在の人材需要が高い言語
2024年〜2025年の転職市場において、最も求人数が多いプログラミング言語はJava、Python、JavaScriptの3つです。この3言語で全体の求人数の約60%を占めています。
Javaは基幹系システムの保守・運用案件が豊富で、経験者向けの高年収求人が多数あります。特に金融、官公庁、大手製造業の案件では、Javaスキルが必須条件となることが多いです。求人数は安定しており、未経験者向けの研修制度が整っている企業も多く見られます。
Pythonは、AI・機械学習ブームにより需要が急増しています。データサイエンティスト、機械学習エンジニア、バックエンドエンジニアなど、幅広い職種で求められています。特にスタートアップやIT企業での需要が高く、年収600万円以上の求人が豊富です。
JavaScriptは、Web開発の必須言語として圧倒的な需要があります。フロントエンドエンジニア、フルスタックエンジニアの求人では必須スキルとして記載されることがほとんどです。ReactやVue.jsなどのフレームワーク経験があれば、さらに選択肢が広がります。
その他、Go、TypeScript、C#も需要が高まっています。Goはクラウド・インフラ系、TypeScriptはモダンWeb開発、C#はエンタープライズ系でそれぞれ重宝されています。
今後伸びていく言語とSEのキャリア戦略
今後3〜5年で需要が伸びると予測される言語と、それに基づくキャリア戦略を紹介します。
Pythonの需要は引き続き拡大します。生成AI、大規模言語モデル(LLM)の普及により、AI・機械学習分野の開発需要は今後も増加します。Pythonに加えて、データサイエンスの知識や統計学のスキルを持つSEは、市場価値が高まり続けるでしょう。
Goの需要は急成長が予測されます。クラウドネイティブ開発、マイクロサービスアーキテクチャの普及に伴い、Goエンジニアの需要は今後3年で2倍以上になると見られています。Kubernetesやコンテナ技術の知識と組み合わせることで、DevOpsエンジニアやSREとして高年収を狙えます。
TypeScriptは標準化が進むでしょう。大規模Webアプリケーション開発では、TypeScriptが事実上の標準になりつつあります。JavaScriptのみの開発案件は減少し、TypeScriptスキルが求められる傾向が強まります。
Rustは注目言語として成長が期待されます。安全性とパフォーマンスを両立する特性から、システムプログラミング、組み込みシステム、ブロックチェーン開発での採用が増えています。習得難易度は高いですが、先行者利益を得られる可能性があります。
キャリア戦略としては、複数言語の習得が重要です。1つの言語だけに依存せず、2〜3の言語を扱えることで、市場の変化に柔軟に対応できます。特に「汎用言語1つ(PythonまたはJava) + Web系言語1つ(JavaScript/TypeScript) + 専門言語1つ(Go/Rust/C#など)」という組み合わせを持つSEは、幅広いプロジェクトに対応できるため、転職市場で強い立場に立てます。
まとめ:システムエンジニアのプログラミング言語学習戦略
システムエンジニアにとって、プログラミング言語の習得は年収アップとキャリアの選択肢を広げる最も確実な方法です。この記事で解説した内容を踏まえ、効果的な言語学習戦略をまとめます。
まず、自分のキャリア目標を明確にしましょう。基幹系SEを目指すならJava、AI・データ分析ならPython、Web系開発ならJavaScript/TypeScript、インフラ・クラウド系ならGoというように、目指す分野によって優先すべき言語が異なります。転職市場の需要と自分の興味・適性を考慮して選択してください。
未経験者はPythonから始めることを強くおすすめします。文法がシンプルで学習しやすく、かつ実務での活用範囲が広いため、最初の1言語として最適です。3〜4ヶ月で基礎を習得し、簡単なプロジェクトを作成できるレベルを目指しましょう。その後、JavaScriptやJavaなど、専門分野に応じた2つ目の言語に進みます。
実践的な学習を重視してください。書籍や動画教材で学ぶだけでなく、実際にコードを書き、小さなプロジェクトを完成させることが重要です。To Doアプリ、Webスクレイピングツール、簡単なWebサイトなど、成果物を作りながら学ぶことで知識が定着します。Githubにコードを公開すれば、ポートフォリオとしても活用できます。
継続的な学習習慣を作りましょう。1日2時間でも、毎日続けることで着実にスキルが積み上がります。6ヶ月〜1年の学習で、実務レベルのプログラミングスキルを身につけることは十分可能です。プログラミングスクールや学習コミュニティを活用することで、挫折を防ぎ、モチベーションを維持できます。
市場動向にも注目してください。現在需要が高い言語(Java、Python、JavaScript)だけでなく、今後伸びる言語(Go、TypeScript、Rust)にも目を向けることで、長期的なキャリア競争力を保てます。複数の言語を習得し、専門性と汎用性の両方を持つSEを目指しましょう。
プログラミング言語の習得は、SEとしてのキャリアを飛躍させる第一歩です。今日から学習を始め、1年後には希望する分野で活躍できるSEになることを目指してください。
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